微熱が続く時の原因と病気!咳や体がだるい時や女性の場合も

微熱が続くという状態の時、多くの人は風邪が原因だと思うのではないでしょうか。

しかし、微熱が続く病気は実のところ多数存在しており、例えば咳や鼻水も出ているから風邪だ、とは正確には言い切れない場合もあります。

実際に、微熱に加えて咳や痰が出る、頭痛がするといった場合には風邪以外の病気のこともあるようです。

また、微熱が続く原因は病気以外にもあり、特に女性は妊娠の初期症状をはじめとした気をつけるべき微熱があるのをご存知ですか?

そこで今回は、微熱が続く時の原因と、その考えられる病気を、「体がだるい」「咳が出る」などの微熱+αの症状に注目してご紹介するとともに、女性が気をつけたい微熱が続く時の体のサインについてもご紹介します。

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発熱が起こるのはどんな時?

■微熱は何度から何度まで?

いつもより体温が高い=発熱ということになりますが、同じ37度でも平熱が35度の人と平熱が36度の人では辛さが違いますよね。

さて、皆さんは微熱とは何℃くらいのことを指すのかをはっきり答えることができますか?

実は、医学的には微熱とはおよそ37~38度を指し、38度以上からは高熱というように決められています。

ですが、先ほど触れたように平熱には個人差があり、37度未満でも熱っぽい、体がだるいといった状態になる人もいます。

そのため、自分の平熱を確認しておき、そこから1度以上の上昇があった時には体の状態に注意しておいたほうが良さそうです。

■発熱する原因はひとつではない

発熱した場合は、風邪などの何らかの病気にかかったと考える方が多いと思いますが、発熱の原因はひとつではありません。

主に、発熱の原因には次のようなものがあります。

1:感染症などによる発熱

体に細菌やウイルスなどが侵入した場合、免疫機構が働いてそれを排除しようとするのですが、その中に体温を上げるという機能があります。

というのも、発熱して体温を上昇させたほうが病原体の増殖が抑えられたり、白血球の能力が上がったりと、体が病原体と戦うには有利なことが多いからです。

そして、発熱を引き起こす病気は非常に多く存在しますので、発熱以外の症状にも注目することが大切です。

2:心因性の発熱

何か大きなストレスに直面した場合や、慢性的にストレスが続いている場合には発熱が起こることがあります。

なお、微熱が続くといった場合には後者の慢性的なストレス(仕事や介護など、毎日のように直面するストレス)が原因であることが多いようです。

3:体質や生理周期(ホルモンバランス)によるもの

女性はホルモンの働きによって排卵から月経までの約2週間程度の間は基礎体温が上昇する「高温期」が訪れます(ただし、何らかの疾患などによって高温期がない場合もあります)。

また、人によってはこの高温期に平熱が37度程度まで上昇してしまったり、月経前~月経終了までに発熱してしまったりすることもあるようです。

4:薬の副作用

抗生物質や副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)など、薬の中には副作用に微熱が出るものがあります。

もし、何らかの処方薬を飲んでいるという場合や、市販薬を飲んで微熱が出たという場合には、薬の情報がわかるもの(説明書や薬のパッケージなど)を持って医師の診察を受けるようにしましょう。

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微熱が続く時に気をつけたい病気とは?

■微熱+αの症状に注目しよう

1:微熱+のどが痛い

微熱が続き、その他に喉が痛いという症状がある場合、主に疑われるのは次の病気です。

・風邪

鼻やのどを中心に起こる急性の感染症で、その原因はほとんどがウイルスによるものです。

また、微熱の他にも頭痛や体のだるさなどを感じることがありますが、38度を超える高熱がいきなり出た場合や、関節痛などがある場合にはインフルエンザの可能性が高くなります。

・急性咽頭炎

咽頭とは口や鼻と食道の間の部分で、口蓋垂(こうがいすい=のどちんこ)や口蓋扁桃(こうがいへんとう=一般的に扁桃腺と呼ばれる部分)、咽頭扁桃なども含みます。

そして、急性咽頭炎とはこれらの部分に炎症が起こっている状態を指すのですが、口蓋扁桃に炎症が起こっている場合には扁桃炎と呼ばれています。

なお、風邪と違い、全身のだるさや喉の痛み、頭痛などを伴いますが、鼻の症状(鼻水など)がないことが特徴です。

2:微熱+咳が出る

微熱に加えて咳の症状が目立つという場合、次のような病気が考えられます。

・肺結核

肺が結核菌という細菌に感染することによって起こる病気で、咳やたん、微熱の症状が2週間以上に渡って続きます。

なお、結核菌は非常に強い感染力を持ち、せきやくしゃみ、唾液から空気感染が起こります。

そのため、専用の設備が設けられた結核専用の病棟がある病院での入院治療が義務付けられています。

・肺炎

マイコプラズマやクラミジア・ニューモニア、肺炎球菌などの細菌が肺に感染することによって起こる病気で、発熱とともに咳やたん、息苦しさや胸の痛みなどの症状が見られます。

また、重症化すると呼吸困難で危険な状態になることもあり、注意が必要です。

3:微熱+体がだるい

微熱が続くとともに体のだるさを覚える場合には、熱そのものによって体のだるさを感じている場合や、先ほどご紹介した風邪や急性咽頭炎の可能性もありますが、ここではそれ以外の見逃しやすい病気をご紹介します。

・慢性疲労症候群

原因不明の強い疲労感や筋力の低下、微熱や喉の痛み、さらには睡眠障害や精神障害などの症状が半年以上に渡って現れる病気で、時には日常生活に影響が出ることもあります。

しかし、原因がわかっていないため、根本的な治療法は確立されておらず、漢方薬やビタミン剤などで体の状態を整える他、抗うつ剤や睡眠薬、認知行動療法などの精神科の領域の治療が状況に応じて実施されます。

なお、慢性疲労症候群の患者は女性が多いとされていますが、この病気自体の認知度が低く、正しい診断や治療を受けることができていない人もかなりの数で存在するのではないかと考えられているようです。

・更年期障害

加齢などによって女性ホルモンや男性ホルモンが減少することに伴って、微熱や突然のほてりや発汗(ホットフラッシュ)、睡眠障害などのさまざまな症状が現れる病気です。

なお、更年期障害というと閉経に伴って中年以降の女性がかかるものと思われがちですが、男性も加齢やストレスが原因となって男性ホルモンが減少すると更年期障害にあたるLOH症候群が起きます。

4:微熱+腹痛

微熱とともに腹痛が起こっている場合には、いわゆる夏風邪と呼ばれるウイルス感染症の他にも、以下のような病気の可能性が考えられます。

・虫垂炎(盲腸)

右の下腹部にある盲腸から出ている虫垂という器官の中で細菌が繁殖し、炎症を起こす病気です。

また、炎症が悪化した場合には虫垂が壊死して内容物が体内に流れ出し、腹膜炎に移行することもあります。

そして、この病気で特徴的なのは、腹痛の場所が時間とともにみぞおちの辺りから右の下腹部へ移動していくことです。

・尿路結石

尿の通り道にリン酸カルシウムやシュウ酸カルシウムなどが石のように固まったもの(結石)が詰まり、排尿障害などを引き起こす病気で、腰周辺や脇腹、背中などに激痛を伴います。

また、結石がある場所の周辺は組織が炎症を起こすため、微熱や血尿などの症状が見られることもあります。

・腎がん

腎臓にがんが発生する病気で、早期の段階では症状はあまりなく、血尿や脇腹に痛みが出ることがある程度です。

そして、進行に伴って発熱や食欲不振、体重減少といった症状が現れます。

■慢性の炎症は微熱が続くことも

急性の炎症であれば高熱が出たり、熱が出ないような病気でも、繰り返すことで慢性化すると微熱が続くといった状態になることがあります。

そして、よく見られる慢性の炎症を伴う病気には次のようなものがあります。

・慢性膀胱炎

膀胱炎は膀胱に細菌が侵入して炎症を起こす病気ですが、人によっては何度も繰り返しかかってしまい、慢性化することがあります。

なお、急性の膀胱炎と同様に頻尿や排尿時の痛み、尿の濁りの他、微熱や尿が溜まった時に膀胱に痛みが出るといった症状が見られます。

・慢性腎盂腎炎

膀胱の炎症が腎盂という腎臓の尿を貯める部分に及ぶと腎盂腎炎という病気になり、急性の場合には悪寒や高熱、背中や腰にかけての痛みや吐き気、嘔吐などの激しい症状が見られます。

一方で、尿路に病気があったり、糖尿病などで免疫力が低下している人がかかりやすい慢性の腎盂腎炎では微熱程度の発熱で、痛みなどの症状もそれほど強くなく、症状を自覚していない場合もあります。

しかし、炎症によって腎臓が深刻なダメージを受けて腎機能が低下することがあるので、注意が必要です。

・慢性副鼻腔炎

副鼻腔炎は風邪などをきっかけにして鼻の穴の奥に広がっている副鼻腔という空洞に炎症が起き、膿が溜まってしまう病気で、蓄膿症とも呼ばれています。

そして、顔面の痛みや頭痛、微熱、集中力の低下、ひどい鼻づまりなどの症状が見られます。

・慢性扁桃炎

扁桃腺炎を繰り返すうちに慢性化し、微熱や軽い喉の痛み、体のだるさなどの症状が現れるのが慢性扁桃炎です。

なお、慢性扁桃炎が原因となって皮膚や腎臓、関節など他の部分へ病気を引き起こす病巣感染があり、そのような場合には扁桃腺(口蓋扁桃)を手術で摘出する治療が行われます。

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病院へ行くタイミングはいつ?

■発熱が3日以上続いたら要注意

微熱が続いていても、寝込んだりするほどではないからと仕事や家事を続けてしまう人もいるかもしれませんが、3日以上微熱が続いている時には注意が必要です。

というのも、風邪の発熱はおよそ3日程度で治まってしまいますので、それ以上発熱が続いているというのは他の病気や風邪の悪化などが考えられるからです。

ですので、あまり長い間微熱が続くようでしたら、微熱程度で病院に行くなんて…とは考えずに、医師の診察を受けるようにしてください。

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女性の微熱で気をつけることは?

■妊娠の初期症状を見分けよう

微熱が続く時、女性は妊娠などの女性特有の事情についても意識しておくべきでしょう。

というのも、微熱が続くというのは妊娠初期の症状の中でも多く見られるもので、風邪をひいたと思っていたら妊娠だったという女性も少なくないからです。

また、妊娠の初期症状はPMSとして知られる月経前の症状ともよく似ているため、余計が判断が難しくなっています。

ですので、女性は毎月の生理周期をきちんと把握し、極端に周期からずれているなどの普段と違うことがあれば検査薬でチェックしたり、医師に相談したりするようにしましょう。

■ホルモンバランスや子宮の病気に気をつけよう

先ほど更年期障害のところでご説明したように、女性は月経に関連したホルモンバランスの変動によって微熱が続いてしまうことが多いのですが、中には子宮の病気などが隠れていることがあるので注意が必要です。

そして、微熱を伴う子宮の病気で代表的なものと言えば、激しい月経痛や経血量の増加などの症状が現れる子宮内膜症や子宮筋腫が挙げられます。

もし、毎月の月経に伴って発熱があったり、それ以外の時にも下腹部痛などがあったりする場合や、おりものの色やにおいに異常を感じた場合には、婦人科医の診察を受けるようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか。

微熱が続く原因としては、病気によるものだけではなく、ストレスやホルモンバランスの乱れや薬の副作用などの他の原因もあるようです。

なお、微熱が続く病気は非常に多く存在しますが、微熱の他にはどのような症状があるのかということに注目すると、自分の体がどのような状態なのかを探る手がかりになります。

しかし、決して自分はこういう病気だと決めつけたりせず、微熱が長い間続いている場合や、市販薬をしばらく飲んでも改善しない場合などは、医療機関を受診して医師の診断を受けるようにしましょう。

また、女性は妊娠や月経などに関連して微熱が続くことがありますが、思わぬ病気が隠れていることもあります。

ですので、毎月自分の月経周期を記録しておくなど、普段と違うという状態に気づくことができるようにしておくといいかもしれませんね。

ぜひ、今回の記事を参考に、微熱の原因を探してみてくださいね。

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