糖尿病性腎症の病期の分類と原因やメカニズム!症状や治療法も!

%e7%94%bb%e5%83%8f1糖尿病には三大合併症のひとつに糖尿病性腎症があります。

しかし、この糖尿病性腎症にはわからないところが多数あり、

・そもそもの原因やメカニズムは?

・病期による分類は、病期で症状は違うの?

・治療できるの?

・病期を見極める検査値はアルブミンや蛋白尿?

・食事療法や運動療法はどうなるの?

・予防はできるものなの?

といった疑問点があるのではないでしょうか。

そこで今回は、糖尿病性腎症の病期の分類と原因やメカニズムについて、また上記の悩みも説明し、症状や治療法についてもご説明いたします。

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糖尿病における腎症とは?

糖尿病における腎症とは高血糖状態が続くことによって引き起こされる三大合併症のひとつになります。

また、この糖尿病性腎症について簡単に説明すると、高血糖状態が続くことで腎臓の機能が損なわれてしまうことで発症し、命を落とす危険性もある危険な病気に該当します。

しかし、この糖尿病性腎症は初期段階では自覚症状がほとんどないため、もしこの合併症に気が付いていなければ、知らないうちに悪化して症状が出た時に初めて気が付く可能性もあります。

そして、この病気の原因は、老廃物のろ過や必要な物質の再吸収を行う腎臓(糸球体)の毛細血管が高血糖によって狭くなってしまうことです。

つまり、高血糖状態になると腎臓のろ過機能が低下してしまい、蛋白質という大切な栄養素が排出されるようになる一方で、逆に老廃物がうまく尿としても出せなくなるので、蛋白尿が出るようになるとともに、老廃物が体内に溜まるようになるということですね。

◇糖尿病性腎症の病期の分類について

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(全国腎臓病協議会HPより:https://www.zjk.or.jp/kidney-disease/about/class/diabetic-nephropathy/index.html)

糖尿病性腎症は症状の進行度合いによって病期が分類わけされていて、この分類わけは尿蛋白かアルブミンの検査値によって診断されることになります。

また、画像を見ていただけると感覚的にわかると思いますが、症状の進行度合いによって有効な治療法が変わっていて、進めば進むほど治療も厳しくなっていくことがわかりますね。

そして、さきほどの初期段階である自覚症状がほとんどないといった部分は、ここでいう第1期や第2期に該当するもので、ここで気が付くためには尿検査を行う必要があるのです。

◇糖尿病性腎症の症状について

糖尿病性腎症は第1・2期では自覚症状がほとんどないので、特に症状として何かが起きるわけではありません。

しかし、第3期にまで糖尿病性腎症が進行すると、むくみ・息切れ・胸苦しさ・食欲不振・満腹感などの症状が発生するようになるので、自覚症状もこの時期からはっきりと出てくるようになります。

そして、第4・5期にまで悪化すると腎臓の機能も相当悪化している状態なので、顔色の悪化・疲れやすくなる・吐き気・嘔吐・筋肉の強直・筋肉がつりやすくなる・筋肉や骨に痛みが発生する・手のしびれ・手の痛み・腹痛・発熱などの症状が出てくるようになるでしょう。

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糖尿病性腎症の治療の仕方や予防方法は?

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糖尿病性腎症の治療法は症状の進行度合いによって異なってきますが、第3期以降まで症状が進行すると、もはや治療ができない状態になっているので、進行を遅らせることしかできなくなってしまいます。

そのため、完治したい方は自覚症状が出ない第2期の段階までに発症していることを発見して、治療を開始する必要があるのです。

また、腎機能が通常の5~10%まで低下してしまい、ほとんど働けない第4期の腎不全になってしまうと機械で血液をろ過する、人工血液透析療法が必要になってしまい、腎移植が検討されるようにもなるでしょう。

そして、治療の中心は食事療法と運動療法または薬物療法によって血糖値をコントロールすることですが、症状が進行した場合は蛋白制限が発生するようになり、高血圧の人は降圧療法も必要となります。

ちなみに、糖尿病性腎症を予防する場合は、糖尿病の治療の基本である血糖値のコントロールを徹底的に行って糖尿病の治療に本気で取り組むことが大切になるでしょう。

◇食事療法について詳しく!

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(全国腎臓病協議会HPより:https://www.zjk.or.jp/kidney-disease/about/class/diabetic-nephropathy/index.html)

糖尿病と糖尿病性腎症の食事療法による一番の違いは蛋白質の摂取量制限になりますが、腎臓の機能が低下している状態で蛋白質を摂取しすぎると、老廃物を排泄するためにかかる腎臓への負担が大きくなってしまうので蛋白質の摂取制限が発生するのです。

しかし、蛋白質を制限してしまうとエネルギーが補給できなくなってしまうので、炭水化物や脂質を増やして補うようになるでしょう。

また、それ以外にも腎症が進行してしまうと血液内のカリウム濃度が高まりやすくなってしまい不整脈が発生するようになるので、カリウム摂取量にも注意が必要となります。

そして、具体的に量はどれぐらいなのかを知りたい方は上の全国腎臓病協議会に記載してあった表を確認してください。

◇運動療法について詳しく!

糖尿病性腎症の場合、以前は運動をしてはいけないと言われていて運動制限があったのですが、体力低下や生活の質の低下といったデメリットを考慮した結果、症状の進行度合いによって運動療法も変えながら取り入れることになっているようです。

そして、具体的には第1・2期は糖尿病患者と同じ運動療法を行い、第3期の前期の方で運動により尿蛋白が増加する方は強度を下げますが、それ以外の方は軽いジョギングといった中等度の運動を行うように薦められます。

また、第3期の後期以降の方から運動制限が発生するようになるため、体力維持のために軽い運動のみを行うようになるでしょう。

まとめ

以上、いかがだったでしょうか?

今回は、糖尿病性腎症の病期の分類と原因やメカニズムについて、また様々な疑問を説明し、症状や治療法についてもご説明いたしました。

糖尿病性腎症は高血糖によって腎臓の機能であるろ過機能が低下して発症する病気で、進行度合いによって病期の分類わけがされているということでしたね。

また、糖尿病性腎症は第1期、第2期では自覚症状はほとんどなく、判明させるためには尿検査を行う必要があるということでした。

そして、糖尿病性腎症の方は第2期の段階までに発症していることが判明すれば治療により完治しますが、第3期以降は進行を止めるしか方法は無いということでしたね。

最後に、糖尿病性腎症を予防する方法は糖尿病における血糖値のコントロールを真面目に行うことなので、糖尿病になったら様々な合併症を防ぐために真剣に治療に取り組むようにしてください。

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