遅延性意識障害の原因や回復の見込みと治療の仕方!寿命や余命も

交通事故などのショックで意識障害を起こすことを遅延性意識障害というのですが、具体的にどのような症状のことを言うのか分からないですよね。

なので、遅延性意識障害とは何か、その原因やコミュニケーションは可能な状態なのか、余命や寿命との関係、死亡するリスク、回復の見込みについて知りたいのではないでしょうか。

それから、遅延性意識障害の治療でリハビリなども気になりますよね。

そこで今回は、遅延性意識障害の原因や回復の見込みと治療の仕方、また、寿命や余命などについても詳しくお伝えしていきます。

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遅延性意識障害とは?原因や回復の見込みと寿命や余命についても

遅延性意識障害とは、交通事故の怪我がもとで起こり、意識不明の状態で長時間の昏睡状態になると言われていて、自分の意志で活動できないことから植物状態と呼ばれています。

具体的には、

・ 自分で移動することができない

・ 自力で食べ物や飲み物を摂ることができない

・ 排泄(尿と便)をコントロールできず失禁状態にある

・ 意思疎通ができない(ただし、「口を開けてください」「手を握ってください」というような簡単な命令に反応することはある)

・ 声を出すことはできても、意味のあることが伝えられない

・ 目でものの動きを追うことはできるが、それが何であるか確認することができない

といった状態になり、このような状態が3ヶ月以上続いていることを遅延性障害と定義づけていて、コミュニケーションは難しく、回復の見込みが難しいとされるものが多いです。

ちなみに、遅延性意識障害のおよそ半分以上が交通事故によるものとされていて、交通事故の場合、頭部外傷(脳挫傷・びまん性軸索損傷など)によるものがほとんどだそうです。

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遅延性意識障害の治療の仕方は?

遅延性意識障害の治療は、積極的に治療するというよりも現状維持を目的としているところが多く、次のようなことを行うそうです。

・ 肺合併症の予防

意識障害があると、痰や唾液を誤嚥しやすく、誤嚥性肺炎になりやすいと言われているので、痰が発生した場合には吸入や吸引、タッピングによって口腔内から痰を排除しなければならないそうです。

また、経口摂取の訓練をすることで口腔内の衛生維持につながりますし、腹式呼吸なども行うことがあるそうです。

・ 床ずれの予防

自身で体を動かすことができないので、2時間ごとの体位変換が必要となり、これは皮膚潰瘍を予防するためとされています。

また、内臓機能を正常に保つことや循環障害、肺炎の予防などにも効果があるため非常に重要だそうです。

・ 関節拘縮の予防

関節が固まり、動かなくなることを関節拘縮(こうしゅく)と呼ぶのですが、これは時間の経過と共に増強するので、早期からの予防が必要で、具体的には遅延制意識障害などにより体を動かせない状態になったとき、積極的に動かしていない部分を他者が動かすようにするそうです。

リハビリは?

遅延性意識障害の治療は上記でお伝えしたような現状維持がメインになるのですが、次のように回復力のあるリハビリを行うことで症状の脱却に成功したという方もいるそうです。

1、 運動機能が低下してしまった方に対して行われる治療法

理学療法を取り入れ、運動や温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行う方法で、一人でトイレに行ったり着替えをすることや食事をとったり外出することもままならない遅延性意識障害の患者が寝返りをうつ、起き上がる、座るといった基本的な動作ができるようになることを目指すリハビリになります。

2、 作業療法

作業療法では、作業や手工芸を通じて、生活のために必要な動作や社会適応能力の回復を目指す治療法で、遊びやゲーム、音楽活動などを体験して、人の生活全般に関わる諸活動を少しずつ行えるようにするリハビリだそうです。

3、 言語聴覚療法

言語聴覚療法とは、話す、聞くなどの機能に障害を持つ患者に対して全般的に行われている治療法で、言語聴覚士が治療することで発音や発生の機能の獲得や、言語を司る脳の機能の獲得を目指したリハビリを行い、誤嚥障害なども改善することができるそうです。

こうしたリハビリは、実際に遅延性障害を脱却したと判定された方が全体の26%にものぼり、非常に注目された事例だそうです。

そもそも、遅延性意識障害のように植物状態になると、人間の余命は非常に短く、死亡する確率も高いとされており、平均的にいって寿命は10年ほどなのだそうですが、こうして前向きなリハビリを行うことで、回復することも可能なんですね。

なので万一、家族などが遅延性意識障害を患っており、悩んでいるようだったら、諦めずに前向きに取り組むことをオススメします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、遅延性意識障害の原因や回復の見込みと治療の仕方、また、寿命や余命などについても詳しくお伝えしました。

遅延性意識障害は、ほぼ交通事故が原因となって起こるとされていて、意思疎通やコミュニケーション、自身で判断して動くことなどが難しく、寿命は10年とされているのでしたね。

なので、積極的治療よりも現状維持の方が多くなり、床ずれの防止や誤嚥の予防などがメインになるのですが、少しでも意識のある方に対しては、前向きなリハビリを行うことで回復率も伸びて、実際に脱却したと判定された方も多くいるので、家族などでこうした症状を患い、悩んでいる方は諦めずに専門の療法士がいる病院で前向きなリハビリに取り組むようにしてくださいね。

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