舌が白い時の原因と病気や治す方法!風邪や胃腸との関係も

ふと鏡で口の中を見たら、舌が白いし、なんだか口が臭い気がするといった経験はありませんか?

また、舌が白い時は風邪をひいている時や、口内炎がある時、胃腸の調子が悪い時など、体調を崩している時だという人もいるかもしれません。

たいてい、舌が白い状態は体調が回復すれば治るものですが、治らないという場合や痛い場合、口内炎がある場合などには、何らかの病気が隠れていることがあるので注意が必要です。

しかし、そのような時に舌が白いという症状を病院の何科で相談したらいいのか迷ってしまいますよね。

そこで今回は、舌が白い原因を漢方の視点からご説明し、またカンジダなどの考えられる病気と治す方法や、病院の何科へ行くべきかなどをご紹介していきます。

スポンサーリンク

舌が白い原因とは?

■白さの正体は「舌苔」?

鏡で舌を見た時に何か白いものが付いているという場合、その白いものは食べ物のカスや粘膜の細胞のカスなどから作られる「舌苔(ぜったい)」であることが多いようです。

なお、舌苔とは舌の表面に苔のように付いている汚れのようなもので、その成分は食べ物のカスや役目を終えた粘膜の細胞、そして舌の表面に付着した細菌などです。

そして、健康な人であっても、ある程度の舌苔があるのが普通なのですが、量が増えすぎてしまうと味覚が鈍ったり、口臭の原因になったりします。

■舌苔が増える原因とは?

舌苔が増える原因には、次のようなものがあります。

・ドライマウス(口呼吸や唾液の不足などによる口の中の乾燥)

・ストレス

・免疫力の低下

・喫煙

・加齢

・歯磨きが不十分である

・何らかの疾患がある

スポンサーリンク

東洋医学では舌が白い=○○?

■「舌診」から見る舌が白い原因

東洋医学では患者のさまざまな様子から病気を診断していきますが、その中に舌の形や色などを見ることで体の状態を判断する「舌診(ぜっしん)」があります。

そして、この舌診において舌が白い場合とは、舌そのものが白っぽい色をしている場合と、舌苔が付着している場合を指し、それぞれ診断が違ってきます。

まず、舌そのものの色が白っぽい時の原因には、体の冷えや貧血、エネルギー不足などが考えられます。

具体的には、次のような症状がある人は舌の色が白っぽくなりやすいようです。

・疲れやすい

・顔色が悪い

・貧血気味(粘膜が白っぽく、赤みがないなど)

・食欲不振

・寒がり

■舌苔の厚さや色からも病気がわかる?

では、舌苔が付着していることによって舌が白く見えている場合には、東洋医学ではどのように診断するのでしょうか。

まず、舌苔の厚さが薄い時には水分不足、厚い時には余計な水分や熱が体に溜まっていることや、胃腸障害、内臓機能の低下などが考えられます。

また、舌が真っ白に見えるような過剰な白さの舌苔は、アレルギーや発熱が起こっている時に見られることがあるようです。

このように、舌を見るだけでもさまざまなことがわかりますので、普段から体調のバロメーターとして舌を観察しておくといいかもしれませんね。

スポンサーリンク

舌が白い時に気をつけたい病気と治療法

■口腔カンジダ症

口腔カンジダ症とは、カンジダ・アルビカンスという菌によって起こる感染症で、口の中の痛みや味覚障害が起こる病気です。

また、この病気にはいくつかのタイプがあり、その中の偽膜性カンジダ症では口の中の粘膜に白苔(はくたい)と呼ばれる白いカスのようなものが現れます。

なお、カンジダ・アルビカンスは常在菌という普段から口の中に存在している菌のひとつで、健康な人であればこの病気を発症することは非常に稀です。

ただし、抵抗力の低い乳幼児や高齢者、または免疫力が低下するような病気(糖尿病や免疫不全を起こす病気など)にかかっている人は注意する必要があります。

そして、治療法は口の中を清潔にし、抗真菌薬の塗り薬やうがい薬などを使用することです。

■地図状舌

地図状舌(ちずじょうぜつ)とは、舌に白と赤の斑(はん)が現れて地図のような模様ができる病気で、女性や小さな子供に多く見られると言われています。

なお、特徴的な見た目以外の症状はあまりなく、あったとしても少ししみたり、違和感を感じたりする程度のようです。

また、この病気の原因ははっきりとわかっていませんが、風邪などによる発熱、ストレス、不規則な生活、ビタミンBやミネラルの不足などが関係しているのではないかと考えられています。

このため、有効な治療法というのもはっきりしておらず、主に生活習慣や食生活の改善などを行いながら模様が消えるまで経過を観察するということが多いようです。

それ以外には、他に粘膜や口の中に症状が現れる病気にかかっていないかなどをチェックしたり、漢方薬によって体質改善を試みるケースもあるようです。

■口腔白板症

口腔白板症(こうくうはくばんしょう)とは、舌をはじめとした口の中の粘膜に板状や斑点状の白い部分ができる病気で、この白い部分は舌苔などと違ってこすっても取り除くことができないのが特徴です。

なお、この病気の原因は明らかになっていませんが、タバコやアルコール、食物等による刺激や歯の詰め物などによる物理的・科学的な刺激の他、カンジダ症や貧血、ビタミン不足などによって起こりやすくなると言われています。

また、口腔白板症は後にがんになる確率が高く、気がついた時点ではすでにがんが発生している場合もあるようです。

そして、白くなっている部分の組織を採取して検査した後、口腔白板症だと診断された場合には刺激となっているものを取り除く(禁煙・禁酒など)、粘膜を健康な状態に保つ効果のあるビタミンA製剤を摂取するなどの治療が行われます。

ただし、白い部分が厚かったり、潰瘍などが見られるなどのがん化する可能性が高いと判断された場合には、手術によって白くなっている部分を切除します。

■扁平苔癬

扁平苔癬(へんぺいたいせん)も、口腔白板症のように口の粘膜の一部が白く、厚くなる病気ですが、こちらでは白くなった部分がレース状になり、また周辺が赤くなるのが特徴です。

また、この病気が起こる原因ははっきりとわかっていませんが、ストレスや自己免疫疾患、歯の詰め物に使われている金属のアレルギーなどと関連があるのではないかと考えられています。

そして、刺激になっていると考えられる詰め物などを取り除いたり、幹部に対してうがい薬や抗菌薬・ステロイド薬の軟膏を使用する他、ビタミン剤や抗アレルギー薬、消炎剤や精神安定剤などを状況に応じて使用することが有効な治療法です。

■毛舌

毛舌(もうぜつ)とは、舌の表面に毛が生えたような状態になる病気で、白色をしている場合(白毛舌)と黒色をしている場合(黒毛舌)があります。

なお、この毛に見えるものは舌の表面の正常な突起が伸びたもので、発熱や抗生物質の使用、喫煙などが原因で口の中の細菌バランスが崩れるためではないかと考えられていますが、正確なところはわかっていません。

そして、毛舌は口の中の不快感はあるものの、それ以外に症状は特になく、口の中を清潔にしておくことを心がけ、原因と考えられるものがなくなれば(禁煙する、体調が回復して薬の服用が終わるなど)、長くてもひと月程度で治ります。

ただし、まれに黒い毛は悪性黒色腫というがんの一種である可能性がありますので、気になることがある場合には医療機関を受診するようにしてください。

スポンサーリンク

舌が白い時には病院の何科に行けばいいの?

■口の中のトラブルは「口腔外科」へ

舌が白いというような口の中のトラブルは口腔外科が専門ですので、診療科目に口腔外科がある病院へ行くのがいいでしょう。

しかし、普段から通っている歯科医院がある場合には、詳しい検査や治療が必要であればそれが可能な他の病院を紹介してくれますので、まずは相談してみることをおすすめします。

また、各自治体には医療機関の情報をネット上で一括で検索することができる「医療機関情報システム」があります。

おそらく、「お住まいの都道府県名」と「医療機関情報システム」という単語で検索すると該当するホームページを見つけることができますので、病院を探す際にはぜひ参考にしてみてくださいね。

舌が白いときの治し方はこれ!

■まずは体の状態を整えよう

舌苔が増える原因には、ストレスや免疫力の低下、胃腸の状態の悪化や喫煙などの日頃の生活習慣も関わっていますので、まずはそういった要因をなくして舌苔が増えないようにすることが大切です。

そのためには、規則正しい生活を心がけ、喫煙や暴飲暴食を控えるようにするようにしましょう。

また、口の中の乾燥も舌苔を増やす原因となってしまいますので、口呼吸の癖がある人は鼻呼吸を心がけ、ガムを噛んだりこまめに水分を摂ったりして口の中を潤すようにしてみてください。

■舌苔は歯ブラシで取ってはいけない!?

歯磨きなどで口の中を清潔に保つことは舌苔対策に有効ですが、ここで気をつけたいのが歯ブラシで歯と同じように舌を磨いてしまうことです。

というのも、これによって舌の粘膜を傷つけたりする可能性があるので、専用の舌ブラシを使用するのが望ましいとされています。

そして、その場合であっても力を入れてゴシゴシとこするのではなく、粘膜を傷つけないように軽い力でブラシを動かすようにしてください。

なお、舌ブラシを使う以外の方法では、舌を上あごにこすりつけるようにする、はちみつをなめる(はちみつのタンパク質を溶かす性質を利用しています)などがあります。

【Amazon.co.jp アソシエイト】

■舌苔の取り過ぎに要注意!

舌苔が気になる時には、白い部分が全くなくなるまできれいにしたいと思ってしまいがちですが、舌苔は取り過ぎても問題になると言われています。

というのも、そこまで舌を磨いていると粘膜を傷つけてしまう可能性が高まりますし、舌苔の取り過ぎによって防御反応が起こり、余計に舌苔が付着しやすくなることがあると考えられているからです。

何より、この記事の始めにも触れましたが、舌苔は少しはあるのが正常であり、全くないというのは正常な状態とは言えません。

ですので、舌苔は取り過ぎに注意してケアするようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか。

舌が白い時の原因は、風邪などによる免疫力の低下、ストレスや胃腸の不調、乾燥や水分代謝の異常などによって舌苔が増えているということが一番多いようです。

しかし、今回ご紹介したような病気が隠れている場合もあり、中にはがん化する可能性がある病気もありますので、舌ブラシなどでケアしても効果がない場合や、痛みなどの気になる症状がある場合には早めに口腔外科を受診し、医師による診断・治療を行ってもらうようにしてください。

ぜひ今回の記事を参考に、口の中を清潔にしておくことや規則正しい生活を心がけ、舌苔が増えないようにケアしてみてくださいね。

スポンサーリンク

このページの先頭へ