クローン病の初期症状と原因!完治の見込みと食事の注意点も!

%e7%94%bb%e5%83%8f%ef%bc%91クローン病とは、比較的若い年代の方に発症することが多い疾患で、厚生労働省が定める特定難治性疾患の一つです。

なので、クローン病の初期症状や原因、予後や完治の見込みと病院での検査方法や治療内容と治療費、手術、食事の注意点についても気になりますよね。

そこで今回は、クローン病の初期症状と原因や、完治の見込みと食事の注意点などについても詳しくお伝えしていきます。

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クローン病とは?原因や初期症状についても!

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クローン病は、日本でも急増している難病の一つで、小腸や大腸に炎症を起こす疾患をまとめて炎症性腸疾患と言いますが、クローン病もその一つだそうです。

そして、クローン病は1932年、ニューヨークにあるマウントサイナイ病院の内科医であるクローン先生によって報告され、主に先進国に多く日本でも急増しています。

それから、上下水道の完備により清潔な環境で生活していることや、食生活が欧米化していることなどが原因として考えられていますが、実は増加のはっきりとした原因はいまだに解明されていないそうです。

とはいえ、世界中で研究が進んでおり劇的な効果を示す薬剤も続々と開発されていて、早期に適切な治療を行なえば予後も良くなる疾患なので、しっかりと症状と対策をチェックしていきましょう。

原因や初期症状など

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クローン病は、小腸や大腸を中心とする消化管に炎症を起こし、びらんや潰瘍を生じる慢性の疾患で、症状としては腹痛、下痢、下血、体重減少、発熱などが挙げられ、初期症状には下痢が目立って現れるそうです。

そして、20代に最も多く発症しますが、他の年代にも多く見られ日本では比較的少ない疾患ですが、近年になって患者数が増えてきており潰瘍性大腸炎とも似ている点も多く、2つをまとめて炎症性腸疾患と呼ばれているそうです。

それから、原因ははっきりと解明されていないのですが、遺伝的要因とそれに基づく腸管での異常な免疫反応のためと考えられており、食物中の物質や微生物が抗原となって異常反応を引き起こすことも原因の一つと捉えられているそうです。

そして血便はあまりはっきりしないところがあり、下痢や下血が軽度の場合も多くなかなか診断がつかないことがあります。

それから、口腔粘膜にアフタ(有痛性小円形潰瘍)や小潰瘍が見られたり、痔や肛門周囲膿瘍と言われる難治性の肛門疾患を合併することもあります。

また、消化管以外の症状として、関節炎、皮膚症状(結節性紅斑、壊疽性膿皮症など)、眼症状(ぶどう膜炎など)を合併することもあるそうです。

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クローン病の病院での検査方法は?

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クローン病で現れる初期症状は、他の原因でも起こりうる症状なので分かりづらいのですが、腹痛が長く続いたり下痢をしていて腸炎との診断で薬を処方され服用していたが良くならないといった場合は、専門医を受診して次のような検査を行なうと良いでしょう。

潰瘍性大腸炎とは異なり、炎症は口腔から肛門までの消化管全体に起こりえますが、最も病変が起こりやすいのは回盲部(小腸と大腸がつながるところ)付近だと言われていて、病原が小腸のみにある小腸型、大腸のみにある大腸型、両方にある小腸大腸型に分類されます。

そして、次のような様々な検査を行い症状の進行具合や種類を調べます。

クローン病に特徴的な所見を見つけるための検査

・ 小腸造影

クローン病では腸管に縦に走る潰瘍など特徴的な所見が見られるため、小腸の病変を検索するのに用いる検査方法です。

・ 内視鏡

主に大腸内視鏡によって大腸の病変の検査のために行なうのですが、クローン病では回盲部という小腸から大腸へ移行する部位に病変が多く、この部位は大腸内視鏡で視察できるところから病変の発見にも役立つとされています。

それ以外の検査

・ 血液検査

クローン病に特徴的な検査項目があるわけではないのですが、貧血の有無や炎症の有無も検査することが多いです。

・ レントゲン検査

腸閉塞や腹膜炎の可能性も考慮して検証のためにこの検査を行ないます。

・ CT検査

クローン病では腸管同士がつながったり、腸管全体に炎症が起きたり、潰瘍を作ったりといったこともあるのでそれらの有無を調べます。

・ MRI検査

肛門周囲に起こりうる合併症を調べるため行ないます。

このように、様々な検査を行った結果と医師による診察、症状の問診を総合的に判断して診断を行ないます。

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治療方法や治療費は?予後や食事の注意点も

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クローン病と診断されたら、症状は良くなったり悪くなったりと繰り返し起こるので、症状が活発な間は薬物療法を中心に集中的に治療を行ないます。

・ 内科的治療

5-アミノサリチル酸製薬、副腎皮質ステロイド、免疫調整薬が症状に応じて使用されるので医師に従って服用を行ないましょう。

・ 抗サイトカイン療法

クローン病に対する内科的治療の中で、特に重要な薬剤が抗TNF-a受容体拮抗薬(レミケード、ヒュミラ)で、抗TNF-a受容体拮抗薬はクローン病の治療史を変えたと言われるほどの治療方法で、寛解導入効果(症状が緩和すること)が高いことが知られており、早期からこの治療方法が選択されることも多いそうです。

・ その他の治療

血液中の炎症を起こしている細胞成分を取り除くという血球成分除去療法という治療法が選択されることもあり、こちらは透析のような医療機器を用いて行ないます。

・ 外科的治療

腸閉塞や大量出血、腸に穴があいてしまう症状が起きている場合は手術が必要になり、また中毒性巨大結腸症という病態を合併している場合も腸の切除が必要になるそうです。

ただ、大腸摘出手術とは異なり小腸は栄養を吸収するという重要な役割を持つため、切除範囲は必要最低限とし、腸管の栄養吸収機能を維持することにも注意しなければなりません。

そのため、病院によっては腸管切除を避ける「形成術」という方法の手術を行なっているところも多く、一方で潰瘍が多発している場合は全てを切除して、潰瘍が重なっている部分のみを切除するといったように、症状によって手段を変えることができます。

このように、クローン病の治療には手術や入院、そして高価な内服薬の処方が続き、自己負担をするとしたら総額で300万は下らないとされています。

ただ、実際には健康保険や特定疾患の公費補助があるため、自己負担額は20万円程度で済むそうなので後ほど詳しく説明しますね。

クローン病の症状が現れている時、食事の注意点は?

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クローン病は、食生活の欧米化が原因の一つと考えられているので食事療法も行ない、具体的には以下のようなルールを定めて食事制限を行なうそうです。

・ 高エネルギー食

少量でもカロリーを摂取することのできる高エネルギー食を摂取します。

・ 標準体重×40kcal

目安として、1日これくらいのカロリーにする必要があるそうです。

・ 低脂肪

脂肪の多い食べ物は腸管を悪化させたり炎症の原因となるためだそうです。

・ 低残さ

食事の量を減らして便の量を減らし、腸管を安静にすることを目的に行なわれます。

そのため、食物繊維のうち水に溶けない不溶性の物を控えて、水に溶ける水溶性の食物繊維を1日5gを目安に摂取するように制限されるそうです。

・ 乳糖やシュウ酸への注意

乳糖は牛乳やヨーグルトに特に多く含まれていますが、日本人の体は元々乳糖を分解する酵素が少なく、クローン病の患者は特にこの傾向にあるため摂取量の制限がかかります。

そして、ほうれん草などに多く含まれているシュウ酸は、クローン病の患者が摂取をすると血中濃度が高まってしまい腎臓結石の原因となるので摂取の制限がかかります。

このように、様々な食事制限がかかるため、具体的には次のような食品は摂ることができなくなるか、摂取量を制限されてしまいます。

・ 玄米、インスタントラーメン、菓子パン類、コーンフレーク、中華麺

・ さつまいも、こんにゃくなどの不溶性の食物繊維

・ ごぼうを始めとした根菜類

・ 柑橘類など酸味のあるもの、干しぶどうなど

・ バターを使った食品や油物、タコやイカ、貝類

・ 脂肪の多い肉類、海草類、刺激の強い香辛料

こうした食材を避ける上に、味付けについても醤油や味噌など塩分の多い物は摂取を控える必要があるため、味付けもあっさりとしたもののみになるので、クローン病の食事制限は非常に厳しいと言われています。

クローン病の完治の見込みや予後は?

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クローン病と診断された場合は、基本的に完治の見込みは難しいと言われているので、薬物療法や食事制限などの治療を行なって、できるだけ症状を緩和させながら定期的に内視鏡検査を受けることをおすすめしているそうです。

というのも、海外での医師会の研究報告では、クローン病の患者が大腸がんを発生する危険性は一般の方と比べて2.4倍、小腸がんは28倍と示されているからです。

そして、日本ではまだクローン病の患者自体の数が少なく、明らかになっていない部分もありますが同程度の発生率という報告もされているそうです。

また、クローン病患者の予後については、一般の方と同程度、つまりそれほど生命に影響を与える疾患ではないということなので、しっかりと治療を行ない少しでも寛解期を長く過ごせるようにすると良いでしょう。

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クローン病の治療費は助成が交付されるってホント!?

クローン病は「難病の患者に対する医療費の法律」における指定難病に定められているので、最寄りの保健所にて所定の手続きを行い認定されると、指定医療機関における医療費の自己負担分の一部が国や都道府県から助成されます。

そして次のように、患者の支給認定世帯の収入に応じて、1ヶ月あたりの医療費の自己負担の上限度が設定されているため確認しておきましょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、クローン病の初期症状と原因、また、完治の見込みと食事の注意点などについても詳しくお伝えしました。

クローン病は、小腸に炎症を起こす炎症性腸疾患で日本でも急増している難病であり、初期症状には下痢、その他の症状に腹痛、発熱、体重減少、全身倦怠感などが現れ、肛門周囲への合併症も生じるので、病院では小腸造影や内視鏡検査などを行なって総合的に診断するとのことでした。

そして、治療は厳しい食事制限と5-アミノサリチル酸製薬やステロイドなどの内服、抗TNF-a受容体拮抗薬や外科的手術を行ないますが、基本的に完治の見込みはなく治療費は300万近くになるのでした。

ただ、実際には国からの助成が交付され自己負担は20万円程度になるのと、完治の見込みはないといっても、生命予後に大きな影響はもたらさないため、内視鏡検査を行ないながら、寛解期を長く継続できるように自分の体を守っていくと良いでしょう。

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