ロタウイルスのワクチン予防接種の必要性と値段!効果の期間も!
ロタウイルスは乳幼児を中心に激しい下痢や嘔吐といった症状を伴う胃腸炎の原因となり、毎年多くの子供が苦しんでいます。
そんな中、2011年からロタウイルスのワクチン予防接種を授乳期の子供に行うことによって感染予防ができるようになりましたが、接種率はまだあまり高いとは言えません。
おそらく、ロタウイルスワクチンの予防接種の効果がどれほどの期間続くのかということや、副作用や値段といった点に不安があるからではないでしょうか。
ですので、今回はロタウイルスワクチンの予防接種の必要性の他、効果や値段などのよくある疑問についてご説明します。
目次
ロタウイルスのワクチン予防接種はなぜ必要なの?
ロタウイルスのワクチン予防接種が必要な理由については、以下の3つの点が挙げられます。
1:ロタウイルス感染症は重症化しやすい
2:命に関わる合併症が起こることがある
3:感染力が非常に強い
それでは、それぞれの理由についてを詳しく説明していきましょう。
1:ロタウイルス感染症は重症化しやすい
ロタウイルス感染症は主に0~6歳くらいまでの子供に多く、下痢や嘔吐が主な症状の病気ですが、乳幼児は激しい症状が出ることが多く、特に乳幼児が生まれて初めて感染した時にはいっそう症状が重くなってしまいます。
そして、激しい下痢などから脱水症状を起こし、入院して点滴治療が必要になるケースも珍しくありません。
ちなみに、5歳までの急性胃腸炎での入院患者のうち、およそ半数程度はロタウイルスが原因だと言われており、海外の途上国では死者も出ています。
したがって、入院が必要になるような事態を避けるために、予防接種が必要とされているのです。
なお、ロタウイルスワクチンの接種により、入院する患者の数はおよそ9割程度減らせると言われています。
2:命に関わる合併症が起こることがある
ロタウイルスで恐ろしいのは下痢や嘔吐による脱水症状だけではなく、命に関わったり、後遺症が残るような合併症が出るということです。
なお、主な合併症はけいれん、脳炎や脳症、髄膜炎などの脳をはじめとした中枢神経に影響するもので、脳炎や脳症にかかった場合には4割弱ほどの患者にマヒなどの後遺症が残ると言われています。
そして、ロタウイルスワクチンの予防接種を行うことで、このような重い合併症を起こしてしまうリスクを減らすことができます。
3:感染力が非常に強い
ロタウイルスは感染力が非常に強く、わずか10個程度のウイルスが体内に入っただけでも感染が起こります。
ですので、保育園や幼稚園などの、子供たちが集団生活をしている場で誰かが感染してしまうと、そのウイルスを完全に遠ざけるというのは非常に難しいことです。
そのため、ロタウイルス感染症は5歳までにはほぼ全ての子供が感染するとさえ言われており、感染せずに済む確率は低いと言わざるを得ません。
そこで、あらかじめロタウイルスワクチンで免疫を作っておくことが、感染しても症状を軽く済ませるために重要なのです。
ロタウイルスのワクチン予防接種はどうやって行うの?
ロタウイルスのワクチンにはロタリックスとロタテックの2種類があり、どちらも注射ではなくチューブに入ったシロップ状のワクチンを口に入れて飲むという形を取っています。
そして、ロタリックスは4週間以上の間隔をおいて2回、ロタテックは4週間以上の間隔をおいて3回に分けて接種します。
なお、2つの薬の違いは接種する回数の他、対応しているロタウイルスの種類の数で、ロタリックスは1種類、ロタテックは5種類となっていますが、ロタリックスでも接種した他の種類のロタウイルスに対する免疫を得ることができるようになっています。
ロタウイルスのワクチン予防接種の値段はどのくらい?
ロタウイルスワクチンの値段は地域や病院によって異なりますが、ロタリックスとロタテックどちらの場合も全部で3万円前後かかるようです。
なお、ロタウイルスのワクチン予防接種は任意接種となっていますので、基本的にはこの額を自費で払うことになりますが、自治体によっては助成金が出ていることがあり、その場合には負担が少々軽くなります。
ですので、お住まいの自治体がロタウイルスのワクチン予防接種に助成金制度を設けているか、事前に調べておくといいでしょう。
ロタウイルスのワクチン予防接種はどのくらい効果が続くの?
ロタウイルスのワクチンは接種後4週間程度が経過してから効果が現れ始め、効果は少なくとも3年間は持続するということが確認されています。
しかし、ロタウイルスに全く感染しなくなるというものではなく、感染しても重症化しにくくなるというものであることや、全ての人に対して効果が出るというものでもないということを覚えておきましょう。
なお、ロタウイルスのワクチンはロタウイルスに対してしか予防効果を発揮しませんので、ノロウイルスやアデノウィルスといった他のウイルスが原因となる胃腸炎は防ぐことができません。
ロタウイルスのワクチン予防接種に副作用はないの?
ロタウイルスのワクチン予防接種による副作用はいくつか報告があり、中でも注意が必要となるのは腸重積です。
なお、腸重積とは2歳くらいまでの子供によく見られる病気で、腸が腸の中へともぐり込んでいき、最終的には腸が壊死してしまいます。
そして、発見が遅くなった場合には手術が必要になることもありますので、ロタウイルスのワクチン接種後には血便や嘔吐などの症状が出ていないか、よく観察することが大切です。
その他の副作用には、ぐずる、下痢や嘔吐、咳や鼻水や発熱などがありますが、全ての副作用は予防接種を受けた中の1割未満しか報告がありません。
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ロタウイルスのワクチン予防接種での注意点は?
さて、ロタウイルスのワクチン予防接種の必要性や値段などをご紹介してきましたが、最後に予防接種が可能な期間や予防接種の時の授乳についてなど、いくつか注意しておきたい点をご紹介します。
1:接種できる時期や条件に注意
ロタウイルスのワクチンは、接種できる月齢が決まっていて、それを過ぎれば接種できなくなってしまいますので、他の予防接種と合わせてスケジュールを前もって決めておいたりすることが大切です。
なお、ロタウイルスのワクチン2種類のうち、ロタリックスは生後6週から24週まで、ロタテックは生後6週から32週までと決められています。
なぜかというと、これ以降の月齢においての接種では、先程ご説明した腸重積という副作用の発生するリスクが高まるという海外でのデータがあるからです。
そのため、日本では接種できる月齢を厳しく定めている他、過去に腸重積を起こしたことがあったり、消化器などに基礎疾患のある子供はロタウイルスのワクチンを接種できません。
また、ロタウイルスワクチンは本物のウイルスの毒性を弱めた「生ワクチン」というもので、これを接種した後は免疫をつけるために1ヶ月ほど他の予防接種ができなくなります。
ですので、他の予防接種のスケジュールと合わせて、同時に複数のワクチンの接種をしてしまうなどの対策が必要です。
2:授乳する時にはここに注意!
ロタウイルスのワクチン予防接種において、授乳は特に制限されていませんが、接種する直前30分前の授乳だけは控えるように言われています。
なぜならば、ゲップによって接種したワクチンを吐き出してしまうことがあるので、それを避けるためです。
なお、ロタリックスはワクチンを嘔吐してしまっても再度投与することができますが、ロタテックは嘔吐した場合に再度投与することはできません。
ですので、決して安くはない予防接種の料金が無駄になってしまわないよう、病院などで配られるパンフレットなどにしっかり目を通して注意事項を守るようにしたいですね。
まとめ
いかがでしたか。
ロタウイルスのワクチン予防接種の日本における接種率は2013年時点でまだ5割弱ですが、入院や重い合併症などを避けるためにも予防接種は必要であると言えます。
また、接種する際には2種類のうちどちらのワクチンを使うのか、他の予防接種とのスケジュールはどうやって調整するのかなどを、かかりつけ医としっかり相談して決めておきたいものですね。
そして、ワクチンの予防接種をしたからといってロタウイルスに一切感染しなくなるのかというと、決してそのようなことはありません。
ですので、ワクチン以外の予防法を併用しながら、できる限りロタウイルスに感染しないように気をつけるようにしてくださいね。
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