アトピーで汗が出ない時の対処法と汗をかく際のかゆみや臭い対策
アトピーの人にとって、汗はかゆみの原因となるため、悪いイメージしかないという方も多いことでしょう。
そのため、アトピーのかゆみ対策として汗をかくことを避けているうち、汗があまり出ないようになったという方もいらっしゃるようです。
しかし、アトピーの人が汗をかくのは決して悪いことではでなく、アトピーのためには良い影響があります。
そればかりでなく、汗をかかないことで逆にアトピーに悪影響が出ることもあるのです。
そこで今回は、アトピーの人にとって汗はどんな影響があるのかということや、汗をかきにくい人の対処法、また、汗にはつきもののかゆみや臭いの対策についてをご紹介していきます。
目次
アトピーにとって汗は悪者じゃない!
アトピーの人にとって、汗はかゆみの元のひとつとなるために、汗をかくことをできるだけ避けたいというる方も多いのではないでしょうか。
しかし、汗はアトピーに対して、皮膚の水分量を保つなど良い影響をもたらすだけでなく、汗をかかないでいることでアトピーが悪化してしまうこともあるのです。
では、汗がアトピーに与える影響についてをご紹介します。
1:知ってた?汗の大切な役割!
汗とは、ただ体が暑いと感じているというサインだけではなく、以下のような役割があります。
・体の熱を排出する
これは、汗の最も大切な役割で、気化熱によって皮膚や体内の温度を下げ、熱中症などにならないようにする働きをしています。
そして、アトピーの人にとっては、体温が下がることでかゆみを抑えるという効果が期待できます。
なぜならば、炎症反応のひとつであるかゆみは、体温が高いほど敏感に感じやすくなるという性質があるからです。
・肌にうるおいを与える
汗は肌の奥の真皮層という場所にある汗腺から、皮膚の表面である角質層へと届けられます。
つまり、汗をかくことで皮膚の表面へ水分が行き渡ることになり、これは乾燥肌の持ち主が多いアトピーの人にとっては皮膚のバリア機能を高める効果が期待できます。
・細菌の侵入などを防ぐ
汗には抗菌ペプチドや免疫グロブリンといった、外部からの細菌などから肌を守る成分が含まれており、炎症や皮膚病を引き起こす細菌から肌を守ってくれるという効果が期待できます。
このように、汗とはかゆみを起こすといった悪い影響だけではなく、アトピーの人の肌に良い影響もあるのです。
2:汗をかかないとアトピーがひどくなる!?
さて、汗はアトピーに対して悪いものではないということをご説明しましたが、実は汗をかかないことによって、アトピーのかゆみが悪化しやすくなってしまう可能性があります。
なぜならば、体にこもった熱が汗によって出て行かないために体温が上がり、かゆみを敏感に感じやすくなってしまうからです。
また、汗によって皮膚に水分が届けられることもないので、乾燥肌がひどくなり、わずかな刺激でもかゆみを感じたりするようになってしまいます。
このことからも、アトピーの人にとって汗をかくことは大切だと言えます。
アトピーで汗が出ない理由はこれ!
アトピーの人の中には、汗をかくことを避けているだけではなく、普通なら汗をかくような状況においても汗が出ないという方も多いようです。
これには、次のような理由が考えられます。
・汗をかくのを避けているあまり、汗腺の機能が低下してしまっている
・汗をかくのをコントロールする自律神経に不調をきたしている
前者はアトピーではない人にも見られることで、空調が行き届いた室内にいることが多い人などは汗をかきにくくなり、熱中症などにかかるリスクが増してしまいます。
一方、後者はアトピーの人が汗をかきにくくなっている理由ではないかとされていることで、汗腺の機能は正常であっても、汗を出すように指示する部分に何らかの不調があるために汗がかけなくなっていると考えられています。
アトピーで汗が出ない時の対処法はこれ!
アトピーで汗が出ない時の対処法は、基本的には「入浴」と「運動」という、生活の中で汗をかきやすいシーンをきちんと行うことです。
まず、入浴についてはシャワーなどで済ませたりせずに、湯船にしっかりと入ってリラックスして、自律神経のバランスを整えるようにしましょう。
その際に、水分を補給しながらぬるめのお湯で半身浴を行ったりすると、より汗をかきやすくなります。
次に、運動は激しいものでなくて構いませんので、散歩や階段利用などの簡単に取り入れられそうなものから始めてみてください。
始めのうちは汗が出ないかもしれませんが、長く続けることによって汗腺の機能が正常になり、体が汗をかくということに慣れてくるはずです。
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アトピーでの汗対策!かゆみや臭いはどうしたらいいの?
汗をかくとやっぱりかゆいし、市販されているデオドラント製品などが使えないので臭いが気になる…というアトピーの方は多いと思います。
そういった時の対策は、やはり通常の汗対策と同じように「汗をそのままにしておかない」ということになります。
なぜならば、汗をそのままにしていると刺激でかゆみが出てきてしまいますし、また皮膚についた菌のエサとなって臭いが発生する原因になってしまうからです。
そのため、シャワーをすぐに浴びたり、こまめにタオルで拭いたりすることによって、かゆみや臭いを抑えることができます。
なお、普段から汗をかいていない人の汗はミネラル分が多く、臭いやすいという傾向があり、汗を多くかいて汗腺の機能が発達すれば、臭いの少ない汗に変わっていくそうです。
ですので、なるべく汗をかく習慣をつけたいものですね。
まとめ
いかがでしたか。
アトピーの人にとって汗は確かにかゆみの一因となるものですが、肌のうるおいを保ったり、肌のバリア機能を高めたりといった大切な役割もあります。
そして、アトピーの人で汗が出ない理由は、汗腺の機能が低下していることと、自律神経に何らかの不調があるということです。
ですので、汗をかくことを怖がらずに、入浴や運動など、普段の生活で汗をかくことを心がけるようにしてみてください。
そして、汗をかいたらこまめに拭いたりなどのケアをすることで、かゆみや臭いを抑えることができます。
また、その他のかゆみケアの方法やアトピー対策の方法を組み合わせて、辛いアトピーの症状を少しずつでも改善していきたいものですね。
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