水疱瘡の大人への感染!初期症状と対処法や予防接種についても!
水疱瘡というと子供がかかる病気といったイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、大人がうつるケースがあるそうです。
また、水疱瘡に感染すると大人の場合は子供よりも重症になるいうことを聞きますが、具体的にはどのような症状が現れるのでしょうか。
そして、子供の場合には水疱瘡の予防には予防接種が有効ですが、大人にも予防接種の効果があるのかも気になりますよね。
そこで今回は、大人の水疱瘡について知っておきたい初期症状や、かかってしまった時の対処法、予防接種の効果についてをお伝えいたします。
目次
水疱瘡とは?
水疱瘡とは、正式名称を水痘(すいとう)と言い、ヘルペスウイルス科の水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染した時に起こる病気で、全身に赤い発疹(水ぶくれ)が現れるのが特徴です。
また、非常に強い感染力を持ち、咳やくしゃみなどによる飛沫感染の他、水ぶくれの中に含まれている液に触れることによる接触感染でも他の人へとうつっていきます。
なお、発疹が現れた後はそれが水ぶくれに変わっていき、最終的にそれがかさぶたになることで治っていきます。
この時、かさぶたをかきむしったり、無理に取ったりすることでその部分が化膿した場合には、水疱瘡が治っても皮膚がうまく元に戻らずに跡となってずっと残ってしまうこともあるようです。
水疱瘡は大人も感染する!?条件は?
水疱瘡は子供の病気だと思われている方も多いかもしれませんが、大人でも次のような条件に当てはまっている人は水疱瘡にかかってしまう可能性があります。
・子供の頃、水疱瘡にかかっていない人
・ワクチンを接種したことがない人
・ガンや白血病などの病気や、その治療により免疫機能に障害が起こっている人
・アトピーなどでステロイド剤を長期に渡って使用している人
・非常に大きなストレスによって免疫力が下がっている人
なお、子供の頃に水疱瘡にかかったことがある人は抗体を獲得していますが、同時にウイルスが神経の奥に潜んだ状態になっています。
そのため、ストレスや疲れによって免疫力が下がると、それが引き金となってウイルスが活性化し、帯状疱疹という別の病気を引き起こすことがあるので注意が必要です。
大人の水疱瘡は初期症状を見逃さないことが大切!
大人の水疱瘡は重症化し、命に関わることもありますので、感染に気づいたらできるだけ早く治療を始めるために、発熱や倦怠感といった初期症状を見逃さないことが大切です。
通常、子供の場合には軽い発熱とだいたい同時に発疹が現れ始めるのですが、大人の場合には発疹が現れる前に1~2日の発熱と全身の倦怠感が出ることがあります。
ですので、水疱瘡にかかった人や、その家族などと会った後にこのような症状が出た場合や、発熱の後に発疹が現れた場合には、水疱瘡を疑うべきでしょう。
■重症化に合併症…大人の水疱瘡の症状は大変!
大人が水疱瘡にかかった場合には、症状が子供よりも重くなること、そして合併症が発生する確率が高くなるため、場合によっては入院しての治療が必要となる場合もあります。
具体的には、15歳以上の人が水疱瘡にかかった場合、以下のような症状の悪化や合併症が報告されているようです。
【症状】
・水疱が子供よりも多数発生する
・子供よりも高熱が出る
【合併症】
・肺炎
・脳炎
・肝炎
そして、妊娠中の女性が水疱瘡に感染すると、母体の症状が重症化するだけでなく、胎児にもさまざまな障害が起こる可能性がありますので、妊娠を希望する女性は水疱瘡にかかったことがあるかどうかを必ずチェックしたほうがいいでしょう。
大人の水疱瘡への対処法はこれ!
大人が水疱瘡にかかった場合には、直ちに医療機関を受診し、できるだけ早くに治療を始めることが大切です。
また、水疱などを正しくケアするようにして、二次感染を予防することも有効な対処法です。
では、病院での治療と自宅でのケア、それぞれの観点から大人の水疱瘡の対処法を見ていきましょう。
■病院は何科で診てもらえるの?治療法は?
水疱瘡は、子供ならば小児科で診てもらえますが、大人の場合は内科にかかっても診断してもらえないことがあります。
なぜかというと、大人の水疱瘡は患者の数が少ないことや、治療に使用する抗ウイルス薬が高価なことなどから、内科の医師でも簡単に診断を下すことができない場合が多いからです。
ですので、大人で水疱瘡の疑いがある場合には、皮膚の症状の専門家である皮膚科を受診することをおすすめします。
なお、水疱瘡の治療には、次のような薬が使用されます。
・抗ウイルス薬
ウイルスの増殖を抑えるための飲み薬で、アシクロビル(ゾビラックス)、塩酸バラシクロビル(バルトレックス)のどちらかが使用されます。
・フェノール亜鉛華軟膏
皮膚のかゆみや炎症を抑えたり、水疱がつぶれないように保護するための塗り薬で、別名カチリと呼ばれています。
・抗ヒスタミン薬
体のかゆみを抑えるために処方されますが、さまざまな種類があり、病院によって処方される薬は違ってきます。
この他にも、化膿を予防するための抗生物質や、熱を下げるための解熱鎮痛薬が一緒に処方される場合があるようです。
■家ではこんなことに気をつけよう!
家での対処法で重要になってくるのは、薬の使用についてと、水疱のケアについてです。
まず、病院で処方された薬は指示された通りに使い、特に抗ウイルス薬は自己判断でやめないようにしてください。
というのも、抗ウイルス薬はウイルスを殺す薬ではないので、効果が現れてくるまでに2日程度の時間を要するからです。
そして、水疱はかゆくても掻きむしったり、無理に潰したりせずに、清潔にすることを心がけましょう。
しかし、湯船に入ったりして体が温まってしまうとかゆみが強く出ることがありますので、シャワーのみにとどめ、体はよく泡立てた石けんで優しく洗うようにしてください。
ただし、熱がある場合にはお風呂もシャワーも控えるようにして、脱水症状を予防するために辛くても水分補給をこまめに行うことが大切です。
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大人も水疱瘡には予防接種が有効!理由は?
水疱瘡の予防接種は通常子供の頃に行いますが、大人の場合でも、水疱瘡の予防接種は重症化や発症を防ぐために有効です。
なお、1回の接種でも効果がありますが、3ヶ月程度の時間をおいてもう一度、合わせて2回接種しておくとより確実な効果が見込めるようです。
また、抗体を持っていない人がウイルスに触れた場合にも、そこから72時間以内に予防接種を行えば予防効果があると言われています。
そして、すでに抗体がある人が予防接種を受けても特に健康上の問題はないので、水疱瘡にかかったかどうか記憶がないという方は予防接種を受けておくことをおすすめします。
ただし、予防接種に使用するワクチンの性質上、妊婦には使用できず、また接種1ヶ月前から接種2ヶ月後までは避妊が必要ですので、お子さんを考えている女性は注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか。
水疱瘡は子供の頃にかかっていない人やワクチンを未接種の人、免疫機能が病気やストレスなどで極端に低下している人であれば大人であっても感染することがあります。
また、大人の水疱瘡は高熱や大量の水疱のような症状の重症化だけではなく、合併症や妊娠中の胎児への悪影響などが見られるので、発熱や倦怠感などの初期症状に気づいたら速やかに皮膚科を受診することが大切です。
そして、処方された薬を正しく使いながら、水疱を掻きむしったりしないようにケアすることや高熱による脱水症状を予防するといった対処法を行いましょう。
ぜひ今回の記事を参考に、予防接種などを活用して感染予防に心がけ、2回目の感染を避けるようにしてくださいね。
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「水疱瘡の流行る時期と感染予防のポイント!二回目を防ぐには?」についての記事はコチラ!?
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