糖尿病の目の症状!痙攣やかすむ時は要注意!治療法についても!
糖尿病の症状として目に何らかの症状がでるものがあります。
しかし、この糖尿病による目の症状と言われても分からないところが多数あり
・目のかすみ・痙攣・充血・目やに・目が見えないといった症状はあるの?
・検査方法は何?
・痛みや出血はあるの?
・治療方法はレーザー治療や手術なの?
・注射することはあるの?
・目のむくみもあるの?
・病状を表す画像はあるの?
といった疑問点があるのではないでしょうか。
そこで今回は、糖尿病の目の症状について、上記の疑問や治療法についても説明します。
目次
糖尿病の目の症状について教えて!
糖尿病の3大合併症の一つに糖尿病性網膜症と言われるものがあり、これが眼に様々な症状をもたらすものとなっています。
まず、この糖尿病性網膜症について説明すると、糖尿病になると高血糖状態になるので血管が痛めつけられやすくなり毛細血管は少しずつ損傷を受け、変形したりつまりが発生するようになります。
また、目の網膜は無数の細かい血管が張り巡らされているので、糖尿病による血管への影響を非常に受けやすくなるのです。
そして、網膜の血管が変形したりつまりが発生するようになると網膜が酸欠状態になってしまい、新生血管を生やして酸素不足を補おうとします。
しかし、この新生血管はもろいために簡単に出血を起こしてしまい、かさぶたのような膜が多発するようになって、この膜が原因で硝子体と網膜がくっついて網膜剥離に繋がってしまうのです。
つまり、わかりやすく順序付けて説明すると下記のようになります。
糖尿病になって高血糖状態になる
↓
毛細血管がつまり栄養が運べなくなる
↓
目の網膜は血管が細いので糖尿病の影響を受けて網膜の血管が機能しなくなる
↓
今の血管が駄目と判断されて新しい血管が作られる
↓
新しい血管はもろいので出血が多発して、かさぶたのような膜を作る
↓
血液によってできた膜が網膜と硝子体をくっつけてしまう
↓
硝子体が動いた時に網膜が剥がれるようになる
↓
視力が低下したり失明してしまう
このように、最終的には失明に至る病気で視覚障害者の6人に1人は糖尿病が原因となっているのです。
糖尿病の失明について画像付きで解説!
糖尿病によって発生する網膜症には段階によって名前が付けられており単純網膜症、増殖前網膜症、増殖網膜症という順番で進行することになります。
そこで、まずは単純網膜症について説明していきますね。
(糖尿病ネットワークより:https://www.dm-net.co.jp/seminar/15/)
これは単純網膜症の画像で網膜症の最初の段階に該当し、小さな出血や血液中のたんぱく質や脂質からできたシミや、毛細血管がこぶのように膨らんだ形の毛細血管瘤などが現れていきます。
そして、この時は自覚症状が全くなく血糖値のコントロールを本格的に行えば、この段階なら自然と治まっていくでしょう。
次に、増殖前網膜症について説明していきます。
(糖尿病ネットワークより:https://www.dm-net.co.jp/seminar/15/)
まず、この段階になると血管のつまりが多発するようになって、血液が足りない血管が多くなり次々と死んでいきます。
そして、死んだ血管の代わりに新生された血管ができ始める段階ともいえるでしょう。
ただし、この段階でも自覚症状はほとんどなく、検査をしない限り気が付くことはできません。
さらに、自然と消える段階は過ぎているので、レーザー治療で新生血管が伸びるのを防ぐ必要が出てきます。
そして、最後の段階が増殖網膜症になるのです。
(糖尿病ネットワークより:https://www.dm-net.co.jp/seminar/15/)
これは新生血管が伸びてくる段階で、血管が必要ない眼球内部のゼリー状の部分、いわゆる硝子体にも伸びてくるようになり、伸びてはもろいために次々と破れて出血を引き起こし、その血液成分が硝子体の表面に膜を作って網膜とくっつき始めます。
こうなると、硝子体が動くと網膜剥離が発生するようになり、失明の恐れが出てくるのです。
また、新生血管が破れて網膜や硝子体内に出血が広がるようになると、光が網膜に届かなくなるので視野が狭まったり視力低下になるでしょう。
そして、この段階でも自覚症状が出ないことが多く視力低下や視野の狭まりなどがないと気が付かないことが多々あります。
それから、網膜のダメージが多すぎると視力が回復しないことも多いので、ここまで症状が進行してしまった場合は後遺症が残ると考えたほうがいいでしょう。
ちなみに、治療方法はレーザー光凝固術や硝子体手術になりますが、症状の進行度合いによってレーザー光凝固術を行うだけで済むのか、または硝子体手術が必要になるのかは変わってきます。
要するに、この段階になったら手術が必要になるので、手術が嫌な人はここまで悪化する前に対処する必要があるということですね。
目のむくみについて
糖尿病になってしまうと網膜症以外にも網膜の中心部にある黄斑部に血管障害が発生することがあり、そのことが原因でむくみ、視力が低下することがあります。
そして、この病気は黄斑症と呼ばれており、網膜症が進行すると黄斑症も伴うことが多く、この黄斑症は網膜症がまだそれほど進行していなくてもかなりひどい視力低下になるので対策が急務になります。
注射について
網膜症や黄斑症の治療方法として、抗VEGF薬(血管が詰まったことで虚血状態になる時に発生する血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を抑える薬)を硝子体に注射するという方法が一般的になりつつあります。
というのも、このVEGFは血管から血液が漏れ出したり新生血管が発生する原因と考えらえれているので、網膜症や黄斑症の進行を抑えるためにも有効と判断されているのです。
網膜症に対する痛みとは
基本的に、網膜症や黄斑症の症状が進行する時に痛みがあるわけではないので、症状の進行に対する恐怖心はそこまでないのかもしれません。
それに、治療で行われるレーザー光凝固術もまぶしいと感じるレベルで、ひどい痛みを感じることも無く、硝子体手術も基本的に球後麻酔という強い麻酔を使い、眼球全体が痛みを感じないので手術による痛みはないでしょう。
ただし、この麻酔が非常に痛いと言われていて手術経験者からはきつかったという声が多数挙がっています。
また、手術後も眼圧の関係で痛みが生じるようになるので、どちらにしても手術を行う場合は痛いシーンがあるということですね。
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かすみ目や痙攣はないの?検査方法も
糖尿病の合併症である糖尿病性網膜症は自覚症状が無い状態で進行して突然視力低下といった症状が発生するものなのですが、中にはそれ以外の症状が現れるときがあります。
例えば、初期段階である単純糖尿病性網膜症の時よりちょっと症状が進行するとかすみ目が出る人もいますし、他にもある程度症状が進行した後に蚊のような小さな虫が飛んでいるように見える飛蚊症といった症状が出る人もいます。
それ以外にも、網膜への酸素や栄養が不足することで目やにが出やすくなるとも言われています。
ただし、糖尿病における目の痙攣は糖尿病の合併症の一つである糖尿病性神経障害によって引き起こされると言われているので、これは網膜症とは違うと考えたほうがいいでしょう。
検査方法は?
この糖尿病性網膜症は急に発症するわけではなく、血糖値のコントロールが不十分な場合に7、8年から10年と長い時間をかけてじっくりと進行するものとなっています。
そして、糖尿病が発症してから25年が経過すると80%の患者が発症すると言われているのです。
さらに、自覚症状がなく進行することが多いので、発症していないか調べる精密眼底検査を定期的に行うことでチェックする必要があると言われています。
そして、通常の生活習慣病検診では眼底検診はしないので、糖尿病患者は眼科医による精密な眼底検査を網膜症が無い方なら6~12ヶ月に1回は受けるようにして、網膜症になってしまった方はもっと短い間隔で検診を受けるようにしましょう。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか?
今回は、糖尿病の目の症状について、様々な疑問や治療法についても説明しました。
糖尿病における目の病気とは合併症の糖尿病性網膜症のことで、自覚症状がなく進行し最悪の場合失明してしまうということでしたね。
そして、糖尿病性網膜症は段階によって単純網膜症、増殖前網膜症、増殖網膜症と進行していくようになり、治療方法も最初の段階なら糖尿病以外の治療は特に必要はないけれど、後のほうは手術が必要になるということでした。
また、自覚症状が全く出ないので視力が低下してから気が付くことも多いのですが、人によってはかすみ目といった症状も出てくるということでしたね。
最後に、この糖尿病性網膜症はしっかりと血糖値のコントロールを行えば発症しない病気なので、糖尿病の初期段階で運動療法や食事療法に取り組んで、合併症を引き起こさないようにしましょうね。
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