糖尿病の初期症状や兆候の種類!年代や性別ごとのまとめも!

%e7%94%bb%e5%83%8f1糖尿病は前兆や自覚症状がなく、知らないうちに進行すると言われていますが、実は初期症状を見逃してしまったというパターンも多く存在します。

というのも、糖尿病の初期症状には吐き気、手や足のしびれ、かゆみ、目のかすみ、食後の眠気といった一見糖尿病だとは気づきにくいものが多く、気づいた時には進行していたということがあるからです。

また、糖尿病というと尿から糖が出る、甘い匂いがするといった症状を思い浮かべてしまいがちですが、実際には初期症状では他の尿トラブルも多く現れるようです。

そこで今回は、糖尿病の初期症状の種類と、10代・20代・30代・40代といった年代別や男女別で起こりやすい症状をご紹介するとともに、これらを改善するための治療法についてもお伝えしていきます。

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糖尿病は発症の原因によって種類分けがある!

■1型糖尿病

1型糖尿病は、インスリンというホルモンが体の中で作られなくなり、その結果血糖値のコントロールができなくなってしまうことが原因となって起こります。

通常、人間は体内の血糖値をさまざまなホルモンによって調整していますが、中でも血糖値を下げる働きをするのがインスリンです。

そして、この1型糖尿病にかかると、膵臓にあるβ細胞というインスリンを分泌する細胞が死んでしまい、インスリンがほとんど、もしくは全く分泌されなくなります。

そのため、外からインスリンを補う治療を行わなければ、血糖値が急激に上昇することで意識を失ってしまったり、昏睡状態になったりといった危険な状態になってしまうため、インスリン注射などの治療が必須です。

なお、1型は糖尿病患者のおよそ1割程度と言われており、多くは子供の頃に発症します。

■2型糖尿病

2型糖尿病は、生活習慣などが引き金となってインスリンが正常に作用しなくなることで血糖値がコントロールできなくなってしまうことが原因で起こります。

この場合、インスリンの分泌量そのものが減ってしまう場合と、インスリンの作用が効きにくくなる場合の2つのパターンがあり、前者ではやせた体型の人が、後者では太った体型の人がかかりやすいようです。

なお、一般に糖尿病としてイメージされているのはこちらの2型糖尿病で、患者全体の9割を占めると言われています。

また、以前は不摂生をした大人がかかる病気だとされていましたが、最近は若い人でも発症する場合が多く、注意が必要だと言えるでしょう。

■その他の糖尿病

・妊娠糖尿病

妊娠糖尿病とは、妊娠中に血糖値が高くなったり、血糖値が高い状態が初めて発見された場合を指す病名です。

通常、妊娠中には胎盤で血糖値を上げるホルモンが作られるのですが、それに対して必要なインスリンを分泌することのできない体質の人がこの妊娠糖尿病になってしまいます。

そして、妊娠中の高血糖は母体だけでなく胎児にもさまざまな悪影響がありますので、早急に治療することが必要です。

ちなみに、元々糖尿病と診断されていた人が妊娠しても妊娠糖尿病とは言いませんが、妊娠中に高血糖の状態になりやすいことと、母体や胎児へ悪影響が生じるリスクは妊娠糖尿病の人以上だと言われています。

・若年発症成人型糖尿病

若年発症成人型糖尿病は、糖の代謝に関わる遺伝子の機能異常によって25歳以下の若い人がかかる非常にまれな糖尿病です。

そして、遺伝子の機能異常ですので、家族に同じ病気の人がいれば自分も発症する可能性があり、その確率は両親どちらかが該当する遺伝子を持っていた場合には子供に遺伝する割合は50%となります。

なお、糖尿病にはこのような遺伝子の異常で起こるものの他、ステロイド薬の長期服用や肝硬変などの病気を引き金として起こるようなものもあります。

糖尿病の主な初期症状とは?

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■異常な喉の渇き、食べても痩せる

糖尿病の初期症状の代表的なものに、喉が渇いてたくさん水を飲んでしまう(多飲)、食べても痩せてしまうといった症状があります。

・異常な喉の渇き

通常、血糖値が高くなるとインスリンによって調整されるわけですが、糖尿病の人はそれがうまく機能しないため、脳は血糖値が上がって濃度が高くなった血液を脱水症状だと判断して水を飲むように指示を出します。

そのため、水をたくさん飲む(多飲)・尿の量が増える(多尿)といった症状が現れます。

・食べても痩せてしまう

血中の糖は、本来ならば筋肉などに取り込まれてエネルギー源として利用されますが、糖尿病では糖が使われないまま血中に残っている状態になってしまうため、体は糖の代わりに脂肪をエネルギーとして使い始めます。

そのため、脂肪が減って痩せてしまうというわけです。

■頻尿、尿が泡立つ

糖尿病というと「尿から甘い匂いがする」「尿から糖が出る」というイメージをお持ちの方も多いと思います。

確かに、尿から甘い匂いがするというのは確かに血糖値が高くなって腎臓の処理能力を超えた場合に起こることではあるのですが、糖尿病になったら必ず尿から甘い匂いがするというわけでもなく、この場合には初期症状というよりは糖尿病がかなり進行している可能性があります。

なお、その他に糖尿病の初期症状として挙げられている尿のトラブルは、先ほどご説明した多尿の他に頻尿、尿が泡立つといったものです。

・頻尿

これは先ほどの多飲・多尿に伴って起こる事が多い症状ですが、水をたくさん飲んでいるから当たり前のことだと本人や周りも気づきにくい症状であると言えます。

・尿が泡立つ

尿の中に糖が排泄されている場合には、糖によって尿の粘り気が強くなり、泡が立つことがあります。

また、糖尿病によって腎機能が低下してしまっている場合には、尿の中にタンパク質が排泄され、同じように泡立つ尿となります。

どちらの場合も、なかなか泡が消えないといった場合には要注意です。

■手足のむくみ、しびれ、冷え、皮膚のトラブル

手足のむくみやしびれや冷えというと、冷え性の人に現れる症状で糖尿病とは関係がないように思えますが、糖尿病によって神経がダメージを受けると、このような症状をはじめとしたさまざまな症状が現れます。

また、糖尿病では余分な糖を尿によって排泄しようと大量の尿が作られるわけですが、これによって体が脱水症状に陥って肌が乾燥することも一因のようです。

なお、手足に起こる初期症状には、他にも次のようなものがありますが、これらは糖尿病の合併症のひとつである神経障害の一種でもあります。

そのため、こういった症状や食生活などが気になっているのあれば、一度検査を受けてみるのもいいかもしれません。

・足が火照る

・足の感覚が鈍る(裸足でいても、足と床との間に何かあるような感じがする)

・足の皮膚が乾燥している

・魚の目やタコができた

・頻繁に足がつる、こむら返りが起きる

・傷が治りにくい

■目がかすむ、物が二重に見える

糖尿病によって現れる症状の中でも、目に関係するものは最悪の場合には失明してしまうことがあるので恐れられています。

ですので、初期のうちに病院へ行き、治療法などの対策を立ててもらうことが大切です。

・目がかすむ

高血糖によって網膜の血管がダメージを受けたり、血中のタンパク質が糖と結びついて変質することによって目の水晶体が濁り、目が見えにくくなってしまいます。

・物が二重に見える

目を動かす神経などがダメージを受けて麻痺することで、このように見え方が変化することがあります。

・視力が急激に低下する

高血糖によるダメージを受けた血管が出血したり、血流不足から新しい血管を作ったりした場合には、小さな虫が常に飛んでいるように見える(飛蚊症)といった症状が現れたり、視力が急激に低下することがあります。

■食後のこんな症状にも要注意!

さて、ここまで紹介してきたのが糖尿病の初期症状としてよく挙げられるものですが、次のような症状にも注意が必要です。

・食後に眠気やだるさを感じる

食後は血糖値が上がるものですが、インスリンの働きが悪いと筋肉がエネルギーを取り込むことができずにだるさや脱力感、眠気を感じることがあります。

・食べてもすぐ空腹を感じる

通常はエネルギーとなるはずの糖が吸収されず、血中に残ったままだったり体外に排出されたりしているので、体はエネルギーが足りない状態となり、空腹を感じるようになります。

・胃の不快感、吐き気

糖尿病による高血糖は自律神経にダメージを与えることがあり、このような消化器の不調が起こることがある他、高血糖の急性症状であるケトアシドーシスという状態になった場合にも吐き気をもよおしたり、嘔吐することがあります。

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糖尿病の初期症状の年代別の特徴や見落としがちな症状

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■10代・20代

10代くらいの人がかかる糖尿病というと、以前は遺伝性の珍しいものや1型糖尿病などでしたが、近年は生活スタイルの変化に伴って10代・20代でも2型糖尿病だと診断される人も少なくはありません。

そして、糖尿病の初期症状で10代・20代の人に多いというよりは、見逃されやすいのが次のような症状ではないでしょうか。

・食べても空腹になる

・食後の異常な眠気

・食べても痩せる

・喉が渇く

・疲れやすい

10代・20代というと学校や会社での活動もありますし、若いので食事をたくさん摂るのは当たり前のように思えます。

また、部活などで運動をしていたり、体を動かす仕事をしていたら喉が渇くのも妙には思われないかもしれません。

しかし、スナック菓子やスポーツドリンクをはじめとした清涼飲料水を好みがちな10代・20代では、ペットボトルの清涼飲料水によって急性の糖尿病を起こす「ペットボトル症候群」という症状も見られますので、家族が普段の食事の量や水分補給量などをきちんと把握しておく必要があるかもしれませんね。

■30代・40代

働き盛りの30代・40代の人にとっては、仕事や家事などに追われる忙しい生活というのが糖尿病を引き起こす原因になりかねません。

というのも、不規則な食事や飲酒、喫煙、運動不足、ストレスなどは糖尿病を引き起こす危険因子だということが指摘されているからです。

また、2型糖尿病の発症率は40代以降になると増えるというデータもありますので、注意が必要だと言えるでしょう。

そんな30代・40代の方で見落としがちなのは、やはり次のような症状ではないでしょうか。

・疲れやすい

・皮膚の乾燥

・足のむくみ

・食後の異常な眠気

・食べているのに痩せる

やはり30代・40代というと、仕事や家庭などで多忙を極めることも多く、また年齢による体力の低下を自覚することが多い年代ですので、体調の変化を仕事のせい、年齢のせいだと考えてしまいがちです。

しかし、特にダイエットをしたり、食事の量を変えていないのに痩せてきた場合や、不摂生をしている自覚がある場合などには、健康診断の結果に注意しておきたいものですね。

糖尿病の初期症状の性別ごとの特徴

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■男性の場合

男性に多い糖尿病の初期症状は、次のようなものが挙げられます。

・水虫などの感染症にかかりやすい

・食べているのに痩せ始めた

・性欲減退

中でも、性欲減退は糖尿病によって疲れやすくなること、末梢神経の働きが鈍ったり、血流が悪くなることなどが原因になりますが、糖尿病が原因だとは思わないような症状なので注意するべきでしょう。

■女性の場合

女性の場合に起こりやすい糖尿病の初期症状には、次のようなものがあります。

・デリケートゾーンのかゆみ

・月経不順

・不妊

月経不順やそれに伴う不妊は、糖尿病になったから必ずそうなるとは限りませんが、糖尿病によってインスリンが効きにくくなっていることが関係している場合もあります。

また、女性はデリケートゾーンに糖度の高い尿が残ったりすることでカンジタなどが繁殖し、かゆみが出るケースがあるようです。

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糖尿病の初期症状は治療できる?

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■生活習慣を改善すれば治療は可能

糖尿病の初期の段階であれば、症状も比較的改善しやすく、病院でも投薬治療などは行わず、生活指導のみの場合があります。

そして、その生活指導において最も大事になるのが血糖値をコントロールすることであり、それは不規則な生活を改善することに他なりません。

つまり、過度の間食を控えて栄養バランスの良い食事を3食きちんと毎日食べることや、散歩程度の簡単なものでかまわないので、毎日30分~1時間程度の運動を続けることなどが糖尿病の初期症状の治療には大切です。

ですので、まずは病院できちんと検査を行い、その上で自分の体質や生活に合った食事や運動法を専門のスタッフと相談して行っていくことをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか。

糖尿病の初期症状には、喉が渇く・たくさん水を飲む・頻尿になって尿の量が増える・疲れやすいといった代表的なもの以外にも、一見糖尿病とは関係がなさそうで見過ごしてしまいがちな症状が多くあります。

しかし、年齢のせいや生活のせいだと無視していると、知らないうちに糖尿病はどんどん進行してしまい、重い症状に苦しむ可能性があります。

そのような事態にならないためには、日頃から規則正しい生活やバランスの良い食生活を心がけるとともに、自分の体調の変化に敏感であるというのも大切になります。

ぜひ今回の記事を参考に、自分やご家族の体調をよく観察してみるとともに、気になってはいたけれども直せなかった生活習慣などを改善してみてはいかがでしょうか。

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