風邪へのビタミンCの効果と摂取量の目安!大量摂取はダメ?
気温が下がってくると風邪をひく人が多くなり、人によってはひと冬に何度も風邪をひいて辛い思いをしている場合も少なくはないでしょう。
そして、風邪をひくと必ず誰かに言われる「ビタミンCを摂りなさい」ということなのですが、風邪にビタミンCは効果があるという人と、効果はないという人の両方がいるようです。
では一体、なぜこのように意見が分かれてしまうのか、本当のところはどうなのか気になりますよね。
そこで今回は、ビタミンCの効果と1日の摂取量、大量に摂取した場合についてや、風邪との関係についてご説明していきます。
また、サプリを利用する場合の注意点や、果物以外のビタミンCが豊富な食べ物やドリンクをコンビニで買えるものを中心にご紹介しますので、ぜひ風邪対策の参考にしてください。
目次
ビタミンCの働きとは?
肌や粘膜を健康に保つのに不可欠
ビタミンCは、コラーゲンというタンパク質を作り出すために必要なビタミンで、肌や粘膜を正常な状態に保つのに欠かせない他、さまざまな病気の原因となる活性酸素によるダメージから体を守ってくれる抗酸化物質のひとつです。
なお、コラーゲンというと「美肌の素」として知られていますが、その作用は細胞同士をつなげるということであり、皮膚(真皮)、靭帯、腱、骨、軟骨といった体のさまざまな部分の材料として、それぞれの部分の弾力性や強度を保つために使われているタンパク質です。
そして、活性酸素とは、呼吸などの体内での生命活動やストレス、紫外線、喫煙といった外的要因で生じる非常に酸化する力の強い酸素のことで、体を細菌から守る作用もある一方で体内で大量に発生すると細胞にダメージが生じ、老化やガンをはじめとしたさまざまな病気の原因のひとつになると言われています。
しかし、ビタミンCには自分が酸化されたり、または酸化物を還元することでこの活性酸素を取り除き、体を酸化のダメージから守ってくれているのです。
鉄分の吸収
ビタミンCの役割というと、先ほどご紹介した肌や粘膜への働きや抗酸化作用がよく挙げられるのですが、鉄分を体に吸収する際にも重要な働きをしています。
それは、食品に含まれている鉄分を吸収しやすい形に還元することで、鉄分の吸収率を高めるという働きです。
なお、食品に含まれている鉄分には肉やレバーや貝類に含まれているヘム鉄と、ほうれん草などの野菜やひじきなどの海藻類に含まれている非ヘム鉄の二種類があり、このうち非ヘム鉄はヘム鉄と比べると吸収率が低いという特徴があります。
しかし、ビタミンCによって非ヘム鉄が還元されると、ヘム鉄と同様に吸収されやすい形に変わり、吸収率がアップするのです。
そして、鉄分が不足すると貧血になり、体内で酸素が不足することから疲れやすくなったり動悸や息切れがするようになってしまいますので、ぜひビタミンCを役立てたいですね。
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ビタミンCの摂取量の目安とは?
ビタミンCは1日にどのくらい必要?
ビタミンCの必要な摂取量は、年齢や性別によって細かく分けられており、成人の場合であれば1日あたり男性は90mg、女性であれば75mg摂取することが推奨されています。
ただし、女性の場合には妊娠中には85mg(10代であれば80mg)、授乳中には120mg(10代であれば115mg)と、より多くのビタミンCが必要です。
また、タバコを吸う人は最初にご紹介した基準の値にさらに35mgを加えた値が必要となります。
その理由は、タバコを吸うことによって活性酸素が多く生じるため、そのダメージを防ぐためにより多くのビタミンCが必要となるからです。
なお、自分はタバコを吸わなくても家族に喫煙者がいるなど、副流煙にさらされることが多い人も影響を受けますので、喫煙者と同じ程度の量のビタミンCを摂ったほうがいいでしょう。
不足も摂り過ぎもダメ!?ビタミンCの欠乏症と過剰症とは
ビタミンCが不足するのはもちろん良くないことですが、だからといってたくさん摂取すればいいというわけでもありません。
というのも、ビタミンCは不足しても、摂り過ぎても、どちらの場合でも体に悪い影響が出ることがあるからです。
【ビタミンCの摂り過ぎで起こる症状】
・下痢
・吐き気
・胃けいれん
・頻尿
・発疹
ただし、ビタミンCは大量に摂取しても体内で吸収されなかった分は尿の中に排出されてしまいます。
しかし、体がその処理をすることができなかった場合、上記のような症状が起こる可能性があるので過剰に摂取することは控えましょう。
なお、安全な上限値は成人の場合には2000mg程度だとされています。
【ビタミンCの不足で起こる症状】
・疲労感や脱力感
・イライラ
・皮膚、粘膜、歯肉からの出血
・傷の治りが遅い
・免疫力低下
ビタミンCの不足によって起こる出血や傷の治りが遅いといった症状は壊血病と呼ばれており、昔は新鮮な野菜などを長い期間食べることのできなかった長期の航海に出る船乗りに多い病気でした。
なお、現在では壊血病は稀な病気となっていますが、ビタミンCが不足することによって鉄分不足になったり、皮膚や粘膜のバリア機能が低下して感染症にかかりやすくなるといった症状は現代の私達にも起こりうるものです。
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風邪にビタミンCは効く?効かない?
ビタミンCと風邪
肝心のビタミンCと風邪の関係なのですが、現在までに行われた研究において、風邪に対してビタミンCが有効であるという確証はまだ得られていません。
そのため、世間ではビタミンCは風邪に効くという意見と、効かないという意見の両方が出回っている状態です。
しかし、海外で1万人以上を対象に行われた、風邪とビタミンCとの関連を探る試験の結果では、次のような結論が述べられています。
・普通の人がビタミンCを常時摂取しても風邪にかかる確率は変わらない
・激しい運動をする人に対しては、ビタミンCは病気の予防に役立つ可能性がある
・ビタミンCを常時補充した試験では、風邪にかかる期間が短くなったり、軽い症状で済むという結果が出た
以上のことや、ビタミンCと免疫力との関係を考えると、「ビタミンCで風邪を引かなくなったり、風邪が治るということではないようだが、日頃からビタミンCを摂ることにメリットはあるらしい」と考えられるでしょう。
ビタミンCと免疫力の関係は
ビタミンCは免疫力とも非常に深い関わりを持つビタミンで、不足するとウイルスや細菌への感染が起こりやすくなることがあります。
その理由として、まず「ビタミンCは粘膜を正常に保ち、感染から守る」という役割があります。
なぜならば、風邪にかかるのは何らかの原因で機能が低下している状態ののどや鼻の粘膜にウイルスが侵入し、それが増殖することで起こるので、粘膜が正常な状態であればウイルスが侵入しにくくなり、風邪にかかりにくくなると考えられるからです。
そして、もうひとつの理由に「ビタミンCは免疫機能の元を作る働きがある」ということがあります。
というのも、ウイルスが体内に侵入した時には、ウイルスに対処するためにウイルスの増殖を防止したりする働きを持つインターフェロンという物質が分泌されるのですが、このインターフェロンの生成を促すのがビタミンCなのです。
それだけでなく、ビタミンC自体が病原菌を攻撃したり、また細菌やウイルスなどを排除する働きを持つ白血球の働きを強化してくれます。
ビタミンCを摂るなら風邪をひいてから?ひく前?
風邪の予防などを考えてビタミンCを摂取する場合、これは風邪を引く前から、日常的に摂取することが望ましいと考えられます。
その理由は、まずビタミンCが免疫機能を正常に保つために有用な働きを持っていること、次に海外の試験の結果では常時ビタミンCを摂取した人には風邪にかかっている期間の短縮や、症状が軽く済んだといったことが見られたからです。
一方で、風邪をひいてから大量のビタミンCを摂取することで治療ができるかといった試験も行われており、風邪に対して効果があったという報告が出ています。
しかし、このように風邪をひいてからビタミンCを摂取することによって風邪が治るのかという試験は実施されている回数が少なく、まだ確証がないというのが実状のようです。
また、余分なビタミンCは尿から排出されてしまうとはいえ、大量のビタミンCを摂ることで風邪以外の症状に悩まされる可能性も出てきますので、むやみに大量摂取をするのは極力控え、日々の生活の中で意識してビタミンCを摂取するようにしたほうがいいでしょう。
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ビタミンCはサプリで摂ってもいいの?
サプリメントを飲む時の注意点とは?
毎日の習慣にしやすく、また手軽にビタミンCを摂れるサプリメントを利用するというのは間違いではないのですが、サプリメントを利用する際にはいくつかの点に注意するようにしてください。
まず、サプリメントは薬と違い、目安となる摂取量しか書かれていないため、飲めば飲むほど効果がありそうだと思ってしまいがちですが、大量の摂取は下痢などの過剰症を起こす可能性がありますので、目安の量を守り、正しく摂取するようにしましょう。
なお、人によっては目安の量を超えていなくても体調を崩したりする場合があり、そのような時には健康のために摂っているサプリメントが不調の原因だと気が付かない場合があります。
ですので、自分の体の状態をよく観察するようにし、少しでも異変を感じるという時には飲むのをやめるなどの対処をすることが大切です。
また、「サプリメントを飲んでいるから大丈夫」と、食事や健康管理などをおろそかにしてしまうことにも注意しましょう。
つまり、サプリメントというのはあくまで普段の食生活の補助であり、食事に代わるものではありませんので、日々の食事をはじめとした生活習慣を整えることも忘れないようにしてくださいね。
コンビニでも買える、ビタミンCを摂れる食材とは?
体にあまり良さそうではないというイメージが強いコンビニの食品でも、上手に選べばビタミンCを多く含む食材を使った商品を買うことができます。
例えば、ビタミンCを多く含む食材には、次のようなものがあります。
・ピーマン(赤・黄・緑の順にビタミンを多く含んでいます)
・ゴーヤ
・アセロラジュース
・グレープフルーツジュース
・レモン
・いちご
・柿
・明太子
・焼き海苔
・ハム
ですので、コンビニで買えるものに置き換えると、明太子のおにぎりや、ゴーヤチャンプルー、カットフルーツやサラダなどが挙げられるでしょう。
中でも、焼き海苔は非常に多くのビタミンCを含むだけでなく、ビタミンA・B1・B2や鉄分、カルシウムなどのその他のビタミンやミネラルも豊富に含まれています。
ですので、コンビニでも手軽に買うことができるおにぎりやのり弁当、またはインスタントの味噌汁に海苔をプラスするなどの方法で、毎日上手に摂りたいですね。
まとめ
いかがでしたか。
風邪へのビタミンCの効果は、はっきりと結果が得られた研究はありませんが、毎日続けて摂ることで粘膜を正常に保ったり、免疫機能を高めたりする効果があると考えられています。
なお、ビタミンCはたくさん摂取すればそれだけ風邪にかかりにくくなるというわけではなく、大量摂取によって下痢や吐き気といった症状が起こることがありますので、成人ならば1日あたり男性は90mg、女性は75mgという目安の量を大きく超えないように注意してください。
また、ビタミンCを摂っていても風邪にかかる確率などに変化は見られなかったという研究結果もありますので、ビタミンCだけに頼ろうとせずに、その他の原因などにも注意して、風邪が流行する期間を健康に過ごしていきたいものですね。
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