目の奥が痛い時の原因と病気!片目だけや頭痛がある時の治し方も

疲れ目などで目が痛い時や充血することはよくありますが、それが片目だけでしかも目の奥がえぐられるような激しい痛みだったり、頭痛や吐き気も伴っていたりすると、何の病気かと不安になってしまいますよね。

実は、目の奥が痛い時の原因はこうした眼精疲労だけではなく、風邪で熱があるときや、頭痛(偏頭痛や肩こりから来る頭痛)をはじめとした他の病気が隠れていることがあるのです。

中には、眼圧の異常から失明の危険まである恐ろしい病気や、薬や手術でなければ治らない病気もありますので、注意が必要です。

すると、目の奥が痛い頭痛の治し方はどうすればいいのか、何科の病院に行けば診てもらえるのか気になりますよね。

そこで今回は、目の奥が痛い時に考えられる原因や、気をつけるべき病気とその治療法を詳しくご説明するとともに、自分でも手軽にできるツボ押しなどのセルフケアについてもご紹介していきます。

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目の奥が痛くなる原因とは?

■眼精疲労

目の奥が痛む原因としてよく挙げられるものに、目の使いすぎなどによって起こる眼精疲労があります。

また、目の奥の痛みの他にも、充血や乾燥、かすみ目などの目の症状から、頭痛や肩こり、吐き気といった目以外の場所にまで症状が及ぶことがあるようです。

ちなみに、目の使いすぎによって起こる目のかすみなどは「疲れ目」とも言われますが、医学の世界では「疲れ目=睡眠や休息を取れば回復する」、「眼精疲労=睡眠や休息を取っても十分に回復しない」といった基準で分けています。

なお、眼精疲労の原因には目の使いすぎによって目のピント調節を行う毛様体筋を酷使し続けてしまうことや、肩や首のこりによるものの他、病気が原因となるものがあります。

このうち、病気が原因となる眼精疲労については後の項目で詳しくご紹介しましょう。

■三叉神経痛

顔面の感覚を司る三叉(さんさ)神経が何らかの理由で過剰に興奮したり、圧迫されたりすることによって起こる三叉神経痛は、しばしば目の奥の痛みを引き起こします。

なお、三叉神経とは脳から顔に向かって伸びている神経で、目の奥や額、頬、顎へと大きく3つに分かれるためにこのような名前がついています。

そして、三叉神経痛でよく見られる症状は、突然の数秒から数分間続く顔面や目の奥の鋭い痛みや頭痛です。

また、冷たい水を飲む、洗顔をする、鼻の横などを触るといった特定の動作によって症状が誘発される場合もあるようです。

■頭痛

頚性頭痛

頭痛にはその症状や原因によっていくつかの種類に分けることができますが、その中でも目の奥の痛みを引き起こすもののひとつに頚性(けいせい)頭痛があります。

頚性頭痛とは頚椎原性頭痛とも呼ばれ、背骨の首の部分(頚椎)の関節に障害が起こることが原因で、頚椎の神経の一部が刺激されて起こる頭痛です。

そして、この神経の中には先ほどご紹介した三叉神経ともつながっているものがあり、そのせいで目の奥に痛みを感じることがあります。

また、その他の症状にはチクチクとした頭痛をはじめとして、肩こりやめまい、手の指がしびれるといった症状が現れることがあるようです。

群発頭痛

もうひとつ、あまり知られてはいない名前ですが、目の奥の激しい痛みを引き起こす頭痛には群発頭痛があります。

群発頭痛とは、数十分から数時間に渡って片側のみの目の奥の激しい痛みを中心とした頭痛が一定の期間(例えば1ヶ月、1週間など)に何度も起こり、脳出血などの病気が原因ではない頭痛の中では最も激しい痛みが起こる症状です。

また、目の奥の痛みの他にも涙が出る、汗をかく、鼻水が出るといった症状や、痛みに耐えるために力むといった状態も見られます。

なお、群発頭痛はおよそ1000人に1人という高い発症率のため、医師によって正しい診断や治療を受けていない人も多いと考えられており、海外では群発頭痛の患者が診断を確定させるまでにおよそ7年、それに、3人以上の医師の診察を必要としたというデータもあるようです。

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目の奥が痛い時、気をつけるべき病気とは?

■眼精疲労のような症状を引き起こす病気

・風邪(副鼻腔炎)

風邪によって目の奥が痛む場合、体力の低下によって眼精疲労のような症状が起こっているか、急性副鼻腔炎を併発している可能性が考えられます。

急性副鼻腔炎とは、細菌感染が原因となって鼻の穴(鼻腔)とつながっている顔の奥にある空洞(副鼻腔)に炎症が起こり、そこに膿が溜まってしまう病気です。

そして、この副鼻腔は額や頬などに広がっているため、鼻水や鼻づまりだけではなく、目の奥や額などに痛みが出ることがあります。

それだけではなく、まれに目や脳にまで炎症が及ぶことがあり、視力低下や激しい頭痛、意識障害などを引き起こす場合もあります。

ですので、風邪をひいた後などに目の奥の痛みの他にも鼻の中に悪臭がする、匂いがわからなくなるといった症状が現れた場合には、一度耳鼻科で診察を受けることをおすすめします。

・目の病気

眼精疲労のような症状を引き起こす目の病気には、近視・乱視・老眼やドライアイなどをはじめ、緑内障や白内障、眼瞼下垂などさまざまなものがあります。

中でも、白内障や眼瞼下垂(がんけんかすい)は、加齢に伴って目のレンズにあたる水晶体が白く濁って視力が低下したり(白内障)、まぶたが下がって目が開きにくくなる(眼瞼下垂)といった症状が現れるのが特徴です。

そして、緑内障は眼圧が高くなることによる視神経の異常が原因で、ものが見える範囲が狭くなっていく病気ですが、急性の発作を起こすと目全体の痛みや目のかすみ、頭痛や吐き気などが起こり、治療が遅れた場合には数日で失明してしまうこともあるそうです。

この他にも、目の黒目付近に炎症が起きるぶどう膜炎や視神経炎によって目の奥の痛みが引き起こされることがあります。

なお、どの病気も眼科の専門医の元で治療が必要になるものがほとんどですので、目の痛みの他に気になる症状があれば医師の診察を受けるようにしましょう。

・生活習慣病

一見、目とは関係のないように思える高血圧や糖尿病といった生活習慣病も、眼精疲労を引き起こすことが知られています。

というのも、このような生活習慣病には動脈硬化がつきもので、そのせいで目に充分な栄養や酸素が送られないようになってしまうと、疲労回復が妨げられて眼精疲労を引き起こす他、さまざまなトラブルが起こります。

とりわけ、糖尿病で起こる糖尿病網膜症は、重症になると網膜剥離などの深刻な状態に陥る場合があるため、糖尿病にかかっている方は特に注意が必要です。

ですので、生活習慣病の診断を受けていたり、その疑いがある人は普段から生活に気をつけて、症状が悪化しないように心がけてください。

また、眼科で定期的に網膜の状態などをチェックしてもらうのもいいですね。

・腫瘍

まれな例ではありますが、眼精疲労の症状から脳下垂体腫瘍が発見されることがあります。

というのも、目で見たものの情報というのは視神経を通って視交叉(しこうさ)という部分で左右が交差して脳へとつながっているのですが、下垂体に腫瘍ができるとちょうどこの部分を圧迫してしまい、見えにくい、見えない部分があるといった障害が起こります。

また、眼精疲労ではありませんが、三叉神経痛も三叉神経の付近にできた腫瘍が神経を圧迫することによって引き起こされる場合があるようです。

・その他の病気(クモ膜下出血など)

これまでご紹介した他にも、自律神経失調症や貧血、甲状腺の病気であるバセドウ病などでも目の奥の痛みなどの眼精疲労のような症状が現れることがあります。

また、クモ膜下出血によっても突然の激しい目の奥の痛みや、ものが二重に見える、まぶたが下がってくるといった症状が見られますので、そのような場合には病院での頭部CT検査が必要です。

なお、医師以外では判断のつけにくい病気ですので、まずはお近くの眼科やかかりつけの医師に相談して、それぞれ専門医のいる病院を紹介してもらうといいでしょう。

■三叉神経痛と間違いやすい病気

三叉神経痛と間違いやすい病気には、水疱瘡を引き起こす水痘・帯状疱疹ウイルスによる帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛があります。

帯状疱疹とは、子供の頃にかかった水疱瘡のウイルスが、治った後も脊髄近くの神経の奥に潜んでいて、疲れなどによる免疫力の低下をきっかけに再度活性化し、かゆみや激しい痛みを伴う発疹を引き起こす病気です。

そして、この帯状疱疹は知覚神経の通っている場所に沿って発疹が起こるというのが特徴で、これが顔面の知覚神経である三叉神経に沿って起こると、目の奥の痛みなどが起こる可能性があります。

それだけではなく、三叉神経に帯状疱疹が現れた場合には、目に炎症が起こって角膜炎やぶどう膜炎といった合併症が起こる場合があります。

また、帯状疱疹後神経痛とは、帯状疱疹によって神経がダメージを受けてしまうことにより、帯状疱疹が治った後も痛みだけが消えなくなってしまう症状です。

なお、三叉神経に帯状疱疹が起こった場合、頭皮などの自分では気づきにくい場所にしか湿疹ができないこともありますので、目の奥やその周り(額や頬など)に痛みがある場合には、顔面および頭部の状態をよく観察し、医師の診察を受けるようにしましょう。

■群発頭痛と片頭痛は違うもの?

激しい痛みがある頭痛というと、先ほどご紹介した群発頭痛の他に偏頭痛がありますが、この2つは似ているようで症状や痛みの起こる時期などに違いがあります。

まず、偏頭痛はご存じの方も多いとは思いますが、頭の片側だけにズキズキと脈打つような頭痛が起こり、それに伴って吐き気や嘔吐が生じます。

また、人によっては光や音に敏感になったり、目の奥にも痛みを感じたりすることがあるようです。

一方、群発頭痛では、頭の片側以外にも目の奥にえぐられるような激痛があることが特徴で、痛みから目の充血や涙、鼻水などが見られます。

そして、片頭痛は月に1回から数回、数時間~3日程度続く痛みが現れるのに対し、群発頭痛では毎日痛みが現れる日が1~2ヶ月続き、またしばらく経ってから痛みが現れるのが特徴です。

その他にも、偏頭痛は動くと痛みが悪化するのに対して群発頭痛は痛みでじっとしていられない、動くと痛みが紛れるといった違いもあります。

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目の奥が痛い時の治し方

■病院での治療

・三叉神経痛

三叉神経痛の治療は、主に神経内科や脳神経外科での薬や手術、放射線治療などの方法によって行われます。

なお、具体的な治療法は大きく以下のように分けられます。

1:飲み薬による治療

てんかんの治療にも使用される、テグレトール(カルバマゼピン)という神経の伝達を抑える薬が主に処方されます。

なお、飲み薬による治療で80%以上の人の症状が改善されるとされています。

2:手術による治療

飲み薬による治療で改善が見られなかった場合や、脳腫瘍による三叉神経の圧迫が見つかった場合の選択肢です。

具体的には、頭部を切開して三叉神経を圧迫している血管を移動させたり、腫瘍を切除する手術を行います。

もちろん、頭部の神経に関連する手術のため、術後の後遺症などのリスクも考えられますので、医師と納得がいくまで相談してから行うのが最善です。

3:放射線による治療(定位放射線治療)

三叉神経へ強い放射線を当て、症状の改善を図る治療ですが、外科手術ほど効果が確実ではありません。

また、なぜ放射線で症状が改善するのかということは詳しくわかっておらず、原因を直接取り除いてしまう外科手術に対して、こちらはあくまでも対症療法といった位置づけのようです。

4:注射(三叉神経ブロック)による治療

三叉神経に直接局所麻酔薬や神経破壊薬を注射し、神経に感覚が伝わるのを防ぐ治療で、注射の代わりに高周波で神経を焼く治療もあります。

なお、これも根本的治療ではなく、局所麻酔薬では麻酔が切れてしまえば効果はなくなってしまいます。

また、神経破壊薬を使用したり、高周波治療を行った場合でも、およそ1~2年ほどで効果がなくなってしまう上に、その間は顔にしびれのような違和感が残ってしまうことになります。

・眼精疲労

目の疲れで病院に行くなんて、と思う方もいるかもしれませんが、眼精疲労は眼科や他の該当する診療科(原因が目以外の場合)で治療することができます。

なお、ここでは主に眼科での治療についてご紹介しますが、大まかには次のようなものが眼精疲労の治療です。

1:メガネやコンタクトレンズの調整

度が合っていないメガネやコンタクトレンズを使用していると目が疲れてしまい、特に度の強いものは疲労を感じやすいため、視力検査の上で度数を調整します。

2:点眼薬による治療

ドライアイの治療も兼ねていますが、目の乾燥によって不足している涙を補うための人工涙液や、栄養を与えるビタミンB12剤、マイピリンやミオピンといったピント調節機能を回復するための調節機能賦活剤などが主に処方されます。

3:D5000(ワック)による治療

D5000とは、眼科で近視治療のために使用される医療機器の名前で、機械に映し出される立体風景を見ることでピント調節に必要な毛様体筋の過度な緊張状態を改善する効果が期待できます。

4:温罨法・冷罨法(おんあんほう・れいあんほう)

あまり馴染みのない名前ですが、要するに温める・冷やすを交互に行うことによって血行促進を目指す治療で、家庭でも蒸しタオルなどで行うことができます。

しかし、炎症がある場合や花粉症の場合には温めると症状が悪化するので冷罨法のみ行うようにしてください。

・頚性頭痛、群発頭痛

【頚性頭痛】

頚性頭痛では、主に頭痛外来の他、鍼やカイロプラクティック・整体などでの治療が行われています。

というのも、頚性頭痛は首に器質的な問題がある状態ですので、薬などではどうしても対症療法になってしまうからです。

ただし、日本においてカイロプラクティックははっきりとした資格制度が設けられておらず、クリニックによっての技術差が大きいという問題がありますので、きちんと情報収集をした上でクリニックを選んでくださいね。

【群発頭痛】

群発頭痛の治療においては、内科や頭痛外来での薬による予防が最も有効な治療法だといえます。

なお、予防薬としては偏頭痛や不整脈の治療にも使われるベラパミルの他、炭酸リチウムやステロイドなどが使用され、その他に頭痛を抑えるためにスマトリプタンの注射や点鼻液、酸素吸入などが行われているようです。

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■自分でもできるケアの方法

・ツボ押し

目の奥の痛みを手軽にケアする方法のひとつが、場所さえ覚えればいつでもどこでも道具なしで行うことができるツボ押しです。

そして、頭痛や目の奥の痛みに有効なツボは、次のようなものがあります。

1:百会(ひゃくえ)

両耳と鼻の延長線が交わる頭頂部にあるツボで、頭痛や肩こり、目の疲れなどに効果があります。

なお、指圧する時には体の中心に向かってゆっくりと垂直に押すようにしてください。

2:風池(ふうち)

首の後の髪の生え際に沿った線上の耳の後ろの骨と首の骨の中間にあるツボで、頭痛や肩・首のコリ、鼻づまりなどに効果があります。

3:天柱(てんちゅう)

首の骨の両側にある太い筋肉の外側、風池から髪の生え際に沿って少し下がった場所にあるツボで、頭痛、目の疲れ、顔のむくみなどに効果があります。

4:攅竹(さんちく)

眉頭のすぐ下の、骨の縁が少しへこんでいる場所にあるツボで、近視や老眼対策、顔のむくみの解消などに効果があります。

5:晴明(せいめい)

目頭と鼻の骨の中間にあるツボで、よく目が疲れた時に指でつまみたくなる場所にあります。

もちろん、効果は疲れ目や目の痛みです。

・普段の生活で気をつけるべきこと

普段の生活においても、眼精疲労などを起こしやすい状況を自分できちんと把握しておくことで目の奥の痛みを予防できることがあります。

まず、スマートフォンやパソコンを使用している時には、眼精疲労や頚性頭痛などを起こしやすいので、こまめに休憩を取ったり、ストレッチをしたりして同じ姿勢で画面を見続けるといった状況を続けないようにすることが大切です。

また、偏頭痛や群発頭痛では、頭痛になる前兆(光が眩しく感じるなど)や、頭痛を引き起こしやすい食べ物や飲み物、気候(気圧の変化)などがあります。

特に、群発頭痛ではタバコやアルコールが引き金となることが多いようですが、このようなものを極力避けるとともに、いつ、どんな状況で頭痛が起こったのかということを日々の食事や睡眠時間などとともに記録しておくと、自分にとっての痛みが起きやすい状況がより正確にわかり、予防薬などの対策がスムーズになるのでおすすめです。

まとめ

いかがでしたか。

目の奥が痛い時の原因には、大きく分けて眼精疲労・三叉神経痛・頭痛の3つが考えられます。

中でも、片側に強い頭痛や吐き気などとともに起こる目の奥の痛みは、群発頭痛や偏頭痛であることが多いようですが、実は目の奥の痛みが起こる可能性がある病気というのは目の病気だけではなく、体の他の場所で起こるさまざまな病気が引き金となっていることも多いようです。

ですので、自分で原因を決めつけてしまう前にまずは自分の体に起こっている症状を詳しく観察し、それを医師に伝えた上で診察してもらい、正しい治療を受けるようにしてください。

また、原因がわかった後には、頭痛がおきやすい状況をできるだけ避けるとともに、今回ご紹介したツボ押しなどを試して、辛い頭痛をなるべく軽くしたいですね。

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