涙が出る病気と症状や精神との関係!理由がわからない時は要注意!
涙が出る、というと嬉しい時や悲しい時などを思い浮かべてしまいますが、中には病気によって涙が出ることがあるのをご存知ですか?
特に、涙が出るのに理由がわからないといった場合や、仕事中などの本来ならば泣くべきでない場面で涙が出てしまうという状態には要注意で、ストレスによるうつなどの病気で精神にダメージが及んでしまっている場合があります。
また、ドライアイをはじめとした目の病気でも涙が出ることがあり、思いもよらない原因で涙が出ていたといったことも多いようです。
そこで今回は涙が出る原因となる病気についてを、涙が持つ役割とともにご紹介していきたいと思います。
そもそも、涙はどういう時に出るの?
■涙の役割とは?
涙は上まぶたの内側にある涙腺という器官から分泌される体液の一種で、さまざまな面から眼球を守ることがその役割です。
具体的には、次のような役割があります。
・眼球の表面を保護する
・まぶたをスムーズに動かす(潤滑剤)
・紫外線やほこりなどから目を守る
・雑菌を消毒し、細菌から目を守る
・角膜に栄養や酸素を運ぶ
■涙が出る3種類のシーン
先ほどご説明したように、涙とは目を守るために絶えず分泌されているのですが、それ以外にも涙が出るシーンには次のようなものがあります。
・反射的に出る場合
鼻の粘膜や角膜、結膜などが煙やホコリなどの異物によって刺激された時には、目に入った異物を洗い流そうと反射的に涙が出ます。
また、あくびや咳、嘔吐などによる涙も同じく反射的な涙ですが、この時には顔の筋肉が大きく動くことで涙腺が押し付けられ、涙が溢れてしまうようです。
・感情によって出る場合
これも非常に身近な現象ですが、嬉しい時や悲しい時など、感情が高ぶった時にも涙が出てきます。
なぜこのように感情の動きに合わせて涙が出るのかというと、涙の分泌はリラックスと緊張を司る副交感神経と交感神経によって支配されており、交感神経による感情の高ぶりをクールダウンするために副交感神経によって涙が流れるという説があるようです。
また、涙によってストレス状態の時に放出された化学物質がを体外に排出しているのではないかという指摘もありますが、いずれにせよ、この感情によって涙が出るということについては不明な点が多く、はっきりとした答えはまだわかっていません。
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涙が出る理由がわからない時はどうしたらいいの?
自分で思い当たることがないのに涙が出るという場合には、なんらかの病気である可能性があります。
そして、涙が出るという症状をもつ病気は大きく分けて2つあり、目の病気(目の構造的な問題)と、心の病気(涙を出すよう命令する神経などの問題)ですが、目の病気は涙以外にも他の症状をいくつか伴う場合も多いようですので、そこをポイントに何科の病院に行くべきかを判断するといいでしょう。
なお、主に涙が出る病気は次のようになっています。
■涙が出る病気~目の病気編
・鼻涙管閉塞
鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)とは、涙腺から分泌された涙が鼻へと排出される管である鼻涙管が何らかの原因で詰まってしまい、涙があふれてしまう病気です。
なお、この鼻涙管閉塞には先天性のものと後天性のものがあり、後天性の原因になるのは鼻炎や蓄膿症といった鼻の病気や、結膜炎などの目の病気が挙げられます。
そして、鼻涙管が詰まってしまうと感情などとは関係なく常に涙が出て止まらなくなってしまいますが、目の痛みなどはありません(ただし、目の病気が原因の場合はその限りではありません)。
また、鼻涙管が詰まることによって、その手前にある涙嚢(るいのう)と呼ばれる涙を一時的に貯める場所に涙が長い間とどまってしまうことになりますが、それによって細菌感染などが起こると涙嚢炎(るいのうえん)という病気を引き起こすことがあります。
ちなみに、この涙嚢炎にかかると、膿状の目やにがでるようになったりしますが、涙嚢がある場所の皮膚(目頭のあたり)が赤くなったり腫れたりする急性涙嚢炎では、痛みを伴ったり、発熱を引き起こすことがある他、まれに炎症が広がって髄膜炎などを引き起こすケースもあるので注意が必要です。
・ドライアイ
ドライアイとは、長時間のパソコン・スマートフォンの使用や加齢、コンタクトレンズの使用などによって涙の量が減ったり、涙の質が低下したりすることによって涙が目を守る働きが低下してしまう病気です。
しかし、ドライアイというと「目が乾燥する」というイメージが強く、涙が出るというのは奇妙に思えますよね。
実は、ドライアイによって目が乾燥してしまうと、冷たい風に当たるなどのちょっとした刺激でも目を守るための反射的な涙が出やすくなってしまうのです。
つまり、常に分泌されているべき涙が減っているために目を守るための涙がちょっとした刺激でも出るという状態ですので、ドライアイ=涙が流れないと思っている方は注意が必要です。
・逆さまつげ
逆さまつげとは、まつ毛が何らかの原因で眼球の方を向いてしまい、それが眼球に触れることで目の異物感や涙、痛みなどの症状が起こる病気です。
なお、逆さまつげにはまつ毛の生え方に原因がある睫毛乱生(しょうもうらんせい)・睫毛内反(しょうもうないはん)と、まぶたの皮膚が内側を向いてしまっていることが原因の眼瞼内反(がんけんないはん)に分けられます。
そして、気になるからと自分でまつ毛を抜いてしまうと、目を傷つけたり、抜いた部分から細菌に感染して炎症を起こしてしまう可能性もありますので、自分で処置することは避け、眼科医の診察を受けることをおすすめします。
・結膜炎・角膜炎
目を保護する膜である結膜や角膜が何らかの原因によって細菌・ウイルスに感染してしまうと、結膜炎や角膜炎を起こし、目の異物感や涙、充血などの症状が出ます。
なお、結膜炎や角膜炎はコンタクトレンズなどによってできた傷から感染が起こる場合や、プール熱(咽頭結膜熱)や流行性角結膜炎(はやり目)などの他の人から感染する場合などがあります。
特に、プール熱やはやり目は非常に感染力が強く、他の人にも感染させてしまう可能性がありますので、涙以外にも気になる症状がある場合には眼科医の診察をうけるようにしましょう。
・結膜弛緩
結膜弛緩(けつまくしかん)とは、白目の部分を覆っている膜である結膜がたるんでしまうことによって、異物感やなみだ目などの症状が現れる病気です。
通常、結膜は眼球が動くために多少の緩みがあるものなのですが、これが過度に緩んでしまうと下まぶたの縁に沿ってひだのようになり、その間に貯まった涙が目の外へ流れるようになってしまいます。
ちなみに、なぜこのような結膜のたるみが生じるのかということははっきりとわかっていませんが、加齢との関係が指摘されています。
そして、治療としては手術でたるんでしまった余分な結膜を切除することで1週間程度で回復しますので、気になる方は一度眼科医に症状を相談してみてはいかがでしょうか。
■涙が出る病気~心の病気編
・うつ、プチうつ
心の病気として広く知られているうつ病や、それと似ているプチうつと呼ばれる状態では、わけもなく涙が出るという症状が現れることがあります。
うつ病は、一日中続く気分の落ち込みや、楽しいと思えることがなくなってしまうといった状態が数週間以上続くというのが一般的な定義ですが、その他にもイライラする、睡眠障害(眠れない、または眠くて仕方がない)、体がだるい、頭痛や肩こりがある、胃腸の調子が悪い(食欲不振、便秘など)といったように、心身にさまざまな症状をもたらすことが特徴で、その中にわけもなく涙が流れるといった症状を挙げる人もいます。
また、プチうつでは気分の落ち込みこそあるものの、それが毎日続くのではなく週に数回程度であることや、夕方から夜にかけてひどく落ち込むなどの違いがあり、最近は若い女性に多く見られるようです。
・適応障害
適応障害とは、仕事などのある特定の状況などが非常に大きなストレスとなり、強い憂鬱や不安を感じたり、涙もろくなったりといった情緒の面で問題が起こる状態です。
また、無断欠席や交通ルールを無視した運転などの社会規範から外れた行為が現れたり、過度の飲酒や暴食などが見られることもあります。
なお、適応障害ではストレスがはっきりしており、それを取り除くことで症状はなくなるという特徴があります。
しかし、うつ病をはじめとする他の心の病気との区別をつけることは非常に難しく、専門医による診断が必要です。
・病気の手前の「強いストレス」に注意!
さて、ご紹介してきたような心の病気の大きな原因となりやすいものがストレスなのですが、1つだけではなく複数のストレス(たとえば仕事と家庭など)が重なった時に心の状態を崩しやすいと言われています。
また、脳卒中や心筋梗塞、がんなどといった一部の体の病気はストレスと密着に関わっていますので、心だけでなく体調も崩してしまうことになりかねません。
ですので、わけもなく涙が出るといったような強いストレスを感じた場合には、専門医に相談して対策を講じることが大切です。
また、日頃から自分なりのストレス発散の方法を何通りも見つけておくなど、ストレスと上手に付き合っていけるように備えておくこともおすすめします。
・心の病気はどこに相談したらいいの?
心の病気かもしれないと感じた場合、いきなり仕事を休んで心療内科や精神科などに行くのは抵抗がある、近くにそういった場所がないという場合には、次のような場所があります。
・保健所
・保健センター
・精神保健福祉センター(こころの健康センター)
・市町村などの保健福祉についての窓口
これらの窓口では、心の健康についての悩みや医療機関などの情報を電話などで受け付けてくれますので、まずはお住まいの自治体のこれらの窓口に相談してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたか。
涙が出る病気には大きく分けて目の病気と心の病気があり、涙が出る以外には目に何も異常がないという場合には心の病気である場合が多いようです。
しかし、心の病気では必ず引き金となっているストレスがありますので、自分ではストレスを感じていなくても地域の保健所や専門医などに一度相談してみてはいかがでしょうか。
また、ストレスはいくつも重なると思わぬ重病を引き起こすこともありますので、普段からストレスと上手に付き合うようにすることが大切です。
ぜひ、今回の記事を参考にご自分の体や心の状態をよく観察して、涙が出る症状を正しく治療してみてくださいね。
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