歯周病の治療方法と費用や薬のおすすめ!レーザーの費用についても
歯茎の腫れや出血などから始まる歯周病は、日本人の多くがかかっていると言われていますが、実際に治療をしている人は少ないのではないでしょうか。
しかし、歯周病は悪化すると歯を失ってしまったり、他の重大な病気の原因となることもあるので注意が必要です。
とはいうものの、歯周病の治療は期間が長いのではないか、痛いのではないかと不安になってしまいますよね。
確かに、歯周病の治療には麻酔をかけて行うものもありますが、近年では薬やレーザーなどの痛みのない治療法も出てきているようです。
そこで今回は、歯周病の治療方法について、その大まかな流れや費用、保険が適用される治療法やレーザーによる治療法をご紹介していきます。
また、それと併せて、歯周病の治療に使用される薬のうち、処方薬だけではなく市販で手に入るものもご紹介していきますので、自宅での歯周病ケアの方法を知りたい方は参考にしてくださいね。
目次
歯周病とはどんな病気?
人類史上最も多い感染症!?
歯周病とは、歯と歯茎の隙間の部分に細菌感染が原因の炎症が起き、それによって最終的には歯を支える骨が溶けてしまう病気です。
通常、歯と歯茎の隙間には1~2ミリ程度のポケットのような形の隙間が空いていますが、歯磨きなどのケアが不十分だとそこに歯垢が溜まってしまいます。
そして、歯垢に含まれている細菌によって炎症が起き、歯茎の赤みや出血、口臭といった症状が現れる他にも、歯の根元を支えている骨を破壊してしまうのです。
また、歯周病が進行すると歯を失う原因となるだけでなく、糖尿病や心筋梗塞などにかかる危険性が高まったり、敗血症や高齢者の誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。
なお、歯周病を悪化させる要因としては、歯ぎしりなどの日常のクセや、喫煙や食習慣、ストレスなどがわかっています。
ちなみに、この病気は「人類史上最も感染者数の多い感染症」としてギネスブックにも載っているそうです。
実際に、日本でも30代の人のおよそ8割が歯周病にかかっているというデータもあります。
歯肉炎と歯周炎
歯周病は、その進行状態によって歯肉炎と歯周炎に分けられており、健康な状態から歯肉炎→歯周炎という順で悪化していきます。
まず、歯肉炎は細菌による炎症が起き始めた時で、歯茎が赤くなり、歯と歯の間の部分が丸くふくらんでいる状態です。
なお、この時歯と歯茎の間の隙間(歯周ポケット)の深さはおよそ2~5ミリと健康な時の倍近くも開いてしまい、そこに歯垢が溜まってしまうことでさらに症状が悪化してしまいます。
次に、歯周炎は細菌が歯の周りの骨などの組織にまで侵入し、歯と顎の骨をつなぐ膜や顎の骨そのものの破壊が始まった状態です。
この時、歯茎は赤紫色になり、歯がグラグラしたり、歯茎が下がって歯が長く見えるといった状態になります。
また、歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなったり、歯と歯茎の隙間はおよそ7ミリ以上にまで開いてしまいます。
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歯周病の治療方法は?
症状によって異なる治療法
歯周病の治療法は、症状の進行具合によっていくつかあり、中には手術のような大がかりな方法が取られることもあります。
なお、主な治療法は次のようになり、これ以外にも最近では再生医療を用いて失われた歯周組織を元に戻す治療法などが試みられているようです。
・ブラッシング
ブラッシングは歯周病治療の基本となる治療法で、軽度の歯肉炎であればブラッシングで改善することがあります。
主に、歯科においてはブラッシングに適した歯ブラシの指導の他、正しいブラッシングの方法や、歯間ブラシなどの使用法などを教えてもらうことができます。
・スケーリング
スケーリングとは、歯周炎の初期に行われる治療で、歯についている歯垢や歯石(歯垢が固まり、石のように固くなったもの)を取り除くことが目的です。
そして、スケーラーと呼ばれる特殊な器具を使い、歯と歯茎の間の比較的浅い部分をきれいにしていきます。
また、その後に歯の根元部分を磨いて、再び歯垢が付着するのを防ぐルートプレーニングという治療が行われることも多いようです。
・歯周ポケット掻爬(そうは)術
歯周ポケット掻爬術とは、歯科においては外科手術に分類される治療法で、掻爬=かき出して取り除くという言葉の通り、麻酔をかけた上で歯周ポケット内の歯垢や歯石、さらには感染が起こっている歯茎の組織などを取り除くことが目的です。
また、炎症を起こしている組織や炎症の原因となっている歯垢などを除去することによって、開いてしまった歯周ポケットを再び元の状態に戻す効果も期待されます。
なお、この治療は歯周ポケットが6ミリほどの、中程度の歯周炎に対して行われます。
・フラップ手術
フラップ手術は歯肉剥離掻爬手術とも呼ばれ、歯周ポケット掻爬術で効果が見られなかった場合や、歯がぐらついているような重度の歯周炎に対して行われる治療法です。
具体的には、麻酔をかけた上で歯茎を切開して歯の根元を見える状態にし、歯周ポケット内を徹底的にきれいにしていきます。
そして、これによって歯周病の進行をしばらくはくい止めることができますが、重度の歯周炎では歯を支える骨などが溶けて失われている場合もあり、そのような組織を元に戻すことはできません。
そのため、この手術の後には歯茎が少し下がってしまうというデメリットがあります。
また、この手術を行ったから二度と歯周病にならないということはなく、その後のケアを怠るとまた歯周病を起こす可能性があります。
治療費は高い?安い?
歯周病の治療費については、炎症を起こしている歯の本数や症状の程度、また通院先によっても変わってきます。
そして、歯科の場合では保険診療にするのか、自費診療にするのかによって、治療の方法に違いが出てくることもあります。
例えば、治療法の項で少しだけ触れた、歯周病によって失われた組織を再生する治療や、歯の見た目を良くするための治療などは保険の適用外です。
次に、保険診療(3割負担)での一般的な治療費をご紹介しますが、治療の際には医師とよく話し合って、納得の行く治療法を選択するようにしてください。
【検査費用】 600~3000円
【ブラッシング指導】 240~330円
【スケーリング】 800~1000円
【ルートプレーニング】 180~220円(1本あたり)
【歯周ポケット掻爬術】 600~720円(1本あたり)
【フラップ手術】 3000円(1本あたり)
(※治療費のみで、実際にはレントゲン撮影や初診・再診料、処方料などが必要になります)
歯周病の治療期間はどのくらい?
歯周病の治療期間は症状や治療にどれだけ効果があったかによって変わりますが、およそ数週間から数ヶ月、長い人では年単位に及ぶこともあるようです。
なお、軽度であってもその後のケアが不十分だと治療が長引いたり、一度治療が終了してもまた歯周病にかかってしまう場合もありますので、途中で勝手に通院をやめてしまったりせずに医師の指導に従って最後まで治療を続けることが大切です。
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レーザーや薬でも歯周病が治せるって本当?
レーザーによる治療
歯科の治療において、歯周病以外にもレーザーは歯茎の切開や歯石の除去などの目的に応じてさまざまな種類のものが使い分けられています。
中でも、最近使用されているのが、光線力学療法(フォトダイナミックセラピー、またはPDT)と呼ばれるレーザーによる治療です。
これは、特殊な薬剤を歯周ポケットに注入した上でレーザーを当てて化学反応を起こし、その場所にいる歯周病の原因菌を死滅させるという方法です。
また、その他にはEr:YAGレーザー(エルビウムヤグレーザー)というレーザーで歯周ポケット内の歯石などをはがし、歯垢に含まれる細菌を死滅させる方法があります。
ちなみに、費用はどちらも1本あたり1000~3000円程度になるようです。
なお、切開などの必要がなく、痛みがないというメリットがありますが、あくまでも治療のひとつであってこれだけで歯周病を治せるというわけではないこと、すべての歯科医院で受けられるというわけではないことに注意しましょう。
薬による治療
・病院で処方される薬
歯科医院では、歯周病治療の一環として抗生物質の飲み薬を処方したり、歯周ポケット内を殺菌効果のある薬剤で洗浄・除菌したりする場合があります。
また、抗生物質には切開手術などを行った後の二次感染予防としての役割もあります。
なお、主に飲み薬として処方される抗生物質は、ミノマイシンやジスロマックなどの、内科や皮膚科などでも広く使用されているものです。
ただし、近年は抗生物質の安易な使用や、間違った使用(途中で飲むのを勝手にやめてしまうなど)によって、薬が効かない耐性菌が現れていることが問題になっています。
ですので、歯科医院で処方された薬は必ず用法・用量を守り、処方された分は必ず全て飲みきるようにしてください。
・歯周病に効果のある市販薬は?
市販の薬には、歯科医院で処方されるような抗生物質はありませんが、歯周病治療で重要となる日々のブラッシングなどのケアと併せて使用することで効果が期待できるものがいくつかあります。
まず、歯磨き粉やマウスウォッシュについては、アセス、デントヘルス、ガムなど様々な種類がありますので、ブラッシングの際に使用することで改善が期待できますが、あくまでも歯磨き粉は歯垢を取り除く手助けであり、ブラッシングが正しく行えていないと効果が現れにくいようです。
次に、歯磨きの時以外に使う薬としては、デントヘルスRや生葉口内塗薬、生葉液薬などの歯茎に直接塗るタイプの薬や、生葉漢方錠や排膿散エキス錠Jなどの漢方薬があります。
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まとめ
いかがでしたか。
歯周病の治療法は、症状の進行具合によってブラッシング指導から歯茎を切開しての手術までさまざまな方法があります。
また、歯垢や歯石を取り除きながら殺菌を行うレーザー治療などもあり、現在は本当にたくさんの選択肢があると言えるでしょう。
そして、治療費については1回あたり数千円~数万円と差が大きく、これは症状の進行具合や治療の対象となっている歯の本数、保険診療か保険外診療かなどによって変わってきます。
なお、市販の薬には日々のブラッシングに使用する歯磨き粉やマウスウォッシュの他、症状がひどい時には漢方薬や殺菌成分を配合した塗り薬などがおすすめですが、歯周病は悪化すると歯を失うことになりますので、できる限り歯科医師の診察を受けて正しい治療を行うことをおすすめします。
ぜひ今回の記事を参考にして、気になる症状のある方は早めに歯周病の治療を始めてくださいね。
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