糖尿病の病態生理と関連図のわかりやすいまとめ!分類や症状など

%e7%94%bb%e5%83%8f1糖尿病は生活習慣病の一つとなっていて、今では一般に知られている病気となっています。

しかし、この糖尿病の病態は非常に多岐にわたり、発症する原因や発症後の関連図も多数存在しています。

そのため、糖尿病の病態生理のうち、糖尿病の病態の分類や症状は何なのか、看護するうえでのポイント、病態とインスリンの関係などを知りたい人も多いと思います。

そこで今回は、糖尿病の病態生理と関連図についてわかりやすく、分類や症状などについてご紹介します。

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糖尿病の病態とわかりやすい関連図について

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まず、病態とは原因や発生の現象が起こる因果関係のことで、病態生理とは異常を起こしている原因が何なのか、身体の機能がどうなっているのかを現すものとなっています。

そして、糖尿病の具体的な病態とはインスリン自体の働きが悪くなって効き目が弱くなってしまうこと(インスリン抵抗性)や、膵臓の働きが悪くなってインスリンの分泌が低下してしまうこと(インスリン分泌不全)で、血糖値が上昇してしまうことにあるのです。

また、糖尿病を大きく分けると1型と2型が存在していますが、1型は体質やウイルス感染によってインスリン分泌不全になってしまうことで、2型は運動不足やカロリー過剰摂取などでインスリンの効きが悪くなってしまい、さらにインスリン分泌過剰によって膵臓の機能が衰えてインスリン分泌不全になるといったものです。

ただし、日本人の糖尿病の9割以上が2型に該当していて、内臓脂肪の増加や運動不足による肥満の方などが該当するケースが多いようですね。

そして、1型の場合の原因はシンプルなのですが、2型の場合は複合的な要因となっているためわかりにくいので、原因については以下の図をご覧ください。

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(健康情報サイトより抜粋:https://kanja.ds-pharma.jp/)

次に、患者の情報の関連を示した関連図についてですが、関連図には「病態関連図」と「全体関連図」の二つが存在しています。

まず、「病態関連図」というのは、患者の治療法や患っている病気によって出てくる症状や副作用、並びにそれらが起因となる障害について記載してあるものです。

そして、「全体関連図」とは生活習慣や家族背景、そして入院によって変わった点などを病態関連図に加えてまとめたものとなっていて、これは患者のすべての情報を載せたものとなっています。

また、これらの関連図は看護学校の授業の中でも必ず出てくるもので、実際に看護師の業務に関連するものともなっていると言えるでしょう。

というのも、糖尿病は様々な合併症や症状を起こす可能性があり、原因も多岐にわたっているので、それらすべての情報を記憶することはなかなか大変ですよね。

ましてや、一人の患者のみに付きっきりになるわけにもいかないので、これらの情報を視覚的に把握できるよう関連図として起こしておくことが一人一人の病態生理を把握するうえでも重要なのです。

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(ナースのヒントより抜粋: https://j-depo.com/news/post-1641.html)

実際、上記の画像(矢印は考えやすくなるための順番)を見ていただくとわかる通り、どのような症状があるのかをはっきりさせて治療法や副作用を確認し、それらの問題に対してどのようにアプローチするのかを検討することになるので、看護する方法を確認するうえでも大切になります。

また、文字にして箇条書きにし直すと

① 病名は何か

② 発症する原因は何だったのか

③ どのような症状が出るのか

④ その症状に対してどのような治療が行われるのか

⑤ その治療を行う際に副作用が出るのか、またどのような障害が発生するのか

⑥ その副作用や障害に対してどのような看護側の問題が発生するのか

といったものになりますので、糖尿病の場合の②~⑥について1つずつご説明いたしますね。

② 糖尿病の発症する原因

1型の糖尿病はインスリンを作る膵臓のβ細胞が自己免疫によって破壊されてしまうことが原因で発症しますが、なぜ自己免疫が破壊行動を行うのかは解明されていません。

2型の糖尿病は食べ過ぎ・過食・糖質の摂りすぎ・肥満・運動不足・飲みすぎ・ストレスの溜めすぎ等が原因で、インスリンの作用する力が不足したり、分泌が減ってしまうことで発症します。

③ 糖尿病の症状について

糖尿病は様々な合併症を引き起こすほかにも、様々な症状を引き起こすものとなっています。

具体的には、喉が渇く・太る・疲れやすくなる・だるくなる・骨がもろくなる・手足にしびれが生じる・急激に痩せる・尿の回数と量が多くなる・足がむくむ・立ちくらみがする・食後に異常に眠くなる・足がつる、など非常にたくさん存在しています。

④ 糖尿病の治療について

糖尿病の治療は食事療法・運動療法・薬物療法の3つが並行して行われることが多くなっています。

まず、食事療法では摂取カロリーをだいたい1600kcal以下にして、糖質や栄養の摂取量を制限しながら行うことになるでしょう。

次に、運動療法はインスリンの働きを活発にするためにも必須なもので、1日30分~1時間の軽めなウォーキングのように毎日続けられるものを行い、ある程度慣れてきたら負荷を増やすかたちになっているようです。

最後に、薬物療法は食事療法や運動療法では改善しない重度の糖尿病や、かなりの高血糖の場合に行われるもので、食後の血糖値の上昇を抑える薬やインスリンの効きを改善する薬を処方されることになります。

⑤ 糖尿病治療における副作用と障害について

薬物治療を行う際に必ずついてまわるのが副作用で、インスリンの効きを改善する薬では低血糖や体重増加といったものが生じる可能性があり、インスリンの分泌を促す薬でも同様の副作用が生じる可能性があります。

また、それ以外にもブドウ糖の再吸収を抑制する薬では頻尿・多尿・低血糖といった副作用が生じ、糖の吸収を遅らせる薬では下痢・おならの増加・お腹の張りといった症状が出てくることがあるようです。

そして、一番の障害が起こるのが食事療法で、食生活を大幅に変更する必要がある人も多く、精神的に耐えられなくて挫折してしまうことが多いのが最大の悩みとなっています。

⑥ 糖尿病に対する看護側の問題について

薬における副作用については薬の特性および副作用について医師からしっかり説明を行うことで対応するのが基本ですが、食事療法における挫折への懸念については100%解決する方法というものは存在せず、医師や看護師をいまだ悩ませる問題となっています。

そのため、看護側でも入院されない患者については?食事・運動・薬物療法の個々にあった指導を行い、糖尿病の疾患や治療に対して患者に理解をしてもらい自己管理を徹底してもらうことを促しているようですが、患者一人では難しい面もあるので家族に協力してもらうこともしばしばあります。

しかし、病院によっては糖尿病患者は糖質をコントロールできなくなるため間食を絶対にしてはいけないと言っているところもあるのですが、それでも陰に隠れて我慢しきれず食べてしまっている人が大量にいる状態が続いているので、正論だけでは対処しきれない状態が続いているようです。

そして、あまりに食事を制限しすぎると、患者が治療を受けることを完全に放棄して「好きに生きて好きに死ぬ」といった極端な状態になってしまうこともあるので、甘いものを制限しすぎないようにするため、間食ではなく糖質を吸収しにくい食後などに、カロリーオーバーしないように計算した状態なら少量ならOKを出すといった工夫も必要でしょう。

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糖尿病の病態とインスリンの関係について

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糖尿病の原因はインスリンの不足や機能低下にあると説明しましたが、インスリンの機能には、体内に取り込まれた血糖を取り込んでエネルギーにする・蓄える・タンパク質の合成及び細胞の増殖を促すといったものがあります。

つまり、簡潔に記載すると

・人体におけるほぼ全ての細胞にブドウ糖を取り込ませる

・筋肉と肝臓でブドウ糖からグリコーゲンという貯蔵糖が合成されるのを促す

・筋肉と肝臓にあるグリコーゲンの分解を抑える

・タンパク質の合成や脂肪の分解を抑える

と、このようなものとなっており、人間が活動するためのエネルギーを作ってくれたり、貯蔵する役割があることがわかります。

しかし、インスリンが足りなくなってしまったり、インスリンの効き目が低下してしまうとこれらの作用が弱まってしまうので、体内に糖質が蓄積されなくなってしまって常にだるい状態が続くようになったり、どうにかして血の中にある糖質を薄めようとするために水分を身体が求めるようになって喉が渇くようになってしまうのです。

まとめ

以上、いかがだったでしょうか?

今回は、糖尿病の病態生理と関連図についてわかりやすく、分類や症状などについてご紹介いたしました。

糖尿病などの病気において大切なことは、関連図をうまく理解して病態や症状を把握し、治療方法や副作用などを理解したうえで問題をクリアしていくということでしたね。

また、インスリンは血糖値をコントロールする上で非常に大事な役割を果たしていますが、それが不足したり機能不全に陥ることで生じる糖尿病の病態についてご説明いたしました。

最後に、たくさんの複合的な要因が絡まってできている病気は、原因を解明して治療するのも大変ではありますが、原因不明のもの以外は必ず見つけることができるので、関連図をしっかり理解して治療や看護に役立てるようにしましょう。

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