糖尿病の体重減少はどのくらい?進行ペースと痩せる原因と対策!
糖尿病の症状に体重が減少するというものがあります。
そして、この体重の減少には疑問点がたくさんあり、
・糖尿病患者の体重減少の進行ペースはどのくらいか
・そもそもの原因や機序(メカニズム)はどうなっているのか、高血糖と関係あるのか
・食事の内容が理由なのか
・薬などの対策はあるのか
・食欲不振になるのか
・看護側のポイントはあるのか
といったところでしょうか。
そこで今回は、糖尿病の体重減少はどのくらいなのか、疑問点を解決しつつ進行ペースと痩せる原因と対策についてお伝えします。
目次
糖尿病の体重減少が起きる原因やメカニズムは?
糖尿病は血糖値を下げるインスリンの分泌される量が減ってしまうか、インスリンがうまく使えない状態になってしまうので、食べた糖がうまく代謝されないで血管内に残ってしまうようになってしまう病気です。
そうなると、人間の体にとってエネルギーとなる糖分がうまく細胞に取り込めなくなるということなので、エネルギー不足が発生しますよね。
そして、このエネルギー不足を補うために体に貯蔵されているタンパク質や脂質を、筋肉や脂肪から分解して使い始めるようになるので、インスリンの働きが悪い人は急激に痩せていってしまいます。
つまり、糖尿病患者が痩せるメカニズムは
インスリンがうまく使えなくなる
↓
糖の分解がうまくいかなくなる
↓
エネルギー不足が発生する
↓
エネルギー不足を補うために筋肉や脂肪からタンパク質や脂質を分解する
↓
筋肉や脂肪が減っていき痩せる
ということです。
また、それ以外にも糖尿病患者は多尿や頻尿が発生するので体内の水分が外に出ていく状態が続くようになり、体重が減りやすくなります。
そして、人によっては何もしなくても痩せるのはうらやましいと思う方もいるかもしれませんが、これは糖尿病における弊害なので痩せる願望が強い方々の理想の体型になるわけではなく、むしろ筋肉も一気になくなって激ヤセしてしまうので、あこがれる要素はみじんもないでしょう。
◇何もしていないで痩せるのは糖尿病の末期症状
末期の段階の糖尿病患者はインスリンや薬を投与しても体がそれを有効に使えない状態になってしまうので、血中の糖質が取り込めなくなっています。
そして、その状態になると運動も特にしないで食事を極端に減らしたわけでもなく痩せるようになりますので、はっきりいってかなり危険な状態と言えるでしょう。
また、この痩せ方の特徴は脂肪がなくなっていくだけではなく、筋肉の張りがなくなっていくようになることです。
つまり、食欲不振や激しい運動といった痩せる要素がなかったのに痩せている場合は危険な状態にあるということなので、いち早く医師に相談する必要があるということですね。
◇糖尿病=太るではない!
これは先入観のようなものだと思われますが、糖尿病になったからといって太るようになるわけではありません。
というのも、太っている人が糖尿病になりやすいというだけで、糖尿病になったから太ったというわけではないのです。
むしろ、糖尿病患者で肥満の状態にある人は痩せることも推奨されるので、仮に糖尿病で太った人がいる場合は、それは治療を放棄して好きに生きる道を選んだ人ということになります。
◇日本は痩せ型糖尿病患者が多い!
また、糖尿病患者のすべての人が肥満になっているわけではなく、むしろ痩せている人でも糖尿病になっている人がいます。
というのも、日本人はもともと欧米人と比べるとインスリンの分泌力が弱いので、高血糖状態になりやすく、肥満にならなくても糖尿病になりやすい体質なのです。
さらに、日本人は内臓や筋肉に脂肪を付けやすい体質で、内臓脂肪が多い人はインスリンの効きが悪くなってしまうので糖尿病になりやすいとも言われています。
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糖尿病によって痩せるペースはどうなの?
糖尿病患者が痩せるようになってしまった場合、どのくらいの進行ペースになるのかを確認したところ、経験談となりますが1月で10kg以上減少したという人や、ひどい人では1月で30kg以上痩せてしまったという人もいました。
ただし、この急激に痩せる症状は多くの方がなられている2型糖尿病患者の場合、発症してから数年~10年は経過していると言われているので、この症状が出る前に糖尿病を治す必要があるとも言われています。
というのも、人によっては「急激に痩せるのは末期症状だからすでに手遅れ」と説明しているので、この症状が出る前に治すことが何よりも大切だと言えるでしょう。
◇痩せる症状が出る前に治療しましょう
糖代謝の異常が発生して急激に痩せるといった症状が出る前に、食事制限や運動療法を行って治療を行うのが正解となります。
また、糖尿病患者の場合、医師の診断や栄養士の指導によってその人に合った摂取カロリーやエネルギー量が決められるようになり、それを看護師がサポートすることになるでしょう。
そこでは、できる限り糖質を抑えて栄養が摂れるものが中心となる食事になるので、食事を楽しみにしていた人には辛いと感じる方も非常に多いのですが、味付けを工夫したりして少しでも食事制限を続けるようにしてください。
そして、この食事制限に対してあまりにも辛そうにしてしまう患者がいると、看護側もその苦労が身に染みてわかってしまい、ついつい甘やかしてしまうことがあるようですが、ここは医師の診断や栄養士の指導に合わせるようにしましょう。
また、どうしても甘いものが食べたいという時は、体内で糖になりにくい果糖が含まれている果物を看護側は推奨するといいですよ。
◇薬物療法は最終手段
糖尿病患者は食事制限と運動療法が基本となるのですが、それでも症状が良くならない場合は血糖値を下げる薬やインスリンの注射などの薬物療法を行うようになります。
ただし、薬物を投与したからと言って急激に症状が回復するわけではないので、食事療法と運動療法は続けるようにしてください。
また、薬物療法の注意点として、薬の副作用である冷や汗・めまい・手の震え・強い空腹感といった低血糖の状態が出た場合は糖分を速やかに摂取する必要があるので、使う時は準備しておくようにしましょう。
それ以外にも、薬を突然飲まなくなると糖尿病性昏睡や意識障害を引き起こす可能性があるので、勝手に薬を飲むことを止めないようにしてください。
つまり、最初から薬物に頼って、つらい食事制限や運動療法をしなくて良いというわけにはいかないということです。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか?
今回は糖尿病の体重減少はどのくらいなのか、疑問点を解決しつつ進行ペースと痩せる原因と対策についてお伝えしました。
糖尿病患者が体重減少する原因は、糖をうまく分解できなくなることでエネルギー不足が発生し、それを補うために脂肪や筋肉を分解してエネルギーを取り入れ始めるからということでした。
そして、糖尿病患者になってから太るわけではなく、太っているから糖尿病になりやすいというだけで、日本人の場合は痩せ型の糖尿病患者が多いということでしたね。
さらに、糖尿病によって急激に痩せた場合は1月で30kg以上痩せるといった激ヤセが発生した人もいるということなので、著しく痩せることもわかりました。
また、この激ヤセする現象は末期症状でもあるので、この症状が出る前に食事療法と運動療法を行って糖尿病を改善する必要があるということでしたね。
最後に、糖尿病の治療は食事が大好きな人にとって地獄に感じる人もたくさんいるでしょう。
そのため、発症してしまわないように、甘いものが大好きな人は食べすぎに注意して、日常から運動を摂り入れていくようにしましょうね。
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