アナフィラキシーショックの初期症状と応急処置!後遺症は?

薬物や食べ物などに対するアレルギー反応の一種で、最も深刻なものをアナフィラキシーショックといいます。

なので、アナフィラキシーショックとは何か、その原因で薬や食べ物のアレルギーなどや、蕁麻疹などの初期症状、応急処置としてエピペン注射や救急車は呼んだ方が良いのかといったことについて知りたいのではないでしょうか。

それから、アナフィラキシーショックの治療や後遺症も気になりますよね。

そこで今回は、アナフィラキシーショックの初期症状と応急処置、また、後遺症などについても詳しくお伝えしていきます。

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アナフィラキシーショックとは?初期症状や応急処置など

アナフィラキシーショックとは、発症後極めて短い時間のうちに全身性のアレルギーが起こる反応のことで、複数の臓器(皮膚、粘膜、呼吸器、消化器、循環器)などに蕁麻疹が現れ、このアナフィラキシーショックによって血圧の低下や意識障害を起こし、場合によっては非常に危険な状態に陥ることもあります。

そして、原因はアレルゲンとなる食べ物や薬物の摂取によるもので、厚生労働省の集計によると、近年での日本におけるアナフィラキシーショックによる死亡人数は年間で平均70名ほどにのぼり、アナフィラキシーショック自体は生涯において0.05~2%の確率で生じ、死に至る可能性は0.65~2%であるという報告があるそうです。

それから、アナフィラキシーの特徴としては、短時間で症状が現れることがありますが、アレルゲンによって若干異なります。

というのも、薬物(ペニシリンなどの抗生物質、アスピリンなどの解熱鎮痛剤など)や蜂毒(スズメバチ、アシナガバチなど)は直接体内に入るため早く症状が出る傾向があります。

一方、食べ物(鶏卵、牛乳、小麦、蕎麦、ピーナッツなどの特定の食べ物)の場合は胃や腸で消化されて吸収されるまでにも時間を要するので、症状が出るまでの時間は薬物や蜂毒よりも時間がかかることがあります。

例えば、アナフィラキシーショックが原因で心停止に至った例で、平均時間は薬物で5分、蜂毒で15分、食べ物では30分と言われます。

それから、アナフィラキシーショックの原因にはこれら以外にも色々あり、ラテックス(天然ゴム)や運動、クラゲなどの海洋生物による刺傷、ハムスター、蛇、ダニ、蟻などによる咬(かみ)傷、物理的刺激によるアナフィラキシーショックの報告もあるそうです。

そして、アナフィラキシーショックの症状で最も多いのは蕁麻疹、赤み、かゆみなどの皮膚症状で、次にくしゃみ、咳、喘鳴(ぜいめい)、息苦しさといった呼吸器の症状、目の痒みやむくみ、唇の腫れなどの粘膜の症状が多いそうです。

さらに、血圧低下などの循環器の症状も含めて、複数の臓器にわたり全身性に急速に現れるのがアナフィラキシーショックで、急激な血圧低下で意識を失うショック症状も1割程度見られ、これはとても危険な状態です。

ちなみに、こうしたアナフィラキシーショックが起こる機序としては、ある物質に対してアナフィラキシーショック反応を起こす人はその物質に対するIgE抗体を持っていて、これらの抗体は末梢血液中の好塩基球や組織に存在するマスト細胞の表面に結合しています。

そこに原因物質が入ってくると、これらの細胞表面が活性化されて、ヒスタミン、ロイコトリエン、ブラジキニンなどのケミカルメディエーターが一気に放出され、これらメディエーターの作用により、蕁麻疹や血圧低下、気管支収縮、腹痛、下痢などの全身症状が現れるという仕組みなんですね。

アナフィラキシーショックの応急処置は?

日頃からしっかり対策をしていても、誤食などによって、元々食物アレルギーがあった方などはアナフィラキシーショックが起こることがあります。

なので、もしものときに落ち着いて素早く対処ができるように、正しい知識を備えておきましょう。

そして、アナフィラキシーショックの治療法は症状によって異なり、軽い皮膚や粘膜の症状には抗ヒスタミン薬、呼吸器症状には気管支拡張薬、症状が重くなってくると経口副腎皮質ステロイド薬などの内服薬が用いられます。

それから、ショック症状(ぐったりしている、意識障害、失禁など)やのどの強い症状、呼吸器系の強い症状が現れた場合には、速やかにアドレナリン自己注射薬を用います。

ちなみに、このアドレナリン自己注射薬のことをエピペンといって、患者が自分自身で症状の進行を一時的に緩和させ、ショックを防ぐための薬で、専門の医師の診断を受ければ現在では健康保険による一部負担で処方を受けることができるようになっています。

そして、太もも前外側の筋肉に注射する方法なのですが、あくまで応急処置に過ぎず、緊急時に使用するものなので、日頃から正しい使用法をしっかり理解して、正しく心構えをしておくようにしましょう。

それから、原因となった食べ物や毒針はすぐに取り除き、口の中に残っていれば水でよくゆすいで、急に動かしたりはせず、安静な体位をとって仰向けになって寝かせ、足を高くして楽な姿勢になり、嘔吐があった場合は顔を横に向けて吐いたものを喉に詰まらせないようにします。

いったん、アナフィラキシーショックの症状が治まっても時間をおいてまた2回目の発作が現れることもあるので、しばらく様子を注意深く見守り、落ち着いたらすぐに病院を受診するようにしましょう。

また、意識消失をしており、外部の声かけにも反応をしないようだったら、すぐに救急車を呼んで病院へ搬送するようにしてください。

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アナフィラキシーショックに後遺症の心配はある?治療など

アレルギーによって発症したアナフィラキシーショックは早期に対処すれば重症化したり後遺症として残ることはないのですが、緊急搬送が遅れるなどといった事態に陥った場合は、後遺症が残ってしまうこともあります。

例えば、アナフィラキシーショックで呼吸困難になり、脳に酸素が行き渡らず麻痺が残り、最悪の場合死に至ることもありますし、全身のむくみの場合はそのむくみがそのまま残ることもあります。

こういった場合は入院の必要があったり、通院による治療や、各症状ごとに投薬治療を行って、少しでも後遺症を少なくしていくといった方法を行うことになります。

このように、アナフィラキシーショックでは早期の対処が正常な状態への回復のためにとても重要なので、日頃からアレルゲン物質を避けるようにすることはもちろん、一度でも発症したことがある方はエピペンを常備し、万一の時に対処できるようにしておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、アナフィラキシーショックの初期症状と応急処置の仕方、また、後遺症などについても詳しくお伝えしました。

薬物や食べ物、蜂毒などが原因になって起こるアナフィラキシーショックは、ケミカルメディエーターが一気に放出されることで、皮膚症状に呼吸器症状、血圧の急激な低下などが同時に起こる症状のことで、発症率は生涯において0.05~2%であり、一度発生すると時間をおいて2回目が起こることが多いのでしたね。

そして、蕁麻疹や呼吸困難、ひどい場合だと意識消失や失禁状態になることがあるので、早期に対処し、安静にしてから嘔吐を防ぎ、エピペンを注射して、落ち着いてから救急車で病院に搬送すると良いのでした。

こうした対処が遅れると、最悪の場合命を落としたり、全身のむくみなどの後遺症が残ることがあり、場合によっては入院したり、投薬を続けて後遺症の治療をすることもあるため、万一のために緊急対応できるようにしておき、日頃から気をつけるようにしておきましょう!

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