腹痛を伴う便秘とストレスの関係!原因の診断や解消の仕方も!
便秘と言えば食生活の乱れによるものだというイメージが強いですが、実は精神的なストレスとも深い関係にあると言われています。
なので、腹痛を伴う便秘とストレスの関係について、知りたいのではないでしょうか?
また、ストレスからくる便秘について、その症状や、原因の診断や解消の仕方についても気になりますよね。
そこで今回は、腹痛を伴う便秘とストレスの関係や、原因の診断や解消の仕方についても詳しくお伝えしていきます。
目次
ストレスからくる便秘!腹痛を伴う症状とは?
現代はまさしくストレス社会で、職場や学校だけでなく、日常生活のあらゆるところにストレス因子が転がっていると言われています。
そのため、ストレスからくる便秘は、誰の身にも発生しうる症状です。
そして、腸の働きを司る自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があり、大腸のぜん動運動をコントロールしているのは副交感神経です。
ですが、ストレスが増えると交感神経が優位になり、副交感神経の働きを低下させるので、ストレスを受けている状態が継続すると、大腸のぜん動運動が鈍ったり、逆に過度になって強く収縮し、けいれんを起こしてしまうなど、腸に問題が発生してしまいます。
ストレスと痙攣性便秘
ストレスに由来する便秘には重度にレベルがあり、初期の症状を痙攣(けいれん)性便秘と呼ぶそうです。
そして、痙攣性便秘は、大腸が痙攣してしまっているために発生する症状ですが、動きが鈍っているのではなく、逆に動きが過度になっています。
そして、これは便秘薬や下剤の服用をしすぎることで起こることが多く、市販のそうした薬は動きの鈍った大腸の働きを促進するための成分が含まれているため、効果があるどころか、より悪化させてしまう可能性があるんですね。
ストレスと過敏性腸症候群
痙攣性便秘の症状が長く続き、また程度もかなり重度である場合は、過敏性腸症候群の可能性があります。
そして、ストレスが原因となって発生する過敏性腸症候群の主な症状は、便秘以外にも腹痛や腹部の不快感、便通異常で、大きく分けると次の3つになるそうです。
・下痢型:突如として腹痛が発生して下痢をしてしまい、通勤や通学、外出が困難になるような症状
・便秘型:便はウサギの糞のようにコロコロになり、排便が困難になります。
・混合型:下痢と便秘を繰り返します。
この過敏性腸症候群は、日本を含む先進国に多く、日本人の有病率は10~15%、消化器科を受診する人の3分の1が過敏性腸症候群の患者だと言われています。
そして、男女比では若干女性の方が多く、男性では下痢型、女性では便秘型の症状が多い傾向にあるそうです。
それから、腸と脳は神経によってつながっているため、脳が不安やストレスを感じると、それが腸に伝わり、その影響で腸の運動に異常が発生し、上記のような症状が発生してしまうんですね。
ストレス性の便秘の診断基準はこちら!解消法も
腹痛を伴う便秘が長期間続き、上記のような症状が現れたら病院で内科か消化器科を受診すると、病院では次のような方法で診断してくれます。
・自覚症状からの診断
医師は、特徴的な自覚症状のパターンから、まずは過敏性腸症候群を疑いますが、次に、似たような症状を示す器質的疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病・アメーバ赤痢・ガン・ポリープ・大腸憩室炎など)がないかどうかを検査します。
その上で、検査で特に問題となる疾患が見当たらなければ、患者が訴える自覚症状から過敏性腸症候群と診断するのです。
そして、この診断をする際には、ローマ基準という世界的に標準化された診断基準があるそうです。
・ローマ基準法(現在用いられているのは、2006年5月に発表されたRomeIII)
最低3ヶ月の間、月に3日以上腹痛や腹部不快感が繰り返し起こり、次の項目の2つ以上が当てはまることが診断の基準となります。
1、 排便によって症状が軽減する
2、 発症時に排便頻度の変化がある
3、 発症時に便形状(外観)の変化がある
さらに、6ヶ月以上前から症状があり、最近3ヶ月間は上記基準を満たし、週に2日以上の痛みや、不快な症状があるものを的確症例とする基準も決められているそうです。
過敏性腸症候群のセルフチェックの仕方
このようなストレス性の便秘については、次の項目でセルフチェックすることもできます。
・お腹の痛みは排便すると和らぐ
・腹痛があって、水のような下痢を起こすことがある
・腹痛があって、強くいきまないと出ないような便秘をすることがよくある
・1日3回以上下痢を起こすことがよくある
・週に3回以下しか便が出ないことがよくある
・下痢と便秘を繰り返すことがよくある
・緊張したり、不安を感じるとお腹が痛くなることが多い
・お腹が張っていることが多い
・便をした後に、便が残っている感じがする
・出勤時に限ってお腹の調子が悪くなる
この10項目のうち、3つ以上当てはまる場合は、過敏性腸症候群の可能性があります。
そして、たかが便秘、たかが下痢と軽く見たり、体質だと諦めてしまわないで、必ず早めに病院で診てもらうようにしましょう。
ストレス性の便秘の解消法とは?
ストレスに起因する胃腸の不調や病気を改善するには、自律神経が正常になるようにライフスタイルの改善を行いましょう。
その上で、特に重要になるのが食事療法や運動療法です。
特に、腸内環境を整えるには栄養バランスの良い食生活や、規則正しい食事の仕方、そして食物繊維や乳酸菌といった腸内環境を良くする栄養素を意識して摂ることが大切です。
また、運動不足になることで、精神的なストレスの発散もできず、大腸の機能が正常に動かなくなっている可能性もあるので、ゆっくりと体を動かすランニングやウォーキングなど、できることから少しずつこまめに取り入れていきましょう。
一方で、病院では薬物療法が行なわれることもありますが、ストレスが主な原因のため、根本的な解決には繋がりにくい場合があるそうです。
ただし、過敏性腸症候群の場合は、セルフケアでは対応しきれないほど重度である場合があり、通勤や通学、外出などの日常生活に影響が出ている場合は、早めに医師に相談するようにしましょう。
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過敏性腸症候群で重度の場合は診断書をもらおう!
通院・服薬をしながら何とか仕事を続けていても、症状が思うように改善せず、精神的につらい想いをしているのなら、いきなり辞めるのではなく、まずは休職するという手段もあります。
そして、いったん退職してしまったら、その後、症状が劇的に改善していき、元の職場に戻りたいと思うようになっても、同じ職場にはそう簡単に再就職することができません。
ですが、休職であれば症状が充分に改善し、発症以前のように仕事ができるようになったら、また元の職場に復帰できる可能性も高いのです。
そのため、主治医と良く相談し、休職した方が良いということになったら、診断書を書いてもらい「医者から休職を勧められた」と上司に相談してみると良いでしょう。
そして、きちんと話し合った上で休職をすれば、しばらくの間心と体を休ませる時間ができて、しっかりと治すことができるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、腹痛を伴う便秘とストレスの関係や、原因の診断や解消の仕方についても詳しくお伝えしました。
腹痛を伴う便秘は、痙攣性便秘や過敏性腸症候群といって、過度のストレスによって自律神経が異常になることで腸の運動に問題が生じ、下痢型、便秘型、混合型の3種類のいずれかの症状が現れてしまうのでしたね。
そして、ストレス性の便秘について病院ではローマ基準法に基づいて、患者の自覚症状を参考に診断するのですが、患者自身でもできるセルフチェック法をお伝えしましたね。
それから、ストレス性の便秘の解消法には食事療法や運動療法がありますが、特に食生活の改善が鍵となるので、次の記事をチェックしつつ、仕事に支障が出ていてあまりに辛い場合は休職なども選択しながら無理のないよう治していきましょう!
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