食中毒とノロウイルスの違い!対処する際の注意点もチェック!

画像1食中毒は、食べ物や飲み物が原因で起こる嘔吐や下痢や発熱といった症状ですが、同じような症状が現れるノロウイルスとはどのように違うのでしょうか?

また、それぞれの症状にはどのように対処したら良く、注意点についても知っておきたいですよね。

それから、こうした食中毒やノロウイルスを予防するにはどうしたら良いのでしょうか。

そこで今回は、食中毒とノロウイルスの違いや、対処する際の注意点について詳しくチェックしていきます。

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食中毒とノロウイルスの違い!

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食中毒の原因となる食品に含まれる物質は、化学物質や自然毒など多岐に渡りますが、大きく分けると「細菌性」と「ウイルス性」の2つのタイプに分かれます。

そして、細菌性の食中毒は食品中の細菌が体内に入ったり、食品中で増殖した細菌から発生する毒素を食べることによって引き起こされる食中毒なので、感染経路は食品を直接口に含むことによる経口感染です。

一方で、ウイルス性の食中毒は、ウイルスの感染が原因となる食中毒のことで、ウイルスが付着している食品を口にするだけでなく、手などについたウイルスが体内に入ることでも起こります。

つまり、ノロウイルスというのは食中毒の一種ではあるのですが、感染経路が細菌性のものとは異なり吐瀉物や糞に触れることや、ウイルスを吸い込むことでも感染してしまうのです。

そして、潜伏期間は30分から3日以上まで長引くことがあり、次のようにいつ症状が現れたかによって何が原因かはおおよそ検討をつけることができます。

・潜伏期間が1日以内

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生で食べる刺身や寿司に含まれる腸炎ビブリオや、加熱調理された後に長時間放置されたシチューなどの料理に含まれるウェルシュ菌などの細菌性食中毒が多いです。

そして、この場合の症状には水っぽい便や腹痛や嘔吐が現れますが、卵などに含まれるボツリヌス菌による細菌性食中毒にかかると、呼吸困難など重い症状にかかります。

なので、短時間で食中毒の症状が現れた場合は、直近でとった食品を思い浮かべ、症状があまりに重い場合はできるだけ早く病院を受診すると良いでしょう。

・潜伏期間が1~3日以内

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冬場の生牡蠣が原因となり発症するノロウイルスは、1~3日程度で発症するとされていて、水っぽい便に加えて嘔吐や発熱が症状として現れます。

そして、直接生牡蠣を食べることによって発症することが多いと思われがちですが、感染経路は接触感染や飛沫感染も含むので、2次感染が最も多いという研究結果も出ているそうです。

・潜伏期間が3日以上

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サルモネラ菌に加え、肉類や牛肉に含まれるカンピロバクターや、牛肉やサンドイッチなどに含まれるO157は潜伏期間が長く、中には8日経って発症することもあります。

そして、カンピロバクターの場合は発熱や倦怠感から始まり、後に下痢の症状が現れて、0157の場合は血を含んだ便や腹痛や嘔吐などの症状が現れます。

このように、潜伏期間でおおまかに検討をつけることはできますが、中には重い症状もあり、できるだけ病院を受診して検査を行い、原因を知ってから対処すると良いでしょう。

そして、ノロウイルスの場合は感染経路が多く、2次感染で周囲へうつす危険性が高いので、対処するには注意が必要です。

食中毒に対処する際の注意点!

食中毒にかかったら、基本的には自宅で次のような対処法をとって、自然と体が回復するのを待つようにすると良いでしょう。

1)発熱をしているとき以外は、体を冷やさないで温める

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食中毒の時は体を冷やさず、リラックスできる服装に着替え、布団やタオルケットで手足や首もとを冷やさないようにくるんでよく眠りましょう。

ただし、発熱して辛いときは、濡れたタオルで体を拭くと適度に体を冷やすことができ、気持ちが良いのでオススメです。

2)脱水症状を起こさないように注意し、充分に水分をとる

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つらい下痢や嘔吐が何日間も続くので、こまめに水分をとると良いのですが、冷たい水やスポーツドリンクは胃腸への刺激が強いので避けるようにしましょう。

そのため、便の具合に合わせて次の通り食事や水分を補給し、飲み物は温かいお茶やお白湯をとるように心がけましょう。

・水のような便…おもゆや温かいお茶

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水のような便が出ている間は、体を温める温かいお茶やお白湯を飲み、食事は胃腸への負担がない重湯がオススメです。

そして、米1:水10の割合で作り、便の回復に合わせて米の割合を増やしていきましょう。

・やわらかい便…おかゆや白身魚の煮付け、茶碗蒸しなど

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少し回復してきたら、薄く出汁で味をつけた白身魚の煮付けや、お米の割合を多くした白がゆがオススメです。

また、バナナやりんごなどの果物も胃腸に優しく手軽に食べられるのでオススメですが、蜜柑やパイナップルなどは刺激も強く消化にも良くないので避けるようにしましょう。

そして、飲み物にはほうじ茶など温かいお茶に梅干しを入れて飲むと体が温まり、殺菌作用もあるので回復をサポートしてくれます。

それから、便が通常の固さや色まで戻ったら、普通の食事に戻しても大丈夫です。

ただし、回復期に刺激の強い香辛料を多く含んだ食べ物や辛い物や、カフェインを含み冷たいアイスコーヒーや緑茶なども避けるようにしましょう。

そして、食物繊維が豊富な野菜などもダメージを受けて弱っている胃腸への負担となるので、完全に回復するまで控えるようにすると良いです。

3) 吐きやすい体位にして眠る

仰向けに寝てしまうと、吐いたときに呼吸困難や肺炎の心配があるため、横向きになって吐きやすい体位をとり、いつ吐いても問題がないように水桶やタオルを用意しておきましょう。

4) 下痢止めや解熱鎮痛剤はNG

下痢止めの薬や解熱鎮痛剤は、細菌や毒素を熱や便によって排出しようとしている動きを押さえ込んでしまうので、オススメできません。

ただし、どうしても下痢や発熱がつらかったり、水分補給も難しいようであれば、できるだけ早く病院を受診するか、整腸剤を飲むと良いでしょう。

ノロウイルスによる食中毒の場合の注意点!

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もしも食中毒がノロウイルスによるものであった場合、周りへの感染が心配になりますが、条件によっては学校への出席停止が必要と考えられるとされています。

そのため、出席するかは個人の判断になりますが、ノロウイルスの場合は38℃以上まで発熱することも多く、症状もつらいので、休ませて家庭で安静にすると良いでしょう。

そして、家庭内での2次感染を防ぐために、患者には前述の対処を行った上で、次のポイントを守るようにしましょう。

・感染者の便や嘔吐物には直接手で触れないよう手袋をつけ、接触した場合は十分な洗浄と消毒を行いましょう。

・嘔吐物や糞便で汚れた衣類やぞうきんは、ビニール袋で保管しておき、他の衣類とは分けて、塩素系漂白剤でつけ置き洗いをするようにしましょう。

・嘔吐物で汚れた床は、塩素系漂白剤を含ませた布で覆い、しばらくそのまま放置しておいて消毒しましょう。

・手洗い、うがいを徹底し、二回洗いをするとより効果的とされています。

ノロウイルスは感染経路も多く、感染力も非常に強いため、充分に気をつけるようにしましょう!

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食中毒の予防法は?

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細菌性の食中毒も、ノロウイルスによるものも、原因となる食材は腐敗しているわけではなく、臭いや見た目で判断することができないので、見分けがしにくいです。

そして、飲食店などでの外食に限らず、家庭で起こる食中毒もとても多いので、家庭内では次をポイントに気をつけて予防に努めるようにしましょう。

1) 食品の購入

肉や魚、野菜などの生鮮食品は新鮮なものを選び、購入したものは肉汁や魚などの水分がもれないようにそれぞれビニール袋に分けて持ち帰りましょう。

2) 家庭での保存

持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れて、詰めすぎには注意し、7割程度にして、肉や魚などは別々の容器に入れて、他の食品に肉汁などがかからないようにしましょう。

3) 下準備

・台所内の三角コーナーなどにゴミは残したままにしないようにし、タオルやふきんは清潔なものとこまめに交換して、キッチンを清潔に保つようにしましょう。

・肉や魚を切るまな板と、野菜や果物などを切るものは別々にし、調理をしたらそのまま放置せずに、こまめに洗うようにしましょう。

・包丁や食品、まな板やふきん、たわし、スポンジなどはその都度よく洗い、毎日漂白剤で1晩つけこむと消毒効果があるのでオススメです。

・調理をするときは、必ず手指をよく洗って水気を拭いてから肉や魚に触れ、調理が終わった後もよく手洗いをしましょう。

4)調理と食事

・調理を始める前にもう一度キッチンを見渡し、タオルやふきんは清潔なものか確認し、料理を途中でやめてそのまま室温に放置しないようにしましょう。

・良く手を洗ってから食卓につき、長時間作った料理を放置せずに、できるだけ早く食べるようにしましょう。

簡単なことのようですが、食中毒予防の原則は、食中毒菌をつけない、増やさない、殺すの3つです。

ただし、生鮮食品以外にも、出来合いのサンドイッチやハンバーガーや、遠足で食べるお弁当などにも原因となる細菌やウイルスが含まれていることがあり、予防はとても困難です。

そのため、日々の衛生習慣を充分に注意し、もしも食中毒にかかってしまったら原因をよく調べ、適切な対処法をとるようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、食中毒とノロウイルスの違いや、対処する際の注意点について詳しくチェックしました。

まず、食中毒は細菌性の食中毒とノロウイルスによる食中毒の2種類に分かれ、潜伏期間でおおよそ見分けられますが、病院で詳しく検査すると良いのでしたね。

そして、細菌性の食中毒は、食品を直接口にする経口感染でうつりますが、ノロウイルスの場合は感染者からの飛沫感染や衣服などへの接触感染など2次感染も非常に多いのでした。

そのため、基本的な対処法は同じですが、ノロウイルスの場合は家庭内感染も注意し、嘔吐物や糞がついた衣服などは別々にし、塩素系漂白剤でつけ置き洗いをするのでしたね。

それから、食中毒の予防には、家での調理や食品の衛生管理を徹底し、日頃の衛生習慣を身につけることが大切とのことでした。

ノロウイルスは周囲へ感染し、学校が停止になることも多いので、周りへ配慮しながら対処しましょうね!

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