糖尿病で足が痛い時や腫れる時の注意点!壊死や切断の可能性も

%e7%94%bb%e5%83%8f1糖尿病では、特に注意すべきだとされているもののひとつに足のトラブルがあります。

というのも、糖尿病での足の症状は、悪化すると足の指などが壊死してしまい、切断しなければならない場合もあるからです。

実際に、糖尿病が原因となって足を切断することになってしまう人も決して少なくありません。

しかし、そこまで症状が進行する前には、むくみや変色、腫れるといった症状が出るのですが、糖尿病ではこれらの症状に気づきにくいそうです。

そこで今回は、なぜ糖尿病で足のトラブルが起こるのかを、気をつけるべき症状と、それに気づけない理由も合わせてご紹介していきます。

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糖尿病とはどんな病気?

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■血液中の糖の濃度がコントロールできなくなる病気

糖尿病とは、血液中の糖分が異常に増えてしまうことによって、体の機能にさまざまな障害が起こる病気です。

通常、体のエネルギー源となる糖分は血液によって体の各部へと運ばれていった後、インスリンなどのホルモンの働きによって吸収されて細胞や筋肉へと渡され、血液中では一定の濃度を保つように調整が行われています。

しかし、この機能が何らかの原因で働かなくなり、血液中の糖分の濃度をコントロールできなくなってしまうと、糖分は使われることなくそのまま血液中に残ってしまうことになり、これが高血糖、血糖値が高いと言われる状態です。

ちなみに、血糖値は血液検査で調べることができますが、糖尿病と診断されるのは以下のような場合です。

1:早朝空腹時血糖126mg/dL以上

2:75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値200mg/dL以上

3:随時血糖値200mg/dL以上

4:HbA1c(国際標準値)6.5%以上
(※HbA1c=血管内でヘモグロビンがブドウ糖と結合したグリコヘモグロビンの一種)

■生活習慣病が原因の糖尿病はⅡ型

糖尿病にはⅠ型・Ⅱ型、そして妊娠中に起きやすい妊娠糖尿病やその他の遺伝子疾患によって起こるものがありますが、その中で生活習慣が原因で起こるのがⅡ型糖尿病です。

なお、Ⅰ型糖尿病は自己免疫疾患などでインスリンを作る細胞が死んでしまい、インスリンが作られなくなってしまうことが原因で、子供や若い人に多く見られますが、糖尿病患者全体で見るとⅠ型糖尿病にかかっているのは10%程度です。

そして、Ⅱ型糖尿病は運動不足や喫煙などの生活習慣における危険因子と、遺伝的に糖尿病になりやすい体質などが合わさって起こります。

糖尿病で足が悪くなるのはなぜ?

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■動脈硬化や神経障害が原因となる

糖尿病で足に障害が起こるのは、血糖値が高い状態が続くことで動脈硬化が起こり、やがて末梢神経に障害が起こってくることが原因になります。

というのも、血液中に糖分が過剰に存在する状態は血管に対して負担が大きく、また同時に発生する活性酸素によって血管が傷つけられ、そこにコレステロールなどが付くことで血管の壁が厚く固くなってしまうからです。

すると、足の先などの細い血管では血液が充分に行き届かなくなり、神経の働きにも影響が出てきてしまいます。

また、血糖値が高い状態が続くことで細胞の活動が正しく行われなくなることで、神経細胞に異常が起こることも原因のひとつです。

なお、このような神経障害が起こっている時には、初期症状として、むくみや乾燥肌(皮膚のひび割れ)、魚の目やタコといった皮膚の症状が現れる場合もあります。

■糖尿病で足を失う!?壊死や壊疽の症状とは

糖尿病による末梢神経の障害が進行すると、足の壊死や切断といった重大な事態に陥ってしまうおそれがあります。

なぜ糖尿病で足を失う結果になってしまうのかというと、末梢神経の障害が進行することで痛みや熱さなどを感じることができなくなり、傷や火傷などを放置しやすくなることなどが挙げられます。

つまり、普通の人ならば痛みなどで気がつく靴ずれのような小さな傷に気づくことができず、そのうえ動脈硬化によって血流が充分ではないためにそれがなかなか治らないうちに感染を起こし、気がついた時には壊死や壊疽(壊死した部分が腐敗してしまう状態)になってしまうというわけです。

また、糖尿病の人は抵抗力が弱っているために感染症を起こしやすい他、血流不足で傷が治りにくいことなどがこのような状態になりやすい理由だと言えるでしょう。

そして、黒く変色したり、悪臭が生じるようになった壊疽した部分は、切除や切断といった処置を取らなければなりません。

なんと、糖尿病で足を切断する人は年間およそ3000人もおり、ケガ以外で足を切断する原因としては最も多いそうなので、糖尿病にかかったら、足のケアは必要不可欠だと言えます。

■痛い、腫れる…こんな症状には要注意!

糖尿病にかかっている場合には、痛みやしびれといった初期の神経障害から、だんたんと痛みや熱さなどを感じない重度の状態へと進行していってしまいますので、小さな傷や腫れといった症状を毎日チェックする必要があります。

ですので、次のような症状がある場合には、血糖値の管理をきちんと行う他、主治医やフットケア専門の外来などに相談したほうがいいでしょう。

・足の冷え

・足がしびれる、ピリピリ、チクチク痛む

・足を触っただけで痛む

・足が変色している

・腫れている

・膿が出る

・悪臭がある

・感覚が鈍い

・歩くと足に痛みが出る(少し休むと歩けるようになる)

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糖尿病の足ケアで大切なことは?

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糖尿病の足ケアで大切なのは、毎日のお風呂で足を清潔にしておくことの他、こまめに爪を切ったり、傷などがないかを目で見て確認することです。

というのも、糖尿病では巻き爪や深爪から足の感染症に進行することも多いうえに、足の感覚が鈍っているために知らず知らずのうちにきつい靴を履いてしまったりすることがあるからです。

また、乾燥によるひび割れや皮膚のバリア機能の低下も感染症を起こす原因となりやすいので、クリームなどで保湿もきちんと行うようにするといいでしょう。

そして、先程も触れたように、きちんと食事などを通して血糖値を管理することで、こういった足の合併症も予防することができます。

まとめ

いかがでしたか。

糖尿病で足が痛い時や腫れる時は、糖尿病の合併症による神経障害や動脈硬化が原因で足にトラブルが起こっているというサインです。

そして、その症状を放置してしまうと、やがて壊死した組織が腐敗し、最悪の場合には足を切断しなければならないという事態になりかねません。

ですので、足の痛みや腫れといった症状が現れた場合には、主治医やフットケア専門の病院などに相談し、正しい処置を受ける必要があります。

また、このような症状の予防策としては、毎日足を清潔に保ち、傷などの異変がないかこまめに確認することや、きちんと血糖値の管理をして糖尿病が進行しないようにすることが挙げられます。

ぜひ今回の記事を参考に、糖尿病での足ケアを心がけてくださいね。

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