RSウイルスで乳児の症状と入院の事例!死亡の危険についても!
RSウイルスは、子供が2歳までにほぼ100%感染するウイルスとされていて、1度感染しても何度も繰り返し感染するので、子供への負担が大きいそうです。
そして、RSウイルスに乳児が感染すると重症化しやすく、入院治療が必要になったり、最悪の場合死亡に至るので、十分に注意が必要です。
それから、RSウイルスに乳児が感染すると、下痢や嘔吐や発疹も現れるそうなので、詳しい症状なども知っておきたいですよね。
そこで今回は、RSウイルスで乳児の症状と入院の事例や、死亡の危険についても詳しくお伝えしていきます。
目次
RSウイルスに感染した乳児の症状は?
RSウイルスのRSは「Respiratory Syncytial(=呼吸器系の合胞体)」の略で、ウイルスが感染すると喉や気管支などの呼吸器に症状が現れるとされています。
そして、RSウイルスは感染力が強く、繰り返し感染しながら免疫を徐々につけていくにつれ、症状が和らいでいくことが特徴です。
ただ、生後半年を過ぎた頃から2歳までの乳幼児は、RSウイルスへの免疫がなく、呼吸器も発達の途中段階にあるため、初めて感染した場合は重症化しやすく、特に生後3ヶ月以内の赤ちゃんがかかると細気管支炎や肺炎を引き起こすことが多いそうです。
赤ちゃんの中でも特に注意が必要なのは?
1) 初めて感染した赤ちゃん
RSウイルスに初めて感染した場合は、免疫がないために症状が重症化しやすくなります。
2) 生後3ヶ月未満の赤ちゃん
生後数週間から生後3ヶ月未満の赤ちゃんはRSウイルス感染症にかかりやすく、細気管支炎や肺炎などの重篤な状態に陥りやすく、急速な悪化による無呼吸発作や突然死の危険性もあるので、油断ができません。
3) 早産児
早く産まれてきた赤ちゃんは、母体から得られる抗体が少なく、呼吸器官も十分に発達していないため、重症化する危険性が高くなるそうです。
4) 心肺などに特定の疾患がある赤ちゃん
心臓、肺、神経、筋の疾患や免疫不全などの特定の疾患がある赤ちゃんは、RSウイルスに感染すると重症化するリスクが高まるそうです。
RSウイルスに感染した赤ちゃんの症状は?
・鼻水
RSウイルス感染症の初期症状は、鼻水から始まることが特徴で、鼻の粘膜にウイルスが付着して、ウイルスを鼻の外に出そうとすることから鼻水が出ます。
ただ、赤ちゃんは自分で鼻をかむことができないため、鼻をすすってウイルスが体の中に戻ってしまって、なかなか症状が治りません。
・発熱
多くの場合は鼻水やくしゃみなどの上気道炎症状が数日続いた後、数日で回復しますが、前述の通り特に重症化しやすい赤ちゃんや、免疫が低下している赤ちゃんは、鼻水の後に38~39℃近い高熱を発症します。
これは、RSウイルスが体の中に侵入し、増殖しようとする動きを抑えようとして出る熱などで、すぐに解熱剤を飲んでしまうとその作用を押さえ込むことになり、かえって回復に時間がかかってしまいます。
・のどの痛み、激しい咳、痰
それから、のどの痛みや腫れが生じ、体が気道に侵入したウイルスを外に出そうとしてひどい咳が生じ、気道に炎症が起きると痰が増加して、粘り気の強い痰が出ます。
・喘鳴(ぜんめい)
さらに、呼吸するとぜいぜいしたり、ヒューヒューと音が出る症状が現れ、喘息発作のような呼吸音がするので喘息と間違えることが多いそうです。
そして、中には夜によく眠れなくなり体力を消耗したり、唇や鼻が青紫色になり、呼吸数も増えて苦しそうに呼吸をする子が増えるそうです。
・気管支炎・肺炎
RSウイルス感染症が進むと、気管支炎や肺炎と移行していく場合があり、特に乳児のケースが多いようです。
そして、重症化する時は、ここまで一気に症状が進行することが多いようなので、喘鳴を起こす前に病院へ連れて行くことが大事です。
・呼吸困難や無呼吸発作
RSウイルス感染症で呼吸困難になると、呼吸が浅くなり、呼吸数が増えて、鼻で息をするようになることが特徴です。
そして、さらに重症化すると、無呼吸発作に陥ることもあり、はじめは息苦しそうにしていたのに、突然呼吸をやめてしまって、突然死に至るケースがあるようです。
入院の事例や死亡の危険についても!
1歳未満の赤ちゃんの場合、インフルエンザよりも死亡率が高いという調査結果もあることを考えると、RSウイルス感染症はとても身近で危険なウイルス感染症であることがわかりますね。
ただ、RSウイルスには根本的に効く抗生物質などの特効薬がまだないため、鼻水にはアレルギーを抑える薬を処方したり、発熱には解熱剤を処方したりして、対症療法を行っていくしかありません。
ちなみに、抗生物質の処方がある場合は、細菌感染の合併への疑いがある時だけなので、RSウイルスにこの抗生物質が効くわけではないことを覚えておきましょう。
それから、次のような症状の時には、入院治療が必要になるそうです。
・咳や発熱によって脱水があり水分をとれない
・激しい呼吸困難
・2次感染を起こし、重篤の状態
そして、入院をすると期間としては平均的に5~6日間ほどですが、個人差があり退院まで1ヶ月かかった事例もあるようです。
そして、入院中の治療も対症療法がメインで、基本的には外来と同じ投薬を行い、鼻を引いたり吸入をしたりして、水分や栄養がとれず衰弱している子には点滴を投与することもあります。
それから、呼吸困難の場合は、無呼吸発作による突然死を防ぐために、人工呼吸器をつけて、常時経過を観察し、対処していくそうです。
ちなみに、入院費用は、乳幼児の多くは治療に関しては無料で、食事代や個室料金のみの請求となり、数万円単位で済むことが多いので、安心して治療が受けられますね。
そして、無事に退院した後も、RSウイルスは症状が落ち着いてからさらに3週間もの間排出し続けることが分かっているため、すぐに再発してしまうケースもあります。
そのため、しばらくの間は外出を控え、人混みを避けるなどの対策を忘れないように行い、赤ちゃんの様子をよく見守ってあげましょうね。
死亡の危険は?
前述の通り、RSウイルスで乳児が死亡するケースは、無呼吸発作による突然死のケースが非常に多く、人口10万人あたり6.6%(1999年時点でのデータ)との報告があるそうです。
そして、RSウイルスの初期症状は冬風邪に似ていて分かりづらいのですが、重症化する時には一気に気管支炎まで悪化するケースが多いので、特に注意が必要な赤ちゃんの場合は、呼吸が苦しそうになってきた段階で早めに病院を受診するようにしましょう。
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感染経路や予防法は?
RSウイルスは、くしゃみや咳などの飛沫感染か、手や指を介した接触感染でうつることが多く、最初は鼻の粘膜に感染することが多いので、症状が鼻から始まるんですね。
そして、ウイルスの潜伏期間は2~8日で、感染期間は7~21日と長いので、症状が始まる前や、回復した後にも感染する可能性があり、感染力もとても強いです。
それから、汚染されたカウンターでは6時間、手についたウイルスは30分間感染する力を持っているため、感染した子供がいる場合、保育園や家庭でも周りへうつす危険性がとても高いです。
そのため、1度かかっても免疫が十分にできず、何度も繰り返し感染していく中で、徐々に免疫がついて症状が和らぐのを待つしかないとされています。
ちなみに、大人でもRSウイルスに感染することはあるのですが、再発の場合は軽い咳程度で感染していることに気づかないケースが多いので、少しでも具合が良くないときは、むやみに赤ちゃんにキスをしたり、食事のスプーンを共有しないようにしましょう。
そして、家庭内での手洗いやうがいを徹底し、栄養や睡眠をよく取って免疫力を高く保つことが、RSウイルス感染症への何よりの予防となるそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、RSウイルスで乳児の症状と入院の事例や、死亡の危険についても詳しくお伝えしました。
RSウイルスは、子供が2歳までにほぼ100%感染し、再発を繰り返しながら徐々に免疫をつけていくのでしたが、生後3ヶ月未満や、特定の疾患、早産児などは免疫もなく、呼吸器が未発達で重症化しやすいのでしたね。
そして、症状には鼻水、発熱、咳や痰がありますが、重症化すると気管支炎や肺炎を起こし、無呼吸発作を起こして死亡に至るケースもあり、死亡率は人口10万人に対し6.6%もあるとのことでした。
そのため、脱水症や、呼吸が苦しい場合は入院治療を1週間から1ヶ月行い、対症療法や人工呼吸を行いながら症状の回復を待つのでしたね。
そして、無事に退院した後も1ヶ月以内はウイルスが残り、再発の危険性があるので、無理をさせずに安静にすると良いとのことなので、小さな赤ちゃんをお持ちのお母さんは注意しましょう!
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