糖尿病の透析で余命や生活への影響!費用や治療の流れと予防法も

%e7%94%bb%e5%83%8f1糖尿病による悲劇を避けるためには合併症を起こさないことが大切で、医師からも「透析を受ける状況になったら危険」と警告された方もいると思います。

しかし、透析と言われてもピンとこない人も多く、

・余命や費用、または生活や食事はどうなるの?

・ガイドラインや治療方法及びフットケアはどうなの?

・予防できるのか

・予後や割合はどうなのか

・インスリン使用中の場合はどうなるの?

・血圧低下が発生するとどうなるの?

・仕事はどうなるの?

・障害者手帳は交付されるの?

といった疑問点があるのではないでしょうか。

そこで今回は、糖尿病の透析で余命や生活への影響について、また上記の悩みについても説明し、費用や治療の流れと予防法についてもご説明いたします。

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糖尿病の透析の費用や治療方法は?

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糖尿病の慢性合併症の「糖尿病性腎症」が悪化すると透析療法を行う必要が出てきます。

そして、この透析治療は時間的な制約が大きく人によっては毎日処置を受ける必要が出てくるので、費用もかなりかかると思いますよね。

確かに、この費用はだいたい1ヶ月30~100万円というすごい金額になるのですが、医療保険を適用することで実質負担額は上限1万円に抑えることができます。

◇糖尿病性腎症ってなに?

糖尿病性腎症とは糖尿病における三大合併症のひとつで、腎臓の機能が低下していく病気です。

まず、腎臓とは血液中の老廃物をろ過して尿として排泄する臓器で、糸球体とよばれる非常に小さな血管の塊が集まった組織となっています。

しかし、糖尿病になってしまうと糸球体の細い血管に障害が発生し、ろ過機能が低下していきます。

そして、この状態になっているかどうかは尿タンパク検査で陽性反応が出ると判明するのですが、この時はすでにろ過機能がほとんど無くなっている状態になっているので、かなり危険な状態と言えます。

◇人工透析ってなに?

人工透析とは、腎臓のろ過機能が低下してしまって老廃物が体内に蓄積されることを避けるために、腎臓に変わって血液中の老廃物を除去して、水分量の維持や電解質の維持を行うものとなっています。

つまり、腎臓が使えなくなってしまったために行われているものなので、この状態から完全なる治療を行いたい場合は腎臓移植を行うしか方法はありません。

言い換えれば、あくまで、この人工透析は治療ではなく延命措置なので、この処置を行ったところで腎臓の機能が回復するわけではないのです。

◇割合はどうなっているの?

日本では糖尿病腎症が原因の透析患者が増加傾向にあり、糖尿病腎症の驚異度が上がっています。

また、糖尿病患者の3分の1が糖尿病腎症になっていると言われていて、透析導入の原因が糖尿病だった割合が2011年12月調べでは44.2%と非常に高いんですね。

ちなみに、もともと透析導入の原因となる病気は慢性糸球体腎炎が1位だったのですが、1998年に抜かれており、その後も糖尿病が1位の座を不動なものとしているのです。

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糖尿病性腎症になると日常生活はどうなるの?

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糖尿病性腎症になって透析を受ける状態になると、週に3回か2回は1回4時間程度かかる血液透析を行う必要があるので、1週間のうちに何時間かは病院に束縛されることになります。

しかし、透析治療が順調に行なわれていれば日常生活を普通に過ごすことができるので、病院に通う必要が出るというところと食事などの自己管理以外は変わらない生活を行うことができるのです。

ただし、透析療法を始めた場合、食事制限が糖尿病の時とは違う場合があるので、改めて食事指導が行われることになります。

さらに、インスリンといった薬の量や種類も再度検討の必要はありますが、糖尿病の改善は続ける必要があるので、基本的にインスリン投与も続ける必要があるのです。

また、治療開始後は約一ヵ月の入院期間が発生しますが、その後は治療を行いながら仕事を続けている人もいます。

そのような方は、上司の理解を得る必要があるので、患者と共にその上司が病院に行って事情を理解してもらい、勤務時間を調整してもらっているようです。

つまり、治療に時間はとられるようにはなりますが、仕事に関しても日常生活に関しても理解者がちゃんといれば普段と変わらず生活することができるということですね。

◇糖尿病性腎症で透析が必要な状態になってからの予後は?

糖尿病から糖尿病性腎症となり透析が必要な状態になってしまうと、予後は相当悪いものとなります。

実際に、人工透析が行われている患者の5年生存率は約50%となっていて、糖尿病性腎症から人工透析に移行すると5年以内に半数の人が亡くなっていることになります。

というのも、糖尿病性腎症になると高確率で心血管疾患になってしまい、心筋梗塞や心不全を起こして亡くなってしまうからです。

そのことからも、糖尿病性腎症で透析が必要な状態になった場合、余命は5年ぐらいと思ったほうがいいでしょう。

◇血圧低下が発生するとどうなるの?

透析中に血圧低下が発生すると透析継続ができない状態になってしまうことがあります。

というのも、透析中は血管内の血液から水分を除去するようになるので、いくらか血圧が低下してしまうことは避けられないのですが、血圧が下がりすぎてしまうとショック状態になってしまうことがあるので継続ができなくなるのです。

そのため、血圧が下がるリスクを減らす必要があるといえるでしょう。

◇透析にならないようにするための予防法はあるの?

根本的なものとなりますが、糖尿病が発症してしまったら透析になる前に治療を行って糖尿病を治すことが最善の予防法となります。

というのも、糖尿病発症後10年から15年を経過する頃にタンパク尿が出るとか、20~30年の長い期間をかけて腎不全になると言われているので、この糖尿病性腎症になるまでにはかなりの時間がかかるのです。

そのため、透析が必要になるほど悪化するまでには時間はありますので、発症してしまう前に血糖値を下げて糖尿病から解放されてください。

もし、糖尿病腎症になった場合は血糖値・血圧・脂質をコントロールするために運動療法・食事療法・薬物療法が行われることになりますが、進行すると腎不全になってしまい透析治療を開始する必要がでてしまいます。

◇ガイドラインはあるの?

糖尿病における透析のガイドラインは日本透析医学会が発表した、「血液透析患者の糖尿病治療ガイド2012」というものがあります。

そして、これには透析前後の血糖値管理についてや、足の触診の必要性も盛り込まれているので、糖尿病における透析治療が必要となった方の治療についても記載されるようになっているといえるでしょう。

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糖尿病とフットケアの関係

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糖尿病などで動脈硬化が進むと足に血行不良が発生して、しびれや痛みといった症状が発生します。

そして、この症状が悪化すると潰瘍ができて最悪、足を切断する必要性が出てくるのです。

さらに、透析まで必要になった糖尿病患者は血管壁・軟部組織・関節周囲などの石灰化が発生し、動脈硬化になる確率が上がってしまうので、高確率で足の病変が発生するようになってしまいます。

そのため、糖尿病患者で透析までに至った人はフットケアが必須となっているのです。

さらに、2016年4月より「透析患者さんの足を守るしくみ」が施行されることになり透析患者さんの足病重症化の予防が積極的に行われるようになっています。

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糖尿病性腎症で透析が必要な状態になると障害者手帳はどうなるの?

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糖尿病性腎症で透析が必要な状態になると障害者手帳が交付されるようになります。

というのも、人工透析を受けている患者は、申請すればほぼ自動的に「身体障害者1級」に認定されることになるからです。

そして、1級に認定されると健康保険による自己負担分の医療費がすべて無料となり、病院にかかった場合の医療費も無料となるので、必要な書類をそろえて、住民票のある市区町村に申請するようにしてください。

まとめ

以上、いかがだったでしょうか?

今回は、糖尿病の透析と余命や生活への影響について、様々な疑問について説明し、費用や治療の流れと予防法についてもご説明しました。

糖尿病の透析が必要な状況になってしまうと腎臓の機能が無くなってしまった状態になるので、治療を行いたい場合は腎臓移植を行うしかないということでしたね。

また、糖尿病性腎症になってしまった場合、病院に行くことが必須となるため、いくらかの拘束時間が発生しますが、日常生活は理解者がいる場合は通常通り行うことができるということでした。

そして、糖尿病で透析が必要な状況だと高確率で足の病変が発生するようになるのでフットケアが大切ということでしたね。

また、糖尿病性腎症で透析が必要な状態になると障害者手帳が交付されるようになるので、市区町村に申請するのが良いということでした。

最後に、糖尿病になってから糖尿病性腎症が発症するまではかなりの期間がかかるので、まずは糖尿病の初期段階でそれ以上悪化しないように迅速に治療を行って合併症を起こさないようにしてください。

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