夜になると涙が出るのはなぜ?関係する病気や症状!心の問題?

一日の仕事や家事を終え、夜になるとなぜか涙が出る…といったことを経験したことはありますか?

例えば、遠距離恋愛中の彼氏がいるという女性や、仕事で悔しい思いや辛い思いをしたという男性など、原因がはっきりとわかっている場合もありますが、原因もわからず夜に涙が出る、それも一晩だけではなく毎日涙が出るといった場合には、少々注意が必要です。

というのも、夜に涙が出るという症状の裏には、心の病気やPMSなどの病気が隠れている場合があるからです。

また、ベッドに入ると涙が出てしまい、満足に眠ることができないとなると、心身の健康に問題が生じる可能性もあります。

そこで今回は、夜になると涙が出る理由や、夜になると涙が出てしまう病気について解説するとともに、涙が出る夜に試したいストレス対策などについてもご紹介していきます。

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涙はどうして出て来るの?

■涙の大きな役割は2つ

涙には2つの種類があり、常に瞳をうるおった状態にしておくために常に分泌される「基礎分泌」と、外部からの異物や感情などによって流れる「反射性分泌」というように分けられています。

そして、基礎分泌による涙は目を細菌などから保護したり、目に栄養や酸素を供給するという役割を持っています。

一方、反射性分泌ではゴミや有毒ガスといった異物から目を守るという役割だけではなく、嬉しい・悲しいというような感情の高ぶりを鎮めるといった働きもあるようです。

■夜に涙が出てしまう理由は?

夜に涙が出てしまう理由として考えられるのは、夜寝る時に副交感神経が働くことなどです。

というのも、睡眠とは脳と体をリラックスさせて休ませることですので、そのためにリラックスを司る副交感神経の働きが強まります(ちなみに対になるのが緊張や怒りなどを司る交感神経です)。

また、副交感神経は先ほどご紹介した感情による涙も司っており、この感情による涙には感情の高ぶりを鎮める(=副交感神経の働きが優位になるようにする)といった働きがあるのです。

すると、夜になると昼間の過度の緊張が一気にほどけて、それまで感じていなかったストレスが涙となって出てきてしまうといった可能性があります。

また、夜は脳を含めた体の活動が低下しますので、それによって感情のコントロールが上手くいかなくなるといったことも考えられるでしょう。

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夜に涙が出る時はこんな病気に注意!

■うつ病

うつ病は、気分の落ち込みや興味関心・楽しいと思えることがなくなってしまうといった状態(抑うつ状態)が毎日、数週間以上に渡って続く病気です。

また、体重の減少や増加、不眠、気分の落ち込みによる涙など、人によって心身にさまざまな症状が起こるという特徴があります。

近年はこの病気の存在が広く知られるようになったことや、社会の変化などの環境によって大きなストレスを感じる人が増えたことから、うつ病と診断される人が増えているようです。

■非定型うつ病

非定型うつ病(プチうつ、新型うつ、現代型うつなどとも呼ばれています)とは、うつといくつか共通する点もありますが、従来のうつ病とは違った点を持っている病気です。

具体的には、従来のうつ病では楽しいと感じることを失ってしまい、気分の落ち込みが回復しませんが、非定型うつでは楽しいことがあると気分の落ち込みが回復し、自分が楽しいと感じている時には興味や喜びを感じることができます。

また、うつ病には日内変動といって症状が強く出る時間帯がありますが、従来のうつ病が朝にひどくなるのに対し、非定型うつ病では夕方から夜にひどくなります。

そして、主に対人関係などを中心に不安や恐怖感が強く出ることも非定型うつ病の特徴で、病院で「理由もなく涙が出る」といった訴えをする方も多いようです。

■不眠症

ストレスによってよく眠れない、眠っても起きてしまう不眠症は、うつ病や強いストレスなどによって引き起こされる病気ですが、不眠症やその他の理由によって睡眠不足が続くことで、感情のコントロールが上手く行かなくなって涙もろくなったりすることがあります。

というのも、睡眠によって脳や体をしっかりと休息させることができていない状況では、脳の前頭連合野という集中や認知機能などを司る場所と、頭頂連合野という感情の処理や空間認識を司る場所の機能が低下していまいます。

すると、集中力がなくなってしまう他にも、涙もろくなったり、怒りっぽくなったりと感情が上手にコントロールできない状態になってしまう可能性があるのです。

また、このような脳の機能だけではなく、免疫機能の低下や成長ホルモンの分泌が正常に行われないなどの原因から、体にも悪い影響が出やすくなるので、注意が必要です。

■PMS・PMDD

PMS(月経前症候群)、PMDD(月経前不快気分障害)とは、どちらも女性が生理前に感じることがあるさまざまな心身の不調で、日常生活を送るのが困難になるほどの状態です。

ただし、女性であってもPMDDの名前はPMSと比べて馴染みのないものかもしれませんが、PMSにおける集中力の低下やイライラなどの精神における症状がより強いものがPMDDであると定義されています。

そして、PMDDの主な症状としては、次のようなものがあります。

・悲しみや絶望感(時に自殺願望)

・緊張感や不安感

・焦燥感や動揺、涙もろくなる

・イライラや怒り

・集中力の低下

・疲労感

・食欲が増える

・過眠または不眠

なお、PMSとPMDD、どちらであっても生理の前に自分でも驚いてしまうほど他人に辛く当たってしまい、後でそれを思い返して涙が出てしまうことや、感情がコントロールできずに泣いてしまうことがあるようです。

■気になる症状がある時はどこに相談したらいいの?

うつ病をはじめとした心の病気は心療内科・精神科、PMSやPMDDのような女性特有の病気は婦人科が専門ですので、それぞれの診療科のある病院で診察を受けるようにしてください。

なお、病院の情報は医療情報ネットというホームページが各県にありますので、該当するホームページで最寄り駅や診療科、診療時間などから自分の近くにある病院を調べることができます。

そして、ご紹介してきた病気はどれも診断が難しい面があるので、「自分はきっとこの病気だ」といった決めつけをせず、困っている症状と、それがどのような時にどの程度の期間で現れるのかなどをできるだけ正確に伝えるようにしましょう。

また、心の病気に関してはお住まいの自治体の保健所・精神保健福祉センター(こころの健康センター)などで電話相談を受け付けている場合がありますので、もし病院へ行くのにはハードルが高いという場合には利用してみてはいかがでしょうか。

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ストレスを和らげる食事で、夜を快適に過ごそう!

■ストレスに強くなる栄養素とは?

ストレスを解消する方法はいろいろありますが、ここでは日々の食事で美味しくストレスに強い体作りを目指せる栄養素や食材についてご紹介します。

まず、栄養素についてはタンパク質・カルシウム・マグネシウム・ビタミンCなどが挙げられます。

そして、これらの栄養素を含む食材には乳製品や大豆製品、緑黄色野菜などがありますが、特にビタミンCはストレスによって大量に消費されてしまうため、野菜や果物を積極的に摂るといいでしょう。

また、乳製品や肉類、魚、ナッツなどにはスムーズな睡眠を促すのに必要なメラトニンの材料であるセロトニンを作り出すためのトリプトファンという物質がたくさん含まれていますので、夜になかなか寝付けずにネガティブなことを考えてしまうという方は、これらの食材も食事に取り入れてみるといいかもしれませんね。

■食事を楽しむ気持ちも大切

ストレスを食事から和らげていくためには、栄養素を意識して食事をするだけではなく、リラックスして規則正しく食事を摂ることも大切です。

特に、ストレスがあると食欲がなくなって食事を抜いてしまったり、逆に暴飲暴食をしてしまったりする時があるかと思いますが、それがさらに心身へストレスをかける結果になることもあります。

ですので、普段の食事は1人で手早く済ませているという方は、週末だけでも家族や友人と外食してみたり、週のうち半分は食事の時間を長めに取るなどの工夫をして、食事を楽しむということを心がけてみてはいかがでしょうか。

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泣きたい夜に試したい「コーピング」とは?

■ストレスと上手に付き合うための自分なりの解決法

コーピングとは、アメリカの心理学者によって考えられた言葉で、日本語に訳すならば「ストレス対処法」といったような意味になります。

つまり、自分が感じているストレスに上手に対処するための方法であり、ストレスの原因そのものを取り除くための「問題焦点型」と、ストレスの原因によって自分が感じている怒りや不安などを和らげるための「情動焦点型」の2つに分けられます。

例えば、遠距離恋愛中の恋人がいて、相手になかなか会えずにいることがストレスとなっているとしましょう。

この時、直接相手と話し合ってデートの日取りを決めたり、会いに行ったりすることや、家族や友人などに相談して解決策を探すことが問題焦点型のコーピングです。

一方で、相手に会えない時間を自分磨きのために使ったり(趣味に没頭したり、新しいことを勉強するなど)、運動やショッピング、友人とのカラオケなどでストレスを発散しようとすること(いわゆる気晴らしもこれに含まれます)は情動焦点型のコーピングとなります。

ですので、普段から自分だけの気晴らし方法をできるだけたくさん見つけて書き出しておき、ストレスを感じた時にはそれを実行してみるといいでしょう。

ちなみに、何かを頑張っていることによるストレスには気分が落ち着くような気晴らし(音楽を聴く、瞑想するなど)が、何かを我慢していることによるストレスには気分が盛り上がるような気晴らし(何かを書きなぐる、運動するなど)が向いているようです。

ぜひ、次の涙が出る夜が来る前に、自分だけのコーピングを見つけてみてくださいね。

まとめ

いかがでしたか。

夜になると涙が出る理由は、副交感神経によって昼間のストレスが解けることなどが考えられます。

なお、過度のストレスはうつ病などの心の病気を引き起こし、それによって夜に涙が出るといった場合があるので注意が必要です。

また、女性の場合はPMSなどの月経にまつわる症状のことがありますので、涙が出てしまった時はどんな時期だったのかを記録しておくのもいいかもしれませんね。

そして、どのような原因であれ、日々の過度のストレスはできるだけ軽減したいものです。

ぜひ、今回の記事でご紹介したストレスに強くなる栄養素やコーピングなどを試して、泣きたい夜を穏やかな気持ちで乗り切ってくださいね。

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