とびひで重症の時の対処法と注意点!全身がひどい時など!
とびひは、あせもや虫さされの延長線上のものだと軽く見てしまいがちですが、実は細菌が原因で生じる重症化しやすい病気です。
そして、とびひには2種類あり、原因菌や治療方法も異なることを知っていましたか?
そのため、とびひの症状がひどく、重症化すると他の病気への合併症の可能性が出てきたり、症状が全身に広がってしまうこともあります。
そこで今回は、とびひで重症の時の対処法と注意点や、全身がひどい時などについて詳しくお伝えしていきます。
とびひで重症の時の対処法と注意点!全身がひどい時など!
あせもや虫さされは、外部からの刺激で起こる皮膚の炎症ですが、とびひはその皮膚炎をきっかけに、手で掻くことで皮膚内に細菌が入り込んで生じる病気です。
そして、正式な病名を伝染性膿痂疹と言い、その名の通り火事の飛び火のようにあっという間に広がるため「とびひ」と呼ばれていて、他人への感染力も強いとされています。
また、とびひの原因菌は健康な人の体に普段から存在する常在菌で、炎症部位を手で?くことで菌が入り込んでしまうので、特に子供の場合は防ぐのが大変です。
ただ、あせもなどと同様に、市販薬などのステロイド軟膏などだけで治ると勘違いする方が多く、治療方法を誤ると重症化し、入院するケースもあるので注意しましょう。
それから、とびひには2種類あり、原因菌や治療方法、また、重症化した場合の注意点も異なるので、タイプ別に詳しく紹介していきます。
とびひのタイプと症状はコチラ!
1) 水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)
水疱性膿痂疹は、原因菌を黄色ブドウ球菌といって、かき壊した炎症部位に小さな米大の水ぶくれができて、だんだんと中に膿がたまり、やがて水疱が破けます。
そして、その破けた部位を触った手を介して、内容液に含まれた細菌が他の部位へうつり、鼻や顔から手や足など体のあちこちへと広がっていってしまいます。
それから、このタイプは7歳以下の乳幼児がかかりやすく、また、夏に流行しやすい特徴があります。
2) 痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)
痂皮性膿痂疹は、赤く腫れた炎症部位に小さな水ぶくれができ、その後すぐに厚いかさぶたができるのですが、全身に強い炎症が広がり、発熱やリンパ節の腫れが現れることもあります。
そして、このとびひは1年を通して現れ、特にアトピー性皮膚炎を持った大人がかかりやすく、非常に重症化しやすい症状で、原因菌は溶連菌と言います。
このように、とびひといっても子供だけがかかる症状ではなく、タイプによっては重度の症状を伴うものがあります。
そのため、とびひの症状が現れた場合は、市販の軟膏薬で表面的な症状を治すだけではなく、体の中の菌を殺す必要があるので、できるだけ早く病院で受診しましょう。
ただ、もしも対処法を誤ったり、病院の受診が遅れた場合は、次のような重度の症状が現れるので注意しましょう。
とびひで重症化した場合の症状はコチラ!
・水疱性膿痂疹が重症化した場合…SSSS(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)
SSSSとは、staphylococcal scalded skin syndromeの略称で、黄色ブドウ球菌が作り出す毒素で皮膚がただれ、やけどのような状態になる全身の疾患のことを言います。
そして、かつては命の危険もある疾患でしたが、最近では効果の高い抗生物質が存在しているため、早く発見して治療すれば充分に治る見込みのある症状と言えます。
なので、もしもとびひが全身に広がりやけどのような状態になってしまったら、一刻も早く病院で受診し、適切な薬か点滴を処方してもらって治すようにしましょう。
・痂皮性膿痂疹が重症化した場合…全身が潮紅化する症状や、腎障害の併発
痂皮性膿痂疹は元から炎症が強く、症状の重いタイプの病気ですが、原因菌の溶連菌が体の中に残りやすく、治療を途中でやめたりすると他の病気を併発することがあります。
そして、その症状としては、全身が潮紅化する(皮膚が赤らむ)他、腎障害を起こすため、かさぶたが治ってからも尿の中のタンパクを確認する尿検査を行うことがあります。
また、アトピー性皮膚炎の人がこのタイプのとびひにかかりやすく、合併すると菌が血液中に侵入して高熱を発し、敗血症または菌血症という重度の症状に陥ります。
そのため、特にアトピー性皮膚炎の方でとびひを合併させてしまったら、できるだけ早く病院で受診し、医師の診断のもと適切な処置を受けるようにしてください。
このように、とびひの症状は治療が困難な上に、一般的な皮膚炎のように軽く見てしまいがちなので、重症化する前に病院で受診するよう、充分に注意が必要です。
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とびひの正しい治療方法はコチラ!
とびひの症状が現れたら、まずは病院で受診し、次のように適切な処置を施してもらうことをオススメします。
1) 原因となる細菌を駆除する
とびひはあせもや虫さされと違い、原因となる細菌が皮膚内に入り込んで発症する病気のため、細菌を駆除しない限りは完治することはできません。
そのため、基本的には市販の軟膏薬だけでは治らないので、自宅にあるステロイド剤だけで治そうとせず、病院で受診して抗菌薬を処方してもらってください。
そして、症状別に、黄色ブドウ球菌や溶連菌によく効く抗菌薬を処方されたら、必ず医師に指定された日数や量を守って飲みきるようにしましょう。
2) 外用薬(塗り薬)で炎症を和らげる
抗菌薬の服用と共に、炎症部位に塗る塗り薬も処方され、炎症の度合いに応じてゲンタシンやフシジン酸ナトリウムの軟膏薬が処方されます。
ただ、人によっては内服薬である抗菌薬に耐性化していることがあるので、事前に細菌を培養し、原因菌に対する感受性検査を行って薬が効くかどうか調べることもあります。
したがって、その場合はしっかり検査を行い、処方された塗り薬を使ってかさぶたが取れるまで使用し、特に水疱性膿痂疹など水疱が破れやすい場合は上からガーゼで保護します。
また、ガーゼで保護した上から亜鉛華軟膏を塗ると、水疱の中の細菌を含んだ内容液の侵出を防ぐ場合もあり、特に子供には効果的です。
それから、水疱性膿痂疹の場合はかゆみを抑える抗ヒスタミン薬の服用も併用して、特に子供が掻いてさらに炎症を悪化させないようにすることもあります。
このように、とびひには体の内外から治療が必要で、特に痂皮性膿痂疹の場合は、表面的にかさぶたが取れても体の中に細菌が残っていることがあります。
そのため、とびひについては最終的にはもう一度病院で受診し、医師の診断を仰いで完治したと判断する方が安全と言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
とびひで重症の時の対処法と注意点や、全身がひどい時などについて詳しくお伝えしました。
まず、とびひで重症化すると水疱性膿痂疹の場合はSSSSといって水疱が破けて広がる炎症で全身がやけど状態になったり、痂皮性膿痂疹の場合は皮膚が赤らんだり腎障害を起こしたり、アトピー性皮膚炎の方は敗血症を起こすとのことでした。
そして、こうした重症化した症状の場合は病院での入院や治療が必須となるので、できるだけ早く病院で受診すると良いとのことでしたね。
また、こうした重症化を防ぐためにも、医師の指示に従って、タイプ別に細菌を駆除する内服薬と、外用薬で炎症を和らげる治療を指定通りに行うことが大切なのでした。
とびひは放っておくと取り返しのつかない状態になることもあるので、できるだけ早く医師の診断に従って、きちんとケアを行うようにしましょう!
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