マイコプラズマの治療方法や期間!薬の注意点や費用についても!
マイコプラズマに感染して肺炎が起こった場合には、発熱や激しい咳などの症状に苦しむ事になります。
そして、以前は主に子供がかかる病気とされてきましたが、近年は大人がかかって重症化する例も目立ってきており、注意が必要です。
また、マイコプラズマで入院する例もあるようですが、どのような場合に入院が必要になるのでしょうか。
そこで今回は、マイコプラズマの治療について、よく使用される薬とその注意点、また治療にかかる期間や費用についてを詳しくご紹介していきます。
目次
マイコプラズマの治療方法は?
マイコプラズマの治療方法は、大きく分けて以下の2つがあります。
1:抗生物質による治療
2:咳や熱を抑える対症療法
1の抗生物質は病気の原因となっているマイコプラズマに直接作用する治療で、2の対症療法とはその時に現れている症状を薬で和らげることで不快な症状を軽くしたり、体力が必要以上に消耗してしまったりすることを防ぐための治療です。
それでは、この2つの内容をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
1:抗生物質による治療
マイコプラズマはウイルスではなく細菌に分類されるため、その治療にはいくつかの種類の抗生物質が有効で、治療法のメインとなっています。
具体的には、以下のような種類の抗生物質が状況に応じて処方されます。
【マクロライド系】
・エリスロシン
・クラリシッド
・クラリス
・ジスロマック
【テトラサイクリン系】
・ミノマイシン
【ニューキノロン系】
・トスフロキサシン
・オゼックス
なお、病院でよく処方される抗生物質にはパセトシンやユナシンなどに代表されるペニシリン系と、フロモックスやメイアクトに代表されるセフェム系がありますが、この2つの種類はマイコプラズマに対して効果がないようです。
2:咳や熱を抑える対症療法
マイコプラズマでは、咳や痰、発熱といった症状も多く見られるため、それらを和らげるための薬も症状の程度に合わせて処方されます。
例えば、発熱に対してはブルフェンやロキソニンといった解熱剤、咳や痰に対しては麦門冬湯やアスベリンなどの咳を鎮める薬や、ムコダインやムコソルバンといった痰を出しやすくする薬などが処方されることが多いようです。
こういった薬を抗生物質とともに使用することで、症状が治まるまでの期間が短くなるという研究結果も出ており、有効な治療法のひとつであると言えるでしょう。
■マイコプラズマで入院は必要になる?
マイコプラズマは通院で治療が可能な病気ですが、以下のような場合には入院しての治療が必要となる場合があります。
・肺炎が重症化した場合
抗生物質が効かなかった場合(これに関しては後ほど詳しくご説明します)や、肺炎のために呼吸困難を起こしたり、胸に水が溜まったりするような症状が現れた場合には、入院して医師や看護師の管理のもと治療を行う必要があります。
・水分や栄養を自力で摂ることができない場合
高熱で脱水症状を起こしてしまっている、咳がひどいなどの理由で飲食が充分に行うことができない場合には、入院しての点滴治療などで体力を回復させることが必要です。
・合併症を起こしている場合
マイコプラズマでは、気管支喘息の悪化や、脳炎、肝炎などの深刻な合併症が起こる場合がありますので、これらの症状が見られた場合にはそれぞれの症状に応じた治療を入院して行うことになります。
なお、マイコプラズマによる肺炎で入院が必要となるのは小学生くらいまでの年齢の子供が多いのですが、近年は大人がかかって重症化するという例も報告されていますので、マイコプラズマと診断された場合には年齢に関係なく体の状態をよく観察するようにしてくださいね。
マイコプラズマの治療薬の注意点はこれ!
さて、マイコプラズマに有効な治療法とその薬をご紹介しましたが、その中でも特に抗生物質についてはいくつかの注意すべき点がありますので、それについてもご説明します。
■マイコプラズマでは薬が効かない場合がある!?
近年、マイコプラズマの治療に頻繁に使われているマクロライド系の抗生物質が効かないというケースが報告されています。
なぜ、このような事態になったのかというと、マイコプラズマに対して頻繁にマクロライド系の抗生物質が使用されたため、それによってマイコプラズマの遺伝子が変化したのではないかと言われています。
言い換えれば、「度重なるマクロライド系の抗生物質による攻撃に対して、マイコプラズマがそれを防ぐ方法を身につけてしまった」といったところです。
そのため、マクロライド系の抗生物質が効かない場合には、テトラサイクリン系やニューキノロン系といった他の種類の抗生物質で対応することになります。
■抗生物質の副作用にも注意しよう!
抗生物質は比較的安全な薬ですが、副作用などがいくつか確認されていますので、それらの症状にも注意するようにしましょう。
【マクロライド系】
・下痢、吐き気、嘔吐などの消化器症状
・一部の気管支喘息の治療薬(テオドールなど)と併用するとそちらの副作用が出やすくなる
【テトラサイクリン系】
・胃の不快感、吐き気
・めまい、頭痛
・歯の黄変(子供の場合)
【ニューキノロン系】
・光線過敏(日光に当たると皮膚が赤くなったりする)
・関節障害(関節痛や関節の腫れ ※子供の場合)
もし、これらの症状の他にもマイコプラズマの症状に当てはまらないようなものが現れた場合にはすぐに病院を受診するようにしてください。
■子供が使う薬に注意!
先程の副作用の説明でも触れましたが、ニューキノロン系とテトラサイクリン系の抗生物質には子供にのみ現れる副作用がありますので、これらの薬を子供が使用する場合には注意が必要です。
しかし、前述のマクロライド系抗生物質への耐性を持っているマイコプラズマの関係で、ニューキノロン系のオゼックスや、テトラサイクリン系の抗生物質は子供にも処方されることがあります。
なお、テトラサイクリン系の歯への色素沈着は、主に永久歯が生える前の子供には控えたほうがいいとはされていますが、テトラサイクリン系の抗生物質を使ったからといって必ず歯の変色が起こるというわけではありませんので、必要以上に心配することはありません。
それでも気になるという場合には、医師にその旨を伝えて、他の薬への変更をお願いするのもいいかもしれませんね。
マイコプラズマの治療期間はどれくらい?
マイコプラズマの治療期間は、たいていは2週間程度ですが、咳の症状だけが1ヶ月程度残ってしまうといったケースも多いようです。
そのうち、抗生物質による治療期間はおよそ7~10日程度になりますが、その後も咳が残るようであれば咳止めなどを使ったりしながら通院して治療することが必要になります。
なぜかというと、咳が続くというのはまだ完全に治っていないというサインで、この間には合併症などを起こす可能性もあるからです。
ですので、マイコプラズマの治療期間としては、早くても2週間程度、通常ならば1ヶ月程度と考えておいたほうがいいでしょう。
スポンサーリンク
マイコプラズマの治療費は?
マイコプラズマは治療期間が長引くことも多い病気ですので、治療費も気になるという方もいらっしゃることでしょう。
そこで、最後にマイコプラズマにかかった場合に必要な治療費について、外来で治療する場合と入院して治療する場合とで大まかに計算をしてみました。
ただし、病院ごとに料金が違う点も多いので、あくまでも参考として見てくださいね。
■外来の場合
マイコプラズマの治療費は、外来で一度診察を受けるとするとおよそ4000~5000円前後かかります。
これは、診察料(初診料)・検査料(胸部のレントゲンや血液検査)・調剤料・薬代(抗生物質を10日分)でおおまかに計算したもので、病院や薬局、検査の方法によって多少の差が出てきます。
なお、薬そのものの費用については、薬の種類やメーカーにも左右されますし、後発薬(いわゆるジェネリック薬と呼ばれるもの)を使用した場合などは多少安くなります。
ですので、少しでも治療費を抑えたいという場合には、処方箋を出してもらう時にジェネリック薬が使えないかどうか尋ねてみてはいかがでしょうか。
■入院した場合
マイコプラズマで入院した場合、平均の入院期間は子供で1週間程度、大人で2週間程度となりますが、大人が1週間肺炎で入院したとすると3割負担でおよそ5~6万円前後が必要になります。
これは、入院費用・薬代(抗生物質の点滴や内服)・検査費・食費などをまとめた料金で、個室などに入った場合の差額ベッド代や入院着のレンタル料金などは含まれていません。
なお、入院が長引いたなどの理由で医療費が高額になってしまった場合には、所得額に応じて医療費の一部が戻ってくる高額医療費制度というものがありますので、保険などと合わせて検討してみるというのも手です。
まとめ
いかがでしたか。
マイコプラズマの治療法は主に抗生物質や解熱剤などの服用で、治療期間はおよそ2週間~1ヶ月程度となります。
なお、薬にはマイコプラズマの種類によっては効かないものがあったり、副作用が起こるおそれがあるものがありますので、治療中は体の状態に気をつけるようにしてください。
また、マイコプラズマにかかった場合の治療費は、外来・入院ともにただの風邪の場合よりも高くなる傾向にあるようです。
ですので、ジェネリック薬の使用や高額医療費制度の利用など、少しでも医療費を抑える工夫をすることをおすすめします。
そして、マイコプラズマは繰り返しかかることもありますので、免疫力を高めて感染予防に務めたいものですね。
↓↓↓
「マイコプラズマに免疫をつけて感染予防するための効果的な方法!」についての記事はコチラ!?
スポンサーリンク